「とつくにの少女
」のレビュー

とつくにの少女

ながべ

尊い結末

ネタバレ
2025年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 分からない所が沢山ある。
しかし、分からないなりにも、最終話の、「自他の境界線~」以降の下りが、読んできた内容でじゅうぶん府に落ちたし、感動した。

自分達の行動、選択が、多くの犠牲を招いた。
共にいることで自分(せんせい)の心を救ったシーヴァが、自分(アルベルト)の魂を奪った者だった。
アルベルトの娘への想いがシーヴァという姿になったのだとしても、本当の娘はどうなったろう。ミスリードがエグい。

奪い合うことが世界の成り立ちであり、破滅に向かうだけの理不尽な世界。
そんな世界の中で、与えあった二人がたどり着いた境地は、何より尊い。

ラスト、シーヴァの姿が描かれなかったけど、私はシーヴァがアルベルトの中に取り込まれれた。それは、生命が人間と黒の子に分裂する前の、生命が一つであった太古の頃を示しているのではないかと思います。
助けること、与えること、許すこと。奪うのではなく。これが世界が一つに戻る方法。
黒の子はアルベルトの魂を奪ったって言っているけど本当はそうじゃない。消え行く命を助けたかった。
魂を預かったというのは言い過ぎとしても、奪う行為ではなかったから、
それまで出来なかった魂取りが出来たんじゃないかなと思います。

二つのものが、魂(心)を分けあい、自他の境界線が曖昧になるほど寄り添う。
救い救われる為に。
太古にミトコンドリアが、原始細胞に取り込まれて(喰われて)一つの細胞とも言える共生関係に変化した。
そんなイメージが湧いてきたラストでした。
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