嫌われ皇子のやりなおし ~辺境で【闇魔法】を極めて、最強の眷属と理想の王国を作ります~
」のレビュー

嫌われ皇子のやりなおし ~辺境で【闇魔法】を極めて、最強の眷属と理想の王国を作ります~

苗原一/阿部花次郎/高峰ナダレ

説明不足な話の作りと結果優先な展開

ネタバレ
2025年10月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず先に書くなら世界観や作画は素直に褒められる作品だと思う
キャラクターの個性やデザインも悪くないし一見すると面白く感じた
だからこそ際立って残念なのが話の作りなのだ
流石に説明するにはネタバレありにしないといけないのだが
まず主人公の特性やら頭の中の悪魔やらを無視して話が進むのは読者としてモヤる
最初の頃は地味に助言とかしてくれてたのに商会編じゃ同じ悪魔に驚いたりと立ち位置がよく分からない
ただ喚くだけで乗っ取る努力も嫌がらせもしないし正直必要性を感じない
要るのか分からないフラグも多い
例えば修道院の子たちはまだ自分の領地に呼ぶには準備不足と言っていたのに魔物や亜人を際限なく受け入れてるし
なんなら青髪族が居住区を整えて商売も軌道に乗せても一向に呼ぶ気配が無いし忘れてそうですらある
一緒に暮らしていたオークも話題にすら出さないのが違和感
他にも魔族国の動き
海からの侵攻を鎖のお陰で阻止できたってのはわかるけどそれ以降に話にも出てこないのが不思議
魚は領地近海で獲れるのに海賊に対処する不思議
鼠やその他の警護とか任せてた熱血を何故か会長に据える不思議
曰く付きとはいえ何故か主人公の兄が商会を紹介する不思議
急に回復したのに驚かない龍人達も違和感
…とまあそんな感じで大から小まで読んでいて何で?とかそうわならんやろ案件が多いって印象で
絵は読みやすいのに話が読み難いっていう不思議な感覚になる
こう言っては何だが本当に人間が書いたか怪しいすらある
面白いっていう他作品のエッセンスを集めてそれっぽくAIが作ったみたいな人間味が無い展開が多い
主人公は優しいってわりにドライだしオークは恋愛感情をチラつかせるけれど愛情を感じない
他のキャラも似たり寄ったりで思考や行動が微妙にズレてるから読んでいて感情移入が出来ない
巻末のおまけ漫画だけは普通にキャラが生きてる感じがするし原作が悪いんだろうと思った
私は買ったけれどオススメはし難い作品だなぁってのが結論
ただ逆を言えばちゃんと普通の感覚で作ったなら良い作品になるだろうにというのがあるから非常に残念
もっと言えばザマァがしたいならもっと弟や王様を陰湿にするとか恋愛を描くなら婚約者との接点とか眷属達との触れ合いパートを増やすとか領地開拓も時間をかけるとかバトルももっと感情を乗せるとかしたら良くなるのになぁ
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