黒幕令息は疲れたので、堅物騎士団長で遊ぶことにしました
天岸あおい/爺太
このレビューはネタバレを含みます▼
フィクサーの受けが堅物攻めを翻弄する話…に見せ掛けて2人して初恋にもだもだしていてめちゃくちゃ可愛い！
堅物騎士攻め×悪辣受けでは反発始まりがあるあるだと思うんですが、この作品はそういった過程はありません。
攻めの騎士団長は出自の関係で自己肯定感が一切育っておらず、矜恃とか正義感みたいな信念があまりないので、初手からかなり受けに従順。
受けの方も神童からフィクサーに闇進化したタイプで、人心掌握が得意すぎた故に他者との関わりでの心の成長を経験していません。
"能力ばかりは優秀な人間初心者"同士による初恋を描いたお話です。
攻めに一目惚れした受けが自分の恋情に自覚がないまま攻めを手元に置いて可愛がり、それによって攻めは情緒が育つと同時に受けに執着と敬愛を向けていく、そんな過程が丁寧に描かれています。
攻めが分かりやすくド級の初心なのも最高なんですが、受けは受けで自覚のない初恋なので戸惑ったりイライラしたり無意識に試し行為をしたり、とにかく2人して恋愛初心者すぎて可愛いです。
かといって作品の雰囲気はしっかりお耽美で蠱惑的で、正義×悪に求める倒錯感も味わえて最高でした。
潔白で正義感が強い攻めが受けにハマりこんでいく作品も好きですが、こういう形もまた良いなぁと思う作品でした。
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