大好きな作品です
ネタバレ




2025年10月9日
このレビューはネタバレを含みます▼
恐らくこれは読み手の個差によりますが、私は本作において最も優れて表現されていると思った部分は
被ぎゃくたい児の心の深層まで突き刺ささった「自分は幸せになってはいけない」「自分は罰せられるべき人間だ」という無意識、それを土台に人生が立脚しているので、他人からの好意と好評価を受け入れる事が本当に難しい
という点でした。
不遇なヒロインがヒーローと最後結ばれるという大まかなコンセプトはシンデレラに準えてありますが、物語の骨組みは同じとしても肉付けがあまりにも凄惨過ぎる。
物語の後半を過ぎてやっとヒロインがヒーローからの手紙に(あまりに微か過ぎてそれと分からない程の)笑顔になる描写が出てきます。
好意を信じられず、好意を違う理由からだと自分に言い聞かせ続け、それでも度重なるアプローチに「嬉しい、有難い」という感情が芽生え始めるのですが、それも部屋で一人で手紙を読んだ時にやっと薄っすら表情に出せる位に心の檻は頑強なのです。
ヒーローも拒絶され続けて絶望する場面があるのですが、それでも諦めない根性は凄い。
何が彼をこうさせるのかと思うが、これを可能にするのは高位爵位の権力と資本力、育ちによる自己肯定感の強さと万能感も大きいような気がする。
性描写はありますが、いずれも性行為を通じたヒーローの心理描写(焦り、不安、苛立ち等)が良く表現されています。
クライマックス直前の、ヒロインがヒーローに心情を吐露する場面では彼女の心のアダルトチルドレンが痛い程伝わってきます。
クライマックスのお互いの子供時代からの心情を思わせる場面では泣いてしまいました。
やっと二人の心が結ばれたのだと…
そして最後の場面と台詞が、何よりもこの物語の本旨が彼女のアダルトチルドレンであり、その心情の溶解と、彼女(こういった人々)に幸せになって欲しいという作者様の願いが込められているのでは、と察せずにはいられません。
恐らくぎゃくたいを経験してない方はこれほどまでに自己評価が低く頑なに好意を受け入れないヒロインに苛立ちを覚えるかもしれません。
でも程度の多寡はあれ、こういった想いを無意識に抱える人々は多くいます。
私も彼等が幸せになるよう願わずにはいられない、そのような作品でした。
作者様はプロの方かと思いましたが個人の同人作品なのですね。凄い方がいるものです。
作者様の新作がある事を祈っています。
被ぎゃくたい児の心の深層まで突き刺ささった「自分は幸せになってはいけない」「自分は罰せられるべき人間だ」という無意識、それを土台に人生が立脚しているので、他人からの好意と好評価を受け入れる事が本当に難しい
という点でした。
不遇なヒロインがヒーローと最後結ばれるという大まかなコンセプトはシンデレラに準えてありますが、物語の骨組みは同じとしても肉付けがあまりにも凄惨過ぎる。
物語の後半を過ぎてやっとヒロインがヒーローからの手紙に(あまりに微か過ぎてそれと分からない程の)笑顔になる描写が出てきます。
好意を信じられず、好意を違う理由からだと自分に言い聞かせ続け、それでも度重なるアプローチに「嬉しい、有難い」という感情が芽生え始めるのですが、それも部屋で一人で手紙を読んだ時にやっと薄っすら表情に出せる位に心の檻は頑強なのです。
ヒーローも拒絶され続けて絶望する場面があるのですが、それでも諦めない根性は凄い。
何が彼をこうさせるのかと思うが、これを可能にするのは高位爵位の権力と資本力、育ちによる自己肯定感の強さと万能感も大きいような気がする。
性描写はありますが、いずれも性行為を通じたヒーローの心理描写(焦り、不安、苛立ち等)が良く表現されています。
クライマックス直前の、ヒロインがヒーローに心情を吐露する場面では彼女の心のアダルトチルドレンが痛い程伝わってきます。
クライマックスのお互いの子供時代からの心情を思わせる場面では泣いてしまいました。
やっと二人の心が結ばれたのだと…
そして最後の場面と台詞が、何よりもこの物語の本旨が彼女のアダルトチルドレンであり、その心情の溶解と、彼女(こういった人々)に幸せになって欲しいという作者様の願いが込められているのでは、と察せずにはいられません。
恐らくぎゃくたいを経験してない方はこれほどまでに自己評価が低く頑なに好意を受け入れないヒロインに苛立ちを覚えるかもしれません。
でも程度の多寡はあれ、こういった想いを無意識に抱える人々は多くいます。
私も彼等が幸せになるよう願わずにはいられない、そのような作品でした。
作者様はプロの方かと思いましたが個人の同人作品なのですね。凄い方がいるものです。
作者様の新作がある事を祈っています。
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さおりんA さん(女性/50代) 総レビュー数:0件
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