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レビュー

今月(9月1日~9月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • まどいのいきもの -銀河生物観察記-

    永田礼路

    生物の不思議✕ヒューマンドラマ
    2026年9月20日
    以前ヨミホで読んだ『螺旋じかけの海』がごっつー名作で素晴らしかったのでこちらをポチり。

    SFで、銀河風の影響で新種の生物が発生しているという設定ですが、従来でも充分不思議な生物の持つ能力を、もう少しだけ不思議にして、人の生活や人生に影響をもたらすというお話です。アレを光らせたみたり(笑)

    ヒューマンドラマはさすがと言うべきか。
    螺旋はかなり重い話だったのに比べて、こちらは読みやすい。でも各話、新たな視点と、心に様々な作用をもたらす内容の深いお話でした。どの話もいいけどカニ、ヒトデの話が特に良かった。エビの話は途中大笑いだけど最後はジーンときてめっちゃ感動しました。

    巻末に出してきた謎が気になる
    1巻はSFというには少しもの足りない感じだけど、2巻はまた違うのかもしれない。
    次巻が楽しみです。

    ところで、主人公の先生がムツゴロウさんに見えて仕方がないんですが…w
    顔、表情、変人、ループタイ。。。
    私だけかな(´・ω・`)
  • チ。―地球の運動について―

    魚豊

    感動で託す物語 ポトツキに利益の一割を
    ネタバレ
    2026年9月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 15世紀、教会が天動説を公認する中、命を賭けて地動説を追及する者達の物語
    主人公リレー方式で、メインを張った者達がみな異端とされて死んでいく弾圧の凄まじさ…だが、最終巻アントニ司教のメタ的発言でこの物語が史実ではないという事が暗に示される。登場人物が架空であるとかそういうレベルではなく。あったかもしれない物語とも少し違うと思う。この時期に地動説に対する弾圧はなかった。そもそも地動説への迫害が後世のヒロイズムによる過剰な脚色という説もあるそう。つまり作者は、C教に対して罪をでっち上げている。

    けれども、不正解は無意味を意味しない

    チ。─地 知 血─
    先人から引き継いだ思想や社会的に認知された解釈を前提に人は生きていて
    思考停止になりやすいのは今も昔も変わらない。
     信念を信じろ 信念を疑え
     迷いの中に倫理がある
     考えろ
    様々な言葉で今に通じるメッセージが描かれている。

    神の教えを信じ、権威に従い、家族を愛し、ルールを守って仕事を全うするノヴァクはこの時代の善き市民だろう。私達は後世からどう見られるのだろうか。

    最終巻、ドゥラカとノヴァクの問答で問われる大量死の時代はある時期に始まり終わっていない
    ドゥラカがこう言う。
     その死の責任は 神じゃなく人が引き受ける
     苦しみを味わった知性は
     文明の暴走に歯止めをかけて
     異常な技術も乗りこなせる知性になる
    チは─智─になる日が来るだろうか。それはこれからの問題である。

    読んでいて所処に作者の存在を感じた。8巻ラファウの存在はこの物語をメタ視点で見る事の示唆に思う。(ニーチェの永劫回帰とは違う)
    地動説=異端 罪のでっち上げは作品の中と外(現実)で同じ。前提のC教思想を疑う事=この物語を疑う仕掛けなど、セリフや中が、外や作品の構造を表している。
    オクジーの本は失われてはいない。この作品がオクジーの本である。
    作者は読者に託している。

    この漫画の感動が多くの読者の心を動かす。それは、
    地(世界)を動かすのと同じことだろう

    最後にコペルニクスに繋がる実在の人物が登場し、この作品のタイトル「地球の運動について」が彼に閃きを与える。架空と史実がバタフライエフェクト的な奇跡(偶然)で交差するという粋なラスト。
     ポトツキに利益の一割を
    何度もでてくるこれ。もしやと調べたら、作者に支払われる印税が10%だった笑
  • 火の鳥

    手塚治虫

    子供から大人まで読める大傑作
    2026年9月12日
    漫画史に燦然と輝く手塚治虫先生の数ある代表作のうちの一つ。
    言わずと知れた、大傑作。

    「子供から大人まで読める」というのは優れた作品に対しての一つの誉め言葉ですが、火の鳥以上にその言葉に相応しいものはないんじゃないでしょうか。
    特殊な設定なのに難解ではなく、テーマの深さは子供にも大人にも衝撃を与え、考えさせられる。
    そして何より、漫画として面白い。

    自分SF読みたい欲が強いんですが、素晴らしいSF作品に出会えても、完全には満たされない。この渇きってなんなのって考えた時、人生初めて読んだSFが火の鳥だったわ、という答えに行き着きました。(火の鳥超えはそうそうないわ)

    人や命の本質的な所を追及した神話級の傑作。
    まだ読んだ事がない人が羨ましいし、出来れば子供さんに、読んでみてほしい作品です。
  • ヒプノメロウ

    中貝まあしぃ/由草草

    エロ風味サスペンス 作画担当が実力派
    2026年9月9日
    家族が一家心中したなか生き残った主人公、亜神つづみ。家族と関係の深い財閥系大企業、ウンテン製薬で飼い殺しの目にあっていたが、ノーベル賞授賞の科学者、尾白一冴の自さつをきっかけに、偶然、彼が開発した強力な催眠アプリ「レテネス」を手に入れる。
    抑圧された日々をおくるつづみが、レテネスによって、自分の人生を取り戻す物語。

    過去と謎のあるサスペンスですが、エロ風味が強いです。エロ同人を読むのが趣味という主人公つづみが「エロ同人の再現」をすべく催眠アプリを使うシーンが本筋に思える笑
    TLじゃないので一線を越えませんが、主人公のキャラも相まって別方向に突き抜けていて刺激が強いの(笑)
    そして何より絵がうまい…!! 画面構成とかテンポとか、作画担当の方がかなり実力のある方で、下手したらどうしようもない変態マンガになる所をレベルの高い作品に仕上げています。
    漫画らしいコミカルさと、ストーリー展開と充実したサービスシーンで、読むのが楽しいマンガ。御曹司と糸目もいいですが私は宮武さんを推したい♡ 宮武さんの恋人モードオンオフは笑った。

    レビューされている他の方がみな総レビュー数1で、本垢でレビューしてはいけないのかもとちょっと躊躇したけど、いいのは紹介したいんで恥を捨てました。面白い作品です👍
    ヨミホで17話まで読了
    おそらくあと数話で完結
  • お金が大好きな平民の私は卑屈貴族と契約結婚して愛し愛されます コミック版 (分冊版)

    青井さび/ゴルゴンゾーラ三国

    前世と異世界今世を活かす、3つの価値観
    2026年9月9日
    前世が日本人だったというお馴染みの恋愛ライトファンタジー。
    淡い絵柄で淡々とお話が進み、これといって盛り上がりがあるわけでも事件があるわけでもない。でも、なーんか好きなんです。

    この作品では主人公ロディナの異世界人生が、前世と今世の3つの価値観でもって描かれています。

    まずは前世からの「お金は大事」精神。この主人公の場合ちょっと執着までいってるけど、貨幣経済が発達した現代人には共通の価値観でしょう。
    次は、今世の生まれ、マルルセーヌ人としての価値観。お茶に関するこだわりや文化がしっかり描かれていて、主人公の行動や思考に大きく影響している。
    そして嫁ぎ先、グラベイン国の美醜に対する価値観。
     「醜いから悪いんじゃない
     悪いから醜いんだ」
    美が好みの問題ではなく善悪の指針であるというのは、こちらには理解不能の異世界の価値観ですが、ディルミック(ヒーロー)やその他の人達の描写によって、とても根が深いことが描かれています。
    そういった環境、差別を受けている中で善性を保っているディルミックの心は、その顔以上に美しい。

    転生設定が読者が入りやすくするためのお飾りではなく、前世に侵食された今世感、今世ないがしろ感もない。そして前世の価値観や文化でもって異世界を良くしてやろうという上から目線のいやらしさもない。
    異世界転生ものを読んでいる時に感じる違和感が、この作品にはない。

    低評価の人の意見も分かるし、お話としてそれほど優れているわけでもない。それでも、
    お互いが愛し愛されて癒される様が心に優しく響くので、たまに読み返したくなる作品です。
    ヨミホで28話まで読了
  • アルテ

    大久保圭

    女性蔑視と家族愛(父と娘)
    ネタバレ
    2026年8月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 描きこまれた背景の中を動くアルテを通して、中世の街並みや生活、服装、絵画制作のあれこれを見るのが楽しかったです。フレスコ画制作現場が特に好きなシーン。現場に潜り込んだように感じました。歴史とあまり関係ない所もいい。
    中世イタリアの風景の中、アルテとその周りの人々の「生きる」様を見る物語。

    女が産まれるとがっかりされる時代。持参金の事を考えれば分からなくもない。でも、
    アルテの父はアルテをよく理解した上で、アルテの幸せを考えていたし、
    ファリエリ家のユーリは、姪(実は娘)のカタリーナの笑顔の為に動く、超子煩悩男。
    レオの師匠は普通とは心の在り方が違う人だけれど、彼なりに娘を愛していた。
    女は相続権もなく社会的に地位が低い。けれども見放されているわけでもない。
    女性の抑圧だけでなく、そういった、普通の家族愛(父と娘)が描かれている所が良かったです。

    全巻無料企画ありがとうございます。
    小汚ない、目付きの悪い中年男が恋愛対象なのは希少で有難い♡
    レオの過去編で師匠の人生に乗せながら“生きる事に専念”する人間像をみっちりやってからの→疲れた→逆プロポーズの流れは最高でした。
    レオとアルテの番外編(できればラブ)が見たいので、続きは買わせていただきますね。

    追記 序盤、アルテが髪を切っても男装しないのは、男装がタブーだからです。旧約聖書に男装を禁ずる記載があり、教会によって禁じられた行為でした。
  • お前の顔が好きすぎて死にたい【単行本版】

    未山にこ/.Poika編集部

    お前らの顔が好きすぎてオススメしたい
    2026年8月28日
    白目の割合に対して小さい黒目の絵が好きなんです。個人的好み入っています、すみません☆
    でも、本当におすすめしたいのはお話です。
    高校入試の時に出会った、顔面キラキラ少年を捜す主人公、柊一。冷めた自分が唯一執着する相手と想いを募らせるが、それが実は同クラスの小野坂君だと分かり、その陰キャっぷりにがっかりするが……

    タイトルの通り小野坂君の顔に翻弄される話だけど、その実柊一君の内面のお話で、その描き方がものすごーく丁寧で、すっごく良かった。人や何かを好きになることの大切さや、お互いに与えあう影響がじっくり描かれている素晴らしい作品でした。

    ヨミホで読んでいいなと思ったBLは作者チェックすると大抵が沢山本を出されている方なのですが、この方これしかない。初コミックだそうです。次回作は出ないんだろうか。。これからを期待します。

    番外編やおまけも良かった。
    二人に幸あれ(笑)
  • モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う@COMIC

    ぐっちぇ/岡崎マサムネ/早瀬ジュン/瑛来イチ

    乙女ゲームに転生マンガの新革命☆
    2026年8月26日
    新革命は言い過ぎか(笑) でも、そう言いたくなるほど斬新です。
    乙女ゲームに転生した主人公が悪役令嬢の運命から逃れる為に…→ここまではテンプレ。
    男装して…→するのもあるね。
    自分も攻略対象者になり、ヒロインに攻略されればいいのだ…!! →なんでそうなるw

    ツッコミ処満載のやつかなと、あまり期待せずに読み始めたのが、2話目ですでに私の心は攻略されていました。
    ツッコミ処はあるw だけど面白ければオールオッケー!!w

    男装だけど、男にしか見えない。そんな主人公なので、乙女ゲームの世界観というものが違った視点から描かれていて面白い。
    それに、なんで乙女ゲーム漫画を読むかと言えばイケメン男が見たいから読むわけで。それが悪役令嬢(女)・ヒロイン(女)・攻略対象(男)という基本構成から、悪役令嬢(女)が男になって、男の占めるページ数が大幅アップ。私の満足度もアップアップ。まあ、主人公がイケメン過ぎる分、他イケメンが妙な方向にいっている感はありますが、それはそれで良し♪

    宝塚や疑似BLほか、主人公のキャラクターに色んな要素が混在一体化していて、凄く画期的な作品、このジャンルの中では一番乙女ゲームを感じました。うん、やっぱり新革命は決して言い過ぎではない、、、かも?
    ヒロインが登場してからがより一層面白く、何回も声を出して笑ってしまいました。
    変わった話や、面白系が好きな方に、おすすめです。
    3巻読了
  • 身の程知らずのシンデレラ

    緒之

    格差社会のシンデレラ
    2026年8月21日
    タイトルから想像されるような、よくある玉の輿マンガではないです。
    試し読みの第一話で描かれた主人公、要の身の上、子供時代の黒歴史が生々しくて、びっくりして続きを求めざるを得なかった。
    ちゃんと女性漫画の恋愛ものの範疇だけど、主人公の身の程を実感するモノローグがリアルで、とても切ない。心情がこちらに染みてくる。
    山城と要の関係性に、ここからどうやって恋愛に持っていくんだと2巻も衝動買い。

    表紙絵は、高そうな時計(ロレックス?)を嵌めた手で要(?)の手を取り、甲にキスをする山城の姿。王子みがあるぅ。でも、格差社会のシンデレラはこれをホイホイと受けるわけにはいかんのだなあ。
    彼女の在り方で幸せになってくれたらいいけど。

    それぞれの生まれと価値観と劣等感。読者を共感に引きずり込む心情描写とともに、所々心が暖かくなるシーンがあって、とても良かったです。(樋口…!!)
    まだまだ先が見えない。3巻、期待待ち。
  • 先生! 僕たちが世界を滅ぼします。

    小林キナ

    GTOは刺さらんけど、これは刺さった。
    2026年8月19日
    魔法学校に赴任した臨時の新米教師、ソロ。担当したクラスは退学もあり得る落ちこぼれクラス。昔からある定型。但し、先生は情に厚い熱血教師ではなく、正体は依頼請け負いのスゴ腕の殺し屋。そして指定された標的はなんと……

    まず第一にキャラデザがいいです。
    主人公のソロが童顔で、生徒と年齢変わらないんじゃないのという容姿なのだけど、笑顔のうさん臭さや、素を出した時のくたびれ感でちゃんと年齢差を出せていて何気に凄い。
    生徒もいいし、魔法デザインもいい。星が散らばってるのが好き。音が聞こえてきそうな躍動感で、キャラ・ストーリー共にアニメと相性が良さそう。

    ネタバレになるんで詳細は書けないけれど、この物語の設定がある種の命題を含んでいて、う~んでもこれは・・と、もやっていたら、キャラの一人が理路整然とポイントをまとめてくれた。(11話)
    こういうのをやってくれる作品は、作者が読者の受け取り具合を分かっているので間違いがないです。(序盤の展開のうまさとかもそう)

    落ちこぼれ生徒が先生との交流で変わっていく。心を開いていく。
    そんなハートフルな先生と生徒の学園ドラマも趣味じゃなく、普段はハマらない。GTOも刺さらなかったけど、これは刺さりました。殺し屋な先生だけど、ポリシー的な所で信じられるからかな。
    ハートフルで定型、だけど、生徒も先生も一風変わっていて面白い。

    アニメ化、希望しまーす^^/♪
  • ロングロングケーキ

    大島弓子

    豊かな心と本物の知性で物語を紡ぐ作家
    2026年8月16日
    「花の24年組」と呼ばれる少女漫画の巨匠の一人である大島弓子先生、個人的に萩尾望都と並ぶ天才だと思っています。

    大島先生の代表作と言えば『綿の国星』、『バナナブレッドのプディング』ですが、大島調とも言うべきクセがある…特にバナナの方は、繊細な少女の心と救いを描いた傑作であることは間違いないのですが(大好きなのですが)、クセが強すぎて受け入れられない方がいるのも事実。
    それがいつしか変わった。目の大きな少女漫画絵からプチトマト目の地味な顔立ちに。だけれどもセンス抜群の絵柄で、大島調も調整されて、誰でも読みやすい作風に変化した。人生を斬新な切り口で、悲しみを極上のユーモアに包んだ作品群は、どれも代表作と言っていいくらいのクオリティです。

    大島作品は物語の〆方が本当にどれも素晴らしいのですが、表題の『ロングロングケーキ』では脇も脇であった友人が登場して、一つの世界の見方を提示します。これと似た発想に基づいた作品に触れた時、『ロングロングケーキ』はさらっと軽やかに、なんて素敵な表現だったろう…と、思い出すのです。

    最近他作家さんのSF作品を読み、また思い出したのでこちらにレビューしてみました。
    表題作以外も名作揃いの一冊です。
  • ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~

    瀬野反人

    魔界のフィールドワーク本 (ホンマもん)
    2026年8月14日
    魔界のモンスターの言語を研究するため、現地魔界で一年(?)滞在のフィールドワーク調査に赴いたハカバくん。先人で師の教授の手帳を片手に、可愛い現地ガイド、ススキと共に旅をし、魔界の住人と交流します。

    これは凄いですホンマもんです。
    よくある擬人的異世界モンスターとの交流ものではなく、言語学を中心としたマジもんの民族学、文化人類学のフィールドワーク本です♪

    未開の民族でも人間同士だと人類祖先はみな同じなので、ある程度の共通点と推測のあたりがつくものですが、魔界の住人は根本から違います。
    主人公が考察するも、明確な答えは滅多に出ません。理解し難い文化や言語や行動は、その根底に身体的機能や彼らの必要から生じたもの、そして様々な要素が絡み合ったものであり、見えているものは氷山の一角にすぎない。けれども、その氷山の下の方、そして異文化を見る時の視点・姿勢が描かれているからこそ、読み進めていくと、次第にこれは、あれはこういう事かなと読者の方で勝手に推測出来るようになってきます。
    彼らが、何故彼らなのかが分かってくる。(分からんのもありますw)

    これはまさしく入門書。
    読者が主人公に同行し、共に魔界のフィールドワークをしている気分が味わえる作品、ススキちゃんが実に頼もしい♡

    個人的スーパーミラクルどストライク。作者様と出版社に感謝を申し上げたい。
    もう読んでいる間はノンフィクションの魔界のフィールドワーク本を読んでいる感覚でのめり込みました。現実の問題とリンクする所もあり、主人公の焦燥感やピンチにシンクロして彼の感情を味わった。そしたら7巻がまさかの展開…!!

    瀬野先生、7巻ここで終わられると凄く困りますww
    可及的速やかに続きをお願いしたいけど今月出たばっかの新刊だったwwもう泣きそうマジで泣くっていうか泣いた
    仕方がないのでラミア語と、ハーピー語の練習でもしながら次巻を待ちまーす(泣笑)
  • 正反対な君と僕

    阿賀沢紅茶

    ひゃあ 甘酸っぺぇ(笑)
    2026年8月8日
    タイトル通り、見た目も性格も正反対な谷君と鈴木さんの、
    初めての手つなぎ、初めてのお付き合い・・・
    初めてのドキドキに、思わず
    んふっ と笑いを押し込めきれず、にやにやしちゃいました。
    お前ら甘酸っぺぇよ(笑)

    主人公格の二人だけではなく、周りの友人達もいい味を出していて、特に西さんと平君がお気にいり…っていうか、共感できる・・いや、平君みたいな頭のいい自己分析は出来ないけれども。
    それぞれの個性と、等身大の悩みを持つ高校生達。人が成長していく場としての高校生活、人間関係がその心情とともに丁寧に描かれていてとても良かったです。

    甘酸っぱいだけじゃない青春群像ストーリー。
    懐かし&羨ましで面白かった。おすすめです。
  • 宇田川町で待っててよ。

    秀良子

    タイトルにゾクッときた
    ネタバレ
    2026年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ STAY GOLD→それから→に続いて秀良子作品を読むのは3作目です。
    女が出てくる所がリアルな感じがしていい。STAY GOLDのはキツかったけど、この作品の姉ちゃんは良かった。化け具合とかw

    かけ引きはおろか、相手の気持ちを量る思考も気遣う余裕もなく、澱みのない好きという気持ちと本能で暴走する百瀬。
    性癖八代の百瀬は無敵です。(好きです♡)
    でも、DTDKだから許される無敵さではあると思う(笑)

    タイトルは百瀬から→八代へのものだと思っていたのだけど、
    教室で友人の取り残され感が漂うコマの後の、宇田川町のシーン。
    そこで待っているのは百瀬の方なんだよね。タイトルは八代のセリフかもと思うとゾクッとくる。
    一つ山を乗り越えて、二人の世界へと進んだ未来への明るさと解放感が感じられ、余韻の残る素晴らしいラストシーンでした。
  • 青野くんに触りたいから死にたい

    椎名うみ

    テーマ性の強いラブストーリー
    ネタバレ
    2026年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく優里ちゃんが可愛い。優里ちゃんのキャラ性でお話が回ってる感じです。彼女の性格がテーマの重要な要素だし、一話目の思い込みの強さも、そうじゃないと後追いまで踏み込めない→お話が始まらないよね。ってことで説得力があってとても良かった。

    あまりに説明され過ぎててホラーの部分は少々不満を持っていたのですが、12巻、姉と優里の対決以降の怒涛の展開にそんな不満はどこかへ。下敷き理論も独特の死後モデルで、ちょっとついていけないと思っていたのが、この作品のメッセージや諸々の事がすっきりと解りやすいと……。

    黒青野とは何か。彼が示すものを考えると、愛に冷や水をかけるようなお話だと思いました。
    この作品は単純な愛の讃歌ではなく、人と愛をもっと根本から見つめている。
    その上で最終巻で作者が示した愛の定義は、充分に納得出来るものでした。
    青野君の気持ちを知ることが出来て、とても良かったです。

    これをラブストーリーと言っていいのか悩む・・
    でもやはり、青野君と優里は間違いなく愛し合ったし、素晴らしい愛だった。
    ラブストーリーであり、二人の再生の物語。
    心をぐちゃぐちゃにされる、素晴らしい物語でした。
  • フールナイト

    安田佳澄

    現代社会を抉る近未来SF 傑作の予感
    ネタバレ
    2026年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 太陽が厚い雲に覆われ、世界は闇に包まれた。人類は植物枯渇による酸素不足の危機に陥るが、人を植物にメタモルフォーゼさせる、転花技術によって難を逃れる。それから100年後、冬と闇に閉ざされた世界で人類は……

    す、、すんげぇ……!!
    絶望的な貧困、社会描写、人を資源と見るその視点が、架空話だからこその真実で、途中吐きたくなり読むのを止めようかと思った。そのくらいキタ。けど、止められなかった・・。
    現実社会のSFへの落とし込み、絵の魅力と表現力、人と業の描き方、広い視点と狭い視点で描かれた明瞭なテーマ、ストーリーの面白さ、刺さって記憶に残るセリフの数々、あらゆる点で最上級。もうすんげーふんげーと言うしかないです。

    7巻ラストエピ凄かった~。そこ行くか~。
    そして8巻からの展開が好きすぎる。博士ぇえ♡
    人の形と自己存続にこだわるセントラルと、人の形にこだわらず人の種の進化を呈示する博士。革新にも程がある(笑)

    転花院の危機を脱した後のパーティーのシーンがとても印象的でした。
    トーシローが大好きなので、彼が喜びを感じているのはとても嬉しい。
    だけど転花院の経費って税金…ハッキリ言うと酸素税なのよね、、、、
    とてもハッピーなシーンであり、凄くエグいシーンでもある。
    誰かの幸せは誰かの不幸の上に成り立っているのかもしれない。

    この物語の結末がまったく予想できない。
    本質は同じこの現代社会に作者が何を示してくれるのか、この物語の行く末を注視していきたいと思う。

    13巻読了
    フォローしているレビュワー様のマイベストにあった作品、ご紹介有難うございます。
    稀有な良い出会いをいただきました。🙏
  • 秘密 season 0

    清水玲子

    改めて清水玲子の才を知る
    ネタバレ
    2026年7月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 前作の『秘密』も面白かったのですが、0になって更にパワーアップしてる!!
    方法や倫理面など、MRI捜査そのものに重きを置いた話が前作では多かった。それらを踏まえた上で描かれたシーズン0は薪の深掘りもあって面白い……っつーかこれ凄い!!!

    若かりし日の薪と鈴木の話良かったです。まず、そこでグッ引き込まれて、タジクの話も良かった。
    そして4巻「可視光線」、圧巻でした。
    時系列が前後する変則的な描き方でミスリードしながら、桜木の感情と人格を多面的に描き、パズルのピースのような情報で読者を試す。
    桜木と母の苦悩に、『秘密』のタイトルに相応しい神巻だと思いました。

    子供の犯罪を問い、被害者と加害者が重なる「悪戯」も凄かった。
    近代以前、遺族には復讐する権利があった。(仇討ち)
    それを取り上げて、人権を尊ぶ法治国家に日本はなったわけだけど、犯人の更正の可能性と言われても遺族は納得せんわな。それが子供のした事であっても。けれど、光が人格形成期に歪められた被害者である事は間違いなく、罪の責任をどこに求めどう扱うべきなのか、ここら辺は本当に正解のない所だと思う。
    「DNA」はヤバい問題作だが、各考え方を的確に端的に論じ、華麗に収めたのには舌を巻いた。「可視光線」と合わせるとなお深い。

    もう本当に酷い話ばかり。だからこそ、青木の本物の善性と、薪のブレない姿勢に救われるし、現実に彼らがいてくれたらと願ってしまう。

    清水玲子作品は子供の頃から読んでました。清水作品でしか読めないものがあるので、単行本は全部読んでる。でも、それほど好きな作家ではなかった。恋愛感情か友情かシロクロつけずに引っ張るブロマンス系が苦手で。(ここは前作ラストで自分的にシロクロついた)

    清水先生は私が子供の頃にはすでに結構な著作数だったので、それなりのお年でしょう。しかしダレることなく美しい画力を維持した上で、問題の切り込み方が凄い~、深い~。濃い~。厚い~。隙がない~。この作品にはもう、驚かされるばかりです。

    この漫画家歴で最新作が一番素晴らしいって有り得るん?
    清水玲子先生の才能を、改めて知った作品でした。
    12巻読了 タジクまた出ないかな・・
  • 魔法使いの娘

    那州雪絵

    これだよ那洲雪江 やっぱり天才系
    ネタバレ
    2026年7月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 那洲雪江ワールド満載~♪
    作者の過去作を3つ思い出したけど、どれとも違うし超えてきた~。面白れ~✨

    ↓以下、最終巻ネタバレ含みます。

    パパは本当はどういう人なのか。徐々に明らかになってくる無山のヤバさ、初音の実の親が死んだ理由がなかなかにやりきれなかった。魔法使い(魔人)である無山は常人には理解不能で、関わっちゃいけない、逃げなきゃいけない人。
    けれども逃げずに、初音がパパの娘として無山と向き合い、向き合わせてパパを殴るシーンは圧巻でした。初音の表情に無山の罪の重さと、初音の気持ちの全てが込められていると感じた。
    そして、あっけないと見えて絶妙なラストから、第一話の秀逸さが見えてくる。
    この物語は、魔法使いと娘の話だけではなく、兵吾の話でもあったんだなあ。

    魔法使いというタイトルもそうだけど、無山と兵吾の育ちとその変化から、那洲雪江の過去作の単行本の柱にチラリと書かれていた作者の考えみたいなものが伺える。
    人は変われるんだというメッセージがなんとも力強い。

    テーマ性の高い話を少女漫画で、全巻を通して見事な完成度で“しれっと”やる那洲雪江。
    ごく自然な感じで、気楽そうに簡単そうに ”しれっ”と。
    “しれっと”凄いオカルティック表現やったり。
    天才系じゃないかと密かに思っていたのだけど、この“しれっと”具合に→那洲雪江はやっぱ天才系。そう確信した作品でした。

    後からじわじわくる。これこれ、これだよ那洲雪江。
    今、感動が、じわじわきてる。
  • 約束のネバーランド

    白井カイウ/出水ぽすか

    エマの独善が過ぎて世界が薄い
    ネタバレ
    2026年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 全体的に色んな作品の寄せ集めだと思いました。面白ければ別にそれでもいい。しかし、別作品を思い出してもそれを超えるものはなかった。そして、設定、展開、全てがご都合主義主義。GF脱走までがピークで狩庭辺りまではまあまあ読めるけど、後半にいくにつれ加速度的に落ちる。

    以下、最終巻ネタバレ含みます↓

    一番の問題はエマが独善的で、説得力も厚みもないこと。
    敵を殺さない事で脅かされるのは仲間の命なんだよね。殺さない主人公ってことだろうけど、エマの能天気さに少しイラッとはする。
    闇にのまれないためには綺麗事を言うのも、理想を掲げるのも大事な事だと思うし、自由になる=憎しみに囚われずに生きるはメッセージとして良かった。しかし、鬼の権力層は全滅し、ピーターは自決、イザベラママも死ぬ、憎むべき対象がことごとく死に、かつ兄弟達は死なない展開ありきの綺麗事で寒々しい。

    人間を狩る事にポリシーがある大公が生きていて、もう一波乱あるのかと期待させておいて→人間を喰わない世界宣言はご都合主義の極み。いいキャラだったのに、キャラを潰してしまった感があるし、物語も潰した。20巻もかけてあまりにお粗末。

    エマの理想論が誰にでも響いてしまう。それは、世界もキャラクターも薄いという事。
    自分の価値観や正義を相手にぶつけるエマ。
    「話し合う」とは、そういう事じゃない。

    評価も高いし、最低限は楽しめるだろうと集英社クーポンで大人買いしたけど、個人的には失敗した買い物でした。勉強代だと思って諦めます。
  • 天幕のジャードゥーガル

    トマトスープ

    4等身で描かれるモンゴル帝国歴史ドラマ
    2026年6月30日
    チンギス・ハーンの死後、次世代のモンゴル帝国を、モンゴルの侵攻によって捕虜となったペルシャの奴隷、シタラ(ファーティマ)を主人公にして描かれたお話。実在の人物らしいです。

    東西に広大な領土を持つモンゴル帝国の出現により長期の平和が保たれ、東西貿易が盛んになり交流が促進された。後世から俯瞰で見れば世界にとって益があったわけだけど、その時代に生きた人にとっては侵略戦争。命や故郷、誇りを奪われ、悲しみ憎しみを簡単に捨てられるはずもない。

    女性であり奴隷であるシタラ。けれども知恵を持つ彼女の復讐は果たされるのか。それとも……

    人物が4等身キャラで描かれているので、シリアスでも鬱展開や負の感情に過度に呑まれる事なく、また、このキャライケメンとか余計(??)な情報に惑わされる事もなく、政治や物語に集中する事ができました。読みやすくて面白かったです。奴隷について色々書かれているのも良かった。

    歴史の彼女を検索して調べたいのをグッと我慢して、、、続きを待ちます!!
  • 猫と竜

    佐々木泉/アマラ/大熊まい

    素晴らしき世界
    2026年6月28日
    言葉を話す個性的なにゃんこ達(ケット・シー)と、これまた個性的で人のいい人間達が織り成す、心が豊かになるファンタジー。

    竜も悪魔も、分け隔てなく自分の子として育て上げるおかあちゃんを始めとして、おおらかなキャラが多くて良かったです。
    猫と人の共生関係が猫好きには堪らない。
    特に羨ましいのは、同じ飯を一緒に食べれる事。人間の食べ物は塩分・油分過多であげられませんからね。寿命に関わる。
    この世界のにゃんこ達は寿命も長そう。
    もし異世界転生できるならば、この国の一市民になりたいと猛烈に思った作品でした。
    スープをふるまいたいし分かち合いたい。
  • あなたへの嘘

    CHIEKO.T

    読み放題 脅威の★5獲得率も納得
    ネタバレ
    2026年6月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 王子が囚われの姫を救うという、昔ながらのおとぎ話。
    母から娘に受け継がれたその物語から発せられる一つのフレーズ
     あなたの望みは何ですか
    その問いは全ての闇を打ち払う───

    全キャラが立っているのだけど、中でもジャックの存在感が凄まじかった。
    とても複雑な人物で、非常にひねくれていて、やり口は逆説的。
    ジャックは本当は何を望んでいたのだろう?
    「あなたへの嘘」というタイトルは、ニールの「リリーへの嘘」という表の意味と、
    ジャックの「ニールへの嘘」という裏の意味もあるんじゃないかな…

    相克と投影の多重構造。
    おとぎ話を軸に、夫婦(ニールとリリー)の横糸と、親子・旧家の縦糸(鎖?)で紡ぎあげられた名作。
    レビュー56のうち55が★5というのも妥当、納得の素晴らしい作品でした。
    作者の他の作品も良かった。

    相互フォローの方のレビューがなければ、ヨミホでなければ出会っていなかった。
    こういうの読みたかったのよホント感謝です。
  • 蟲師

    漆原友紀

    どうしようもなく魅せられる
    ネタバレ
    2026年6月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「蟲」
    命ある自然現象と作中で言われているけど、要は森羅万象と生命の循環。
    これをテーマ・結論にしたり、パワーの源にする作品は多いけれど、「蟲」という概念・形を与えて可視化させたのは画期的で本当に凄いことだと思う。
    (妖怪とは違う、新しい存在の創造)

    奇抜な話が多く、普段は受け入れ困難になる所がすんなり入ってくるのも『蟲師』の妙。
    光脈、命の素から生まれ、生態を持ち、繁殖し、他の生き物に影響する。なんとも奇異な話だが、虫も植物もそうだし、考えてみたら人間もまた同じ。
    生きていることの不思議。
    蟲という異形、微小な存在を通して知る大きな世界。
    『蟲師』の世界にどうしようもなく魅せられる。

    最終話、ヌシが人の形をしていることが無性に嬉しかったと語るギンコと、その後の展開で人は山のヌシになりきれないものと語るギンコ。人の心と蟲を、蟲師ギンコを介在者にして一貫して描き続けた『蟲師』の最終話に相応しいお話で、ギンコというキャラに改めて強烈な魅力を感じました。
    それにしてもギンコの旅の終着点はどうなるんだろう。見てみたいけど、それを求めるのは野暮な事かな。

    後書きの、祖父母から聞いた話もまた面白い。
    時にキツネやタヌキに化かされ 山には神やヌシがいる
    そういった超自然が当然のこととして在った昔の日本の原風景を、漆原友紀は身の内に持っているのだろう。
    漆原友紀という一人の人間の中に巣くった物語。
    それを読ませてもらえるのは、なんとも言えない至福に尽きる。
  • 新編 宮沢賢治詩集

    宮沢賢治/中村稔

    宮沢賢治生誕130年/2026年
    2026年6月12日
    今年は宮沢賢治生誕130年だそうですね。
    宮沢賢治と言えば「銀河鉄道の夜」を始めとする数々の名作・有名童話の作者ですが、私にとっては詩人です。高校の時賢治の詩にどハマりしていました。

    心象スケッチと称した彼の詩。風景や事象や心情が、独特な世界観でもって綴られています。それは童話のようだったり、叙情的であったり。陰鬱、爽やか、ユーモラス、ほか様々な印象で展開される宮沢賢治の思想・心象世界。また、病の床で書かれた一連の詩は、「雨ニモマケズ」がどういう境地で綴られたものかを教えてくれます。

    シーモアの電子書籍「選集」2冊のうち、大好きな「青森挽歌」が収録されているこちらにレビュー。(それと表紙の空がイメージに合ってていい)
    汽車に乗っている賢治が妹とし子を想う詩、銀河鉄道の夜と繋がりが見受けられる詩です。
    童話のような気だるい夢のような描写に想像力が刺激されます。
  • 最果てのパラディン

    奥橋睦/柳野かなた/輪くすさが

    英雄譚 死生観のある本格派ファンタジー
    ネタバレ
    2026年6月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 世界観の見せ方や主人公の家族の登場のさせ方が巧みで、第一話から引き込まれました。

    序盤、中山星華の『妖精国の騎士』みがあるなーと思っていたら、トールキンの『指輪物語』の世界観でした。そして、『ホビットの冒険』そのままやんという箇所も。けれども、トールキンの世界と日本ならではの単純な善悪ではない世界観を融合した上で、異世界転生を死生観に昇華させた、読み応えのある素晴らしい作品になっている。そこには作画担当の力量に依るものも大きいんだろうと思います。

    武勇だけじゃない誠実な英雄譚。
    ウィルの感情の発露やドラマは読んでて胸がきゅうきゅうしました。最初の友、メネルとのエピソードはどれも好きです。
     「なんで隣に立ってくれないんだよ…!!」
    とか。絵と子供っぽいセリフに、ウィルの孤独や追い詰められた心が表現されていて良かった。それに対するメネルの返答も胸熱でした。
    戦闘シーンも勿論good。邪竜戦最高大好き。
    不満を一つだけ言うならば、手の火傷あとをちゃんと描いてほしかったな。手のアップの時だけでも。トーンだけだと手がきれいに見えるので、傷痕エピがエモいだけに残念。

    全体的に面白かったし、最後まで追いたい。原作も読みたくなりました。
  • マロニエ王国の七人の騎士

    岩本ナオ

    新しい物語世界 指輪やナルニアに匹敵する
    2026年6月5日
    マロニエ王国の七人の兄弟騎士と世界の物語。
    ものすんっごくいいです。
    1ページ読み進めるごとに、超絶いい、超絶好きを噛みしめました。特に3巻は誇張なしで。

    ファンタジーというより、おとぎ話“感”があります。
    それは、七人の兄弟騎士の一風変わった名前であったり、まるで絵本のような味わいのある風景だったり。
    でも、あくまでおとぎ話”感“であっておとぎ話ではありません。
    仲のいい7人兄弟の日常はゆるやかだけど、世界は知れず異変を迎えていて、そこに巻き込まれていきます。
    ジャンルとしてはハイファンタジーであるんだろうけど、単純にファンタジーと言いたくないなあ…なんだろう。

    ユーモア、政治、謎、脇にも人生・心あり、情愛深く、おそらく壮大な構想で、神話的、なおかつ絵本、そして童話。
    笑い、癒されて、戦いにハラハラし、謎に思いを巡らせ、恋の描写にキュン死する。

    徐々に広さ深さがかい間見えてくるそれは、物語の新世界を見ているようでした。
    いやーんいいのに出会えちゃった♪(大興奮)

    無料3巻読み。→追記 11巻既刊読了
    好きーっ、最高っ。
    温かいし味わい深い。見たことのない展開、お話であり、とても大きな物語。3巻読みから感想は変わらない。一つの新世界を描いていて、その質の高さ、細やかさ、完成度は凄いとしか言いようがない。指輪物語とかナルニアとかそういうのに匹敵する。
    直接的にでなく、婉曲にエピを重ねて人を描く技が見事。11巻53話泣いた。行間(?)に色んなものがあり、謎や心の機微を読者に読み取らせる最高の物語。

    この作品にあらゆる賛辞を。いくら褒めても褒めたりない。
  • 魔法医レクスの変態カルテ

    元三大介

    下ネタ上等‼️ 診療コメディ
    2026年6月2日
    下ネタ満載でも、エロではないです。
    変態な医者じゃなく、何故か症例が、変態的な患者が来る診療所。

    ファンタジーだけど、患者に親身に対応し、治療する姿はリアルなお医者様感があります。腕が良くて、患者がどんなアレでも見捨てない非常に頼りになる先生、顔のシワが素敵です。イケオジだと思うんだけど、誰もレビューで触れていないな。何故だ(あ、一人おられましたw)

    遠からぬ昔、魔王が暴れていたらしい。先生の過去が気になります。
    訪れる患者が思いっきりお馬鹿さんだけど、それは現在の世界が平和な証で良い事…ですネ……?(汗)

    安定した高い画力で描かれた、粒ぞろいの変態コメディ。
    下ネタに抵抗がないなら気楽に読めて笑える作品、オススメです。
  • 偽りのフレイヤ

    石原ケイコ

    白泉社とシーモアの戦略にハメられた
    ネタバレ
    2026年5月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 戦う少女もの、男装もの大好きです。全巻無料ありがとうございます。

    王道で面白かった。芯のあるセリフや戦いのシーンはカッコいいし、仲間とのやり取りも温かくて好きです。
    ただ、フレイヤはいい大人であるユリウスに、女として惚れられる要素あるかなと。。
    ユリウスのキャラだと恋心は隠してチラ見せの方が個人的には萌える。
    でも、そんな風に考えるのは、私がアーロン・アレク兄弟推しだからかもしれません。
    ユリウスにグイグイ迫られると困るんですよ。だってユリウスの方がいい男なんだもん‼️?

    だんだんとフレイヤとアレクがいい感じに…むフフ♡
    ちょっwwユリウスwww
    14巻どえりゃあところで終わっとる→そして次の新刊5日後と?!
    …買えという事ですかね。。。買うでしょうね……。。。。。
    白泉社とシーモアさんの戦略に、まんまとハメられました?
  • 神話裁判

    小木とまい

    神話が好きな方に 法廷コメディ
    2026年5月31日
    ギリシャ神話の神々は自由奔放で、確かにトラブルを起こし勝ち。
    それを現代設定でまさか裁判にかけちゃうとは(笑)

    発想が面白いし、神様のキャラ付けが意表を突いてるようで、とても合っている。
    主にギリシャ神話のメジャー処なので大抵の人が知ってるだろうし、神話好きなら笑ったりニヤニヤできると思います。
    9話から日本、北欧とギリシャ以外の神話も入ってきます。スサノオ回良かった。スサノオガチ勢の私が満足しました。

    ケルベロスが可愛すぎ♡だし、所々セリフにセンスを感じます。
    ただ、とても面白い回、いまいちな回のバラつきがある。
    面白い回はとても好っきーなので★5にしたーい。けど、普段の採点基準で★4。(迷ったけど!)
    作家さんの次のオリジナル作に期待します。
  • 大奥

    よしながふみ

    苦界に生きる人々
    ネタバレ
    2026年5月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 名作と名高い作品。何となく食わず嫌いをしていたのですが最近完読。
    例え男子の人口が激減しても社会はこうならんよなと思いつつ、よしながふみ先生の計算された構成力、セリフの威力にやられました。面白かった。

    男女逆転で見えて来たのは、ジェンダーとは、社会の要請によって変化するものであること。そして自分の中にあった、根の様なジェンダー観でした。
    学があっても何にもならない。自分の性ゆえに立身出世の手立てがなく、社会から閉ざされた大奥に封じられる男達。
     “男なら”さぞかしツラかろう
    これです。男に対する同情が、女に対するそれより強い自分に気付いて愕然としました。
    男も女も同じなのにね。(反省)

    大奥で展開されるそれぞれの人生。
    家光(お清)と有功に負わされた時代の過渡期の苦しみ、親子の愛の業の深さ、頭は冴えているのに身体不自由の身の苦痛、志半ばで人生を終える者達……
    疫病に、時の権力者に、業に、愛に、運命に翻弄され、誰も思うままに生きられない。
    この世はまさに苦界。
    苦界に生きる人々だなあという思いがふつふつと沸きあがりました。
    その苦界に時折訪れる幸せ、救いは、まるで泥中に咲くハスの花のよう。
    例えようもなく美しく、そして儚い。

    江戸時代に限らず、世界の大きな潮流の中では、人は流れるように生きるしか出来ないのかもしれません。けれどもそんな中で、人は足掻く。その足掻きがまた人を巻き込んで渦となり、流れを変えてゆく。流水紋にはそんなものが込められているのではないかと、ふと、思いました。
    お万好み・有功の流水紋と絡ませて、胤篤と瀧山の2着の流水紋で大奥を〆る演出が素晴らしかった。

    生活や価値観の変化を迫られる過渡期の後、完成し、爛熟し、腐敗して、終焉を迎えるのはいつでも同じ。
    一つの時代が終わり、一つの時代がまた始まる。歴史はその繰り返し。

    男か女かで分けて考える社会の二分法と現実的な性差、自由、愛情と依存の関係、親の愛、子の愛などなど、考える材料が沢山あり、個人的にそれなりに収穫があった作品でした。
    19巻ゆるむ事なく描かれた大作、紛れもない名作でした。
  • 蝉法師 訳アリ坊主三人衆、嫁探しの珍道中

    墨佳遼

    夏が、変わるかもしれない作品
    2026年5月25日
    蝉の擬人化漫画。フォローしている方の紹介→試し読みで強烈に惹かれて購入。(紹介感謝!!)
    法師に例えた3匹の雄蝉と尼蝉の、一生の物語。

    蝉と言えば夏、そして樹木。
    花よりも木が好きなせいもありますが、舞台である木の描写に見とれて読み留まる事しばしばでした。
     (─年月を感じる木肌、枝の曲がり具合、木漏れ日、密な樹々の陰─)

    美しく、印象的な自然描写、風景の中で展開される生命賛歌。
    蝉の一生にとどまらない生命(いのち)の核心が、描かれていました。
    試し読みでビビビときた方にはオススメです。

    それぞれの一生、
    人生を、命をどう捉えるかはその心ひとつ。

    私はこれからの人生、
    蝉の声を、これまでと違った風に聴くだろう
    刹那で確かな生命の歌 蝉時雨
  • 初恋

    一樹らい

    読み放題 単なる恋愛ものではない
    2026年5月20日
    あらすじを書けばいつかどこかで見た話。だけど、逆タイプである二人の対比や心情が丁寧に描かれていて、単なる恋愛ものにとどまらない良さがありました。初恋の酸味と、人生…若さの苦味と言いますか(笑)。
    出会った事が人生で大きな意味を持つ。そんな初恋。
    読後感も良い、素晴らしい作品でした。
  • 霧尾ファンクラブ

    地球のお魚ぽんちゃん

    恋バナ斜め上
    ネタバレ
    2026年5月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 二人の斜め上の恋バナに笑い転げました。
    なんて高度なギャグコント(笑)
    三好と染谷はほんと最高のコンビですねw

    ギャグだけじゃなく、シリアス展開もgood。
    桃瀬の事を友達じゃないという霧尾に若干引いたけど、望君は三好にとっての染谷、染谷にとっての三好のような存在だったんだと気づいて涙がぶわっと……。
    本編の最終巻良かった~。爆笑と号泣のカオスでした。
    霧尾の笑いのツボが、三好と相性がいい事も分かってなんか安心しました(笑)

    素晴らしい青春漫画。
    純粋な気持ちで人を好きになれたあの頃を思い出しました。
    そして友人と馬鹿馬鹿しいことで盛り上がれたあの頃を。
    いやーもう好き。大好き。
    ホントお前らみんな大好きだぜ‼️ww
  • 僕のジョバンニ

    穂積

    ジョバンニと言えば→。 鉄雄と言えば→。
    ネタバレ
    2026年5月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ジョバンニと言えば→カムパネルラ。(銀河鉄道の夜)
    鉄雄と言えば→金田。(大友克洋のAKIRA)
    チェロや海難事故など、宮沢賢治要素があるし、ベースは銀河鉄道の夜なんだろうけど、それ以上にAKIRAだった。友情がテーマの作品に鉄雄という名前が使われてるの他にもちらほら見掛けるけど、AKIRAはもう古典なのかしらん。
    物語に深みが増すのでこういうの好きです。

    『僕のジョバンニ』 というタイトルに、郁未の切ない想いが込められている…ような気がする。
    「僕の鉄雄」のカムパネルラであろうとしているのかな…?
    本当は郁未にとって鉄雄こそがカムパネルラであり、導きの鐘なんだけれど。

    チェロによって結びつき、チェロによって引き裂かれる友情。
    才能が全ての残酷な世界で、鉄雄は自分の音を見つけられるのか──

    5巻読了
    長期休載されていたのが再開されているらしい。
    また二人が一緒に演奏できる日が来る事を願いつつ、次巻を楽しみに待ちます♪
  • COCOON

    今日マチ子

    読み放題 タイトルに込められた意味が秀逸
    ネタバレ
    2026年5月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 太平洋戦争の沖縄戦、ひめゆり学徒隊を題材にした物語。
    主人公の、サンという名前が不可解だったのだけど、
    マユ=繭、サン=養蚕(ようさん)のサン、つまり蚕(かいこ)のことなんだろうな。
    糸を採るためにマユから出てくる前に茹でられて殺されてしまうという養蚕の説明がなかなか衝撃的…。
    殺される蚕と、次の繭を産み出すために生き残る蚕。
    生死が別れるこの先の未来を暗示しているし、マユ=国 サン=国民 の構図が見えてくる。

    「男なんていない みんな白い影法師なんだ」など、現実逃避でサンの精神を守るマユの姿は、勝利のみを伝え、負けが込んできても戦況を正しく伝えなかった当時の日本と重なる。
    「お国のために」というお馴染みのフレーズも、呪文であり一種のおまじないのようなものだし、この頃の日本国民は、日清・日露戦争を経て、大日本帝国という夢を見ていた。
    世界の状況を知らず、繭に包まれたまま死んでいった女学生達…
    タイトルCOCOON(繭)は、マユとサン、そして当時の日本の両方の意味が込められた、秀逸なタイトルだと思う。

    マユが男の子だと分かった上で読んだ2周目がなんとも切なくて…
    おまじないや空想という繭でサンを囲って守るマユ。昨日隣り合って話をした友達が、今日肉塊になる非現実的な現実は、そうでもしなければやっていけないよね。。。
    マユが男の子で、サンを女の子として好きならば、サンの潔癖な少女性は、清らかなもの、愛しいものとして見えただろう。
    水辺でのシーン。椿組の女生徒が自決を選択する場にサンを置いて去ったシーン。死を選択しなかったと、サンの手を引っ張って鼓舞するシーン…色んなシーンでマユの気持ちが見えてきて、マユのラストシーンはもう……

    まさに繭に包むかの様な柔らかい表現で、当時の日本の本質が描かれた優れた作品。重要なのは知る事だと教えてくれる。
    そして、秘めた心が切ない恋のお話でした。
  • マンガに、編集って必要ですか?

    青木U平

    地味に見えて熱い漫画
    2026年5月13日
    崖っぷちの中堅漫画家佐木と、新人編集者の坂本を中心に、時代の変化に伴う漫画業界の裏側を描いた作品。

    主にコミカライズ作品ですが、詰め込みすぎでグダグダになっていたり、何気なく描いたであろう絵がシーンや話を台無しにしているのがたまにあって、担当編集者は助言(編集)しないのかな、、と疑問に思っていたのだけど、この作品を読んで、ああ、仕事(編集)しないんだな。と腑に落ちました。
    時代の変化は分かるけど、作品の質がおざなりにされるのはやるせない。
    20話に出てきたセリフ、「漫画って必要ですか?」は、編集や出版社事情を飛び越えた、漫画の未来への痛烈な問いかけだと思う。

    たんたんとした語り口や絵で、一見地味に見えるけど、そこから生み出される喜怒哀楽は決して地味じゃない。熱いものを秘めている。
    明瞭なモノローグとセリフ。キャラをステレオタイプに見せておいて、ひっくり返す手法。魅力的なキャラクター達。そして一話一話と、全体的な構成がお見事。この作者さん実に巧い。
    紛れもなくいい作品。どのような打ち合わせでもって創られたのだろうか。
    3巻完読。
    セリフが色々刺さりました。もの凄く笑ったし、もの凄く感動した。
    漫画への愛と情熱に溢れた、素晴らしい作品でした。
  • ミワさんなりすます

    青木U平

    青木先生ならではのユーモア
    2026年5月9日
    映画大好きミワさんが、これまた大大大好きな世界的俳優・八海崇の家政婦に雇われるお話。但し成りすましで。
    主人公ミワさんの映画愛が半端なく、映画の事に関して非常に能力が高いです。
    こんなん有り得ないと思いつつ、こういう方、シーモア島でお見かけしますね。
    少ない情報で、すぐにタイトル拾ってくる方が…尊敬しております♪

    時にロジカルなモノローグと、独特な間で表現されるミワさんの心理や、状況が面白い。じわじわ来ます。
    じわじわと来たところに大コマで落とす青木U平先生の手腕。
    声を出して笑えます。そして、それと同時にミワさんのオタク心に共感して熱いものが込み上げてくる。
    特に第10幕(話)は傑作。全私が泣きました。

    前作、『マンガに、編集って必要ですか?』も面白かった。青木先生ならではのユーモア、味が炸裂している作品でした。
    3巻無料読み。クーポン待ちで続刊購入予定。
  • 性活支援課の白鳥さんは初恋を拗らせている

    あきら

    読み放題 世界観が面白い、初恋拗らせ系
    2026年5月3日
    タイトルはエッチィですが、割りと真面目な女性漫画です。
    でも状況がギャグ。
    鬼などの異種族が共生する世界観。初恋のあの人が職場にやってきて・・?
    再会した場所が性活支援課ですからお察し下さい(笑)

    個人的に、ヨミホで今一番更新を楽しみに待っている作品です。
  • 駐在さんとわたし(分冊版)

    尚騎ユウ

    読み放題 駐在さんの肉体美(主に背中)
    2026年5月3日
    2ページ目の、駐在さんの背中に惚れました!!
    背中イケメンです。背中がイロイロ語ってます。
    マスクを外しても勿論イケメン。でも個人的には顔は二の次です(ゴメンナサイ!!)
    こんな男っぷりのいい背中は中々ありませんから。
    あと腕の骨っぽい所も素敵です。
    総じて、シャツごしの駐在さんの肉体美とシャツのシワを愛でる漫画……ではなく(汗)
    女の子の素朴な内面描写も好感が持てて良いです。
    駐在さんとわたしのハートフルストーリー。

    ゆっくり展開だなと思っていたら7話で素敵展開ぶっ込んできた。
    こんなん気になる笑
  • 銃座のウルナ

    伊図透

    愛と憎しみと美しさと
    ネタバレ
    2026年4月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とにかくSFが読みたくて購入。圧倒的架空戦史巨編…銀英伝みたいなの?と…いや、表紙で気付くべきでしたが、SFとしては期待外れ。しかし、戦争ものとしては今まで読んだ中でも、1、2位を争うくらいの素晴らしい作品でした。戦争は悲惨で残酷。だけでなく、戦争や人が俯瞰的、現実的な視点で描かれている。

    トホマがウルナの鼻水を啜るシーンが好きです。
    憎しみも汚ないものも飲み込んだ彼の、彼女への愛が伝わってきました。
    そしてトホマの死後、手紙を受け取ったウルナが羽を組み立てるシーン。
    1巻冒頭の印象的な詩が、全てのエピソードを巻き込んでここに繋がっている。
    理屈ではなく、私の心の中にこの物語が、ウルナとトホマの心が入り込んできたように感じました。
    故郷は美しく、愛も美しい。

    両親の矛盾の結晶である双子はどのような道を選ぶのでしょうか。
    どの道を選んだとしても、ヅードの文化や記憶が途絶えても、血はきっと続いていくのでしょうね。
     うつくしさは
     時間さえも
     飲み込むだろう
    SFとしては期待外れと最初に言ったものの、愛も憎しみも全てを飲み込んで人が延々と続けてきた命の営み、血の繋いだ時間の壮大さと広がりが感じられ、そういう意味ではとてもSFな作品でした。出会いに感謝。
  • STAYGOLD それから。

    秀良子

    それから。の、これから。
    ネタバレ
    2026年4月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ STAYGOLDの4巻が大好きで、こちらも当然追いかけていました。
    それから完読。良かったーーっ✨✨
    日高とコウ、二人でダベっている時間がお互いにとって大切な時間で。
    でもどのように大切かはズレがあって噛み合わない。
    あの時間を取り戻すために好きだと言うコウと、もう好きじゃないと言う日高。
    いや~このすれ違いすっごい切ない。すっごい美味しい(笑)

    両者噛み合わない。けど、そもそも完全一致している方が稀なのかなあと。
    日高→コウへの想いが、信仰のようなものであるならば、
    吉田→日高への想いは芸能人に対するもののようであり、
    駿人と優士の想いもそれぞれの在り方で違うはず。
    コウ→日高の想いが変化して初恋となり、初恋成就カプとなっても、両者の想いは決して同じではないだろうし。
    日高はやっぱり基本はノンケであるコウには、彼が言う所の「普通」の道があるはずと、この先も悩むんだろうな。。。(そして、それをコウが……妄想がイロイロ捗りマス✨✨)

    大失恋の後の「それから」。
    これから、二人の道が再び交わり、彼らの道になって、この先続いて行くことを予感させる、素敵なラストでした。
  • ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、

    佐岸 左岸

    漫画って素晴らしい
    ネタバレ
    2026年4月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 帯?に書かれている言葉から、アレな感じか?とポチるのに勇気がいりましたが、主人公は好青年でした(ホッ)。

    セリフが膨大な上に、てん(、)まる(。)がついてて小説のようだし、四角いコマやカット割り、テンポのいい自然な会話はまるで映画を見ているよう。
    でも、映画じゃこの早口多言や内容に頭がついていけないし、小説じゃあ人物の無言の時の表情や、間の良さが味わえない。何度も出てくる眼鏡を直すという動作、おそらくカニさんのちょっとした心理が込められた動作表現も、映画でやるとクドイし、小説ではそもそも出来ない。
    映画でもなく小説でもなく、漫画ってやっぱり素晴らしいと思える作品。

    喋りと無言の間の繰り返しに、花虎の日常を、リアルタイムで見ているような錯覚を覚える。
    彼の過去は具体的には分からない。けれど結果論として、やらかしたのは間違いなく、彼はその事に苦しんでいる。
    クズ、カス、底辺。個々の事情を剥ぎ取り、一纏めにされるし、自分に対してしてしまう。人が社会的動物であることを、物語全体で感じ取れるストーリー。
     生殺与奪は他人が持っている
    真実だけど、それは違うとするのは安易な思い遣りではなく
    蟹ではなく海胆である可児さんの、人や社会に対しての不動のスタンスだからこそ、心に沁みるんだよなあ……涙

    …でも、こう言っちゃあなんだけど、二人ともめんどくさい(笑)
    そのめんどくさいを受けとめてくれる人がいるのは幸せな事だね。

    しみじみといい作品。この二人がどうなっていくのか、次巻、タイムマシーンを楽しみに待ちます。
  • 蒼きバルカナリア

    ささきさ

    オスマン帝国 イェニチェリ 絵が美しい
    2026年4月17日
    いやあ、オスマン帝国、イェニチェリと来て、冒頭の展開は滾りマス。(レフーー!!)
    作者は、『死にかけ悪役令嬢の失踪~』コミカライズの作画担当の方。背景によって世界観を表現されていたので、背景フェチとして作家通知ONにしておりました。
    今度の作品はオリジナルでプリンセス本誌での連載。最近の出版社事情はよく分からないのですが、ステップアップされて…ますよね?♪

    魅力ある構図や緻密さ、美しさは一見の価値あり。
    まだ一巻で未知数ではあるけれど、お話も、面白くなりそうな予感で個人的にこの先楽しみな期待作です。
  • イリヤッド~入矢堂見聞録

    魚戸おさむ/東周斎雅楽

    考古学、民俗学が好きな方に
    2026年4月17日
    考古学界から追放されて今は古道具を営む入矢修造が、幻の文明アトランティスの地を、謎の組織に命を狙われながらも探し求める本格派考古学ミステリー。

    昔、借りて読んだので、内容を微妙に忘れているし、最後まで読んでいないのですが。。
    ただ、ワクワクした気持ちと、この漫画の示すアトランティスの地を当てたいと推理したのを憶えています。
    非常に楽しい一時。

    1巻から読み直したくって堪らない。しかしポイントががが。
    取り敢えずお気にいりに入れて待機(泣)
    10巻完結
  • 太郎 DON’T ESCAPE!

    mememe

    はわわ不可避
    2026年4月15日
    皆さんのレビューがはわわしてて、おもろくて、
    人を熱狂させる何かがあるらしいと気になってはいた。
    以前、立ち読みで読んだ時は分かんなかった。
    今回、増量してたんで再度、読んでみた。
    !!!?!
    なるほどこれは、はわわっ♡♡不可避の神漫画♡♡

    BLは主食じゃないし、恋愛要素も無くてもいい。
    そんな枯れた私にもこれは分かる。
    食 べ た い な ?
    そう食べたい。たろの可愛さ尋常じゃない
    たろくん泣くなやペロペロしたくなるやん
    はああ可愛いはあああ息きれる
    お前が可愛すぎるのが悪いってたろの為の言葉やろ

    恋愛ものは基本的には同じことの繰り返し。
    BLだってもう何万、何十万と繰り返されてる。のに、
    ポチらずにはいられない。
    ここに至ってこれだけの人の心をトリコにしちゃう物語、
    作家さんが出てくるのは凄いとしか言いようがない。
    はああ可愛い尊い……
    作者様ありがとうございます。沼っていう言葉を久々に実感しました。
  • 神客万来!

    ねむようこ

    最高の物語
    ネタバレ
    2026年4月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 神様や童話の住人など、アチラの世界の方々が訪れる特別なホテルで働くことになったミチルが主人公のお話。
    タイトルは神客だけど、おとぎ話系のお客が多いかな。
    パロディ系は色々読んでるけど、その中でもダントツに良かった…!!
    発想の豊かさやユーモアがあり、ネタの充実度が突出している。最終回が見事で全体的な完成度が高い。

    満月の晩に影を踏まれることによって、新月の夜の儀式によって、みちると深く繋がった瑞希と鬼の二人。それぞれの人生と想いを、読者が察する(妄想する)余地があり、余韻の残る、素敵なラストでした。
    瑞希はみちるとの子孫を残す事によってみちると一つになり、鬼は喰う事によってみちると一つになるのだね。ムフフ(妄想)

    絵やお話、恋愛要素の描き方含めて個人的にドストライク。最高の物語でした。
  • 西荻窪ランスルー

    ゆき林檎

    アニメーター青春群像劇 感動しました
    2026年4月13日
    低賃金かつハードワークと名高いアニメ業界に、高卒で就職した江田美咲、18歳。
    彼女と、その同期や先輩、才人、会社の様々な人にスポットを当てて描いた「青春」群像劇。
    みんなそれなりに年くってるけど青春を感じるという。

    アニメーターって夢のある職業だけど、思った以上に色んな意味でハードで、好きで入っても続かない理由が分かったような気がします。人間としての生活もあり、フィジカルやメンタル的なものもあり、将来の事を考えるとなかなかね。。。
    日向野さんの選択がホント良かった。
    登場人物達が影響を与えあいながらアニメーターとして、人として、それぞれが成長し、変化し、歩んでいく様に、胸が熱くなりました。
  • 解毒のススメ ~毒親育ちの私がアメリカ人彼氏と幸せになってもいいですか?~

    尾添椿

    どうぞ幸せになってください
    2026年4月12日
    毒親に育てられた主人公(作者)が、その影響を感じながらも、アメリカ人彼氏との愛を育むエッセイ漫画。

    親が毒親設定の漫画って割とあるけど、そんなもんじゃなかった。
    リアル毒親やべぇとビビりながらも、基本的にはアメリカ人彼氏に癒され、ほっこりする作品です。
    どうか幸せになってね。

    毒親、異文化、オタクネタ、単行本は彼氏のコラム、色んな要素が読めるのが良いです。
    あと、オタク女は面白い。これ鉄板。
  • 彼方から(白泉社文庫版)

    ひかわきょうこ

    祝☆アニメ化 異世界転移物の歴史的作品
    2026年4月6日
    異世界転移というジャンル。私の知る限りでは新井素子の『扉を開けて』に始まり、1990年代に様々な作品が出され、その中でも『彼方から』が多くの読者を獲得した。異世界転移ものの歴史を語るなら外せない先駆けであり、個人的には最高峰な作品です。
    このジャンルを描いてる人は真似したいだろうなと思う素敵なネタ、シーンの数々。
    でもバレるんで真似できない。。。(堂々とパクっている作品一つ知っていますが)

    イザークとノリコの恋模様がいい・・イザークカッコ良すぎ・・(悶え)
    壁ドン概念がない時代の壁ドンシーンはもう♡最高♡
    胸ときめかせ何回読んだことか♡♡♡

    アニメ化は本当にめでたいし嬉しい。
    これを機に、『彼方から』の新規読者が増えて、読者の目が肥える。そのことによって、このジャンルの質がさらに向上する事を、切に願います。
  • ふることふひと

    風越洞/壱村仁

    藤原不比等と古事記(ふることふみ)
    ネタバレ
    2026年4月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 藤原不比等が主人公の物語。
    古事記編纂の立役者、稗田阿礼=不比等説を採用した作品。
    けど、長髪美形か、アク強な阿礼が見たかったなー、なんて思ったちょうどその時、史の女装展開きて思わずフイタ。そうきたかー。顔を赤らめる太安万侶が少しアワレ笑

    古事記好きとしては好きな話、シーンが入っていない。駆け足すぎるなどの不満があるかも。倭健と出雲健はアレ(尻)じゃないととか…主題と関係ない所で仕方のないことだけど。漢字の表記に関するシーンにめちゃくちゃ興奮しました。
    あと、安万侶ツッコミありがとう笑

    ドラマ部分がとても面白かった。
    作中ではぼかして描かれているが、古事記編纂は他の氏族・豪族の持つ神話・伝承を否定して、天皇家の神話が正統である。ひいては天皇家の正統性・支配を強固にするという政治的な思惑があったという見方もある。歴史というのは勝者よる改竄が付きまとい、絶大な権力を握っていた不比等にも疑惑説があるし。
    等しく比(な)らぶ者が不(な)き で不比等。もう名前の印象がよろしくないから笑
    その悪役なイメージを「史」という別の漢字表記や、日本書紀と古事記成立の謎とその内容差、不比等ご落胤説なども交えて、綺麗に見せる、好ましい主人公にする手腕は素晴らしかった。作家の仕事って凄いなと脱帽です。
    知らない事、興味深い解釈もあり、非常に読み応えのある作品でした。打ち切りが惜しまれます。

    歴史好きのフォロワー様からたどり着いたこの作品。読んでワクワクしました。感謝!!
  • 残り物には福がある。【初回限定ペーパー付】【電子限定特典付】

    御茶まちこ/日向そら/椎名咲月

    読み放題 ラブラブで良しw
    2026年4月4日
    聖女として召喚された主人公が、あれこれあって、60過ぎの伯爵との結婚をあてがわれるお話。おじいさんだけど、これがまあイケオジで紳士で素敵なんです。本物の枯れ専の方にはこの後残念な展開になりますが笑

    この作品は、ヒロインの天真爛漫さが何よりの魅力。
    ラブラブカップルの、幸せ漫画が読みたい方におすすめです。
    ストーリーもしっかりあります。ここ大事。
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  • 貴族から庶民になったので、婚約を解消されました!

    大岩ケンヂ/小鳥遊 郁/椋本夏夜

    葛藤と心情が心に染みる
    2026年4月4日
    貴族と庶民の格差、身分で断絶された世界をチェンジリングという設定で巧く描いた作品。
    主人公アンナや兄、アネット、エド、家族、複雑な状況の中、それぞれの葛藤と心情が心に染みます。
    絵に個性があって、温かみがあるのも良い。
    7巻辺りからさらに物語が大きく動いてきましたね。今後の展開に期待しています。
  • まだ早い!!(コミック)

    吉田世/平野あお/安野メイジ

    ダイエットより重要なものがある
    2026年4月4日
    評価が低いので反論、応援レビュー。
    この作品面白いですよ。そんな、
    運命の伴侶に選ばれた→すぐに痩せた→めでたしめでたし
    これじゃあ、漫画として成り立たないし面白くないから笑

    なかなか痩せられないけど、主人公の気持ちの優しさと、中身の成長を見る漫画。
    伴侶に必要なのは、見た目より人柄・中身です。ダイエットより重要なものを育成しています。確かに会うのは、まだ早い!!
    あと、ちょっと迷惑だけど、一周回って可愛いラドニーク王子を愛でるマンガ笑

    真面目な漫画を好む人には合わないかもしれないけど、これはそういう漫画なので許して下さい。
  • 天上恋歌~金の皇女と火の薬師~【電子特別版】

    青木朋

    後半にいくにつれて面白さが加速
    2026年4月3日
    金と遼、北宋の興亡を、金の皇女アイラと火薬職人の凜之を中心に描いたお話です。
    金人でも主要メンバーは弁髪にしないのは少女漫画として当然ですが、
    宋の皇帝の、お前は西洋人かという風貌にはドギモを抜かれた(笑)。でも合っている。この皇帝、色々振り切ってて好きです♡

    中国史は憶えられなくて、中国ものは少し苦手なんだけどこれは読めました。多分火薬師ならではの展開や、皇帝のキャラなど、時代のエッセンスが面白く分かりやすく描かれているから。そして、何より、後書きで史実との違いを書いてくれているのが良かった。
    主人公アイラの素朴な人柄も好ましかったです。
  • 果ての星通信

    メノタ

    SFファンタジーかつ、がっつりSF★10
    ネタバレ
    2026年4月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ファンタジーであり、スタニスワフ・レムの『泰平ヨン』っぽくもある。そんな風に読んでいたのですが上の人が出てきた辺りで印象変化。これはなかなかのSFでは?

    モスリに捕らわれてマルコがする事になった仕事は星を創ること。しかも、どんな星になるか意のままに、文明設定まで出来るというのだからそれはもう創造主の仕事です。いやむしろ作家が、物語世界を創る事に近い。つまりモスリはファンタジー制作部。(コピペ製法笑) この作品は、
    マルコ(マルコ作星々の創造者)←上の人(マルコ他の創造主)←作者(この物語において全知全能の創造主)、という構造を持っている。
    作者は上の人の、上の人というわけです。
    マルコが上の人に噛みつくセリフはそのまま、この物語の作者への呪詛です。勿論言わせているのは作者だけど。
    創造主と被創造者の対立という話はそれなりにあるけれど、マルコの仕事を作者の補佐のようなものにする事によって、作者の創造主性が際立っています。(マルコ=上の人=作者 =であり←である)

    マルコの苦しみは時折描かれます。恋人は10年待ってくれるのか。作者は遊園地の星の話などで揺さぶりをかけたり、手足を奪ったり、実にエゲツナくマルコを苦境に立たせます。
    理不尽! 不条理!
    しかし、マルコの10年はそもそも読者の娯楽の為。この物語を好んで読んでいる読者も、マルコ達からすれば上の人と実は同じなのです。(読者巻き込み)
    最終巻のあとがき漫画で局長が上の人に言ったセリフ、
    「あなたはそれをわかりたいと寄り添う努力もせず
    長いことぼんやり見てるだけの存在だ」
    二次元の局長が、次元を越えて私に言葉を投げつけてきたと感じて正直ビビりました。

    次元は少なくとも11ある事が実験で確認されています。
    三次元の我々は、四次元を見る事が出来ず、想像する事すら困難だけど、その逆は可能。二←三←四←
    我々の住む世界、宇宙が上の次元の人の実験シミュレーションだったり、それこそモスリのようなものだったりする事は、さほど荒唐無稽な話ではない…
    ←マルコ←上の人←作者・読者←さらに上の人がいるかも?
    と次元に思いを馳せられる、見事な構造のSF作品でした。…ん?ここまできてなんだけど旧約聖書だわ、これ。 わっ凄い。お見事。最高のSF。星10つけたい。

    マルコ、局長ゴメン!面白かった!!それから私もマウーとハグしたい!!
  • 六人の嘘つきな大学生【プラス1】

    浅倉秋成/大沢形画/杉基イクラ

    秀作
    ネタバレ
    2026年4月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 憧れの超一流企業の一席を争うドロドロ漫画かと思いきや、構成・演出で印象、思考を↑↓作者にいいように転がされて最後には爽やかな読後感。就活を核に、社会の現実、嫌な部分を描きつつ、大きな視点で「人を(自分を)信じる」というテーマを見事に描ききっている秀作だと思います。

    もう人事部宛の、最後の封筒が実にいい。
    嶌さんと波多野は一票差。波多野の揺らぎが見えて人間らしく、このお話に深みを与えていて凄く良かった。
    それを爽やかに流した嶌さん。かつて彼女に恋した波多野が、あれ以降トラウマを抱えていた嶌さんを救ったんだなと感じられ、心がじんわり温かくなりました。
  • 僕の彼女は僕のことが好きじゃない

    此見えこ/志岐佳衣子

    漫画家の力量・表現力で一級作品に
    ネタバレ
    2026年3月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 恋愛依存体質の女の子と、その女の子に恋する、執着する男の子の、狂気で闇の深いお話。

    恋愛で最上級の状態、
    あなた無しで生きていけないの。(精神)ではなく、
    あなた無しで生きていけないの。(物理)に追いこんで想いを成就した男の子。
    お前、そんなんで満足か。と、男の子に対する個人的なダメ出しは置いといて、お話としてよくできている。
    最後まで読んで、改めて気がついて驚いたんだけど、コミカライズ本なんだよね。

    これ漫画家さんの力量で素晴らしい作品に仕上がってるんだと思う。
    ロリ絵になるのかな。目が大きく描かれ、幼く無邪気な女の子と、ただひたすら優しい男の子。
    2巻で男の子の闇が明らかにされ、1巻の印象が反転されていい感じにオゾましい。
    構成がありアイデアがあり、ネーム・表現が素晴らしい箇所がたくさんある。

    コミカライズというのは今の漫画業界では当たり前で作品数が氾濫しているけれど、絵が綺麗でも漫画が下手だったり、やはり自分の作品ではないからか、作画をする情熱が今一感じられないのが割とある。
    しかし、ちゃんとした漫画家が、原作を表現しようと真剣に取り組んだものは時として原作を真に輝かせる、素晴らしいの一言に尽きる作品になる。
    残念ながらそれは非常に少ないんだけれど。
    この作品はその少ないうちの、一つだと思う。

    依存と歪んだ愛を描いた怖いお話でした。
    漫画家さんに拍手を送りたい。
    いいね
    0件
  • 英傑のドM

    御之字巧

    笑える異世界転生
    2026年3月28日
    主人公は元社畜の日本人でいわゆる異世界転生もの。
    生家に恵まれ、イケメンで、悠々自適なはずだが満たされない……
    何故なら彼はドMの人だから!!
    なんやかんやでドM道を邁進します。

    ゴメン、ワタシもMだから。なんか刺さるうぅ
    こんなに笑った異世界転生ものはないし、羨ましいと思った異世界転生もない(チート!!)
    メロア様のむっちりボディに私の中の親父心が刺激されるし。
    あっと…ストーリーも割としっかりありマス。
    Mの人もそうじゃない人も(多分)気楽に読めて、笑える作品です。
    3巻完結
    いいね
    0件
  • 黄泉のツガイ

    荒川弘

    豊富で魅力的なキャラクター達
    2026年3月20日
    しょっぱなからグイグイ引き付けられました。こういうのにハズレはない。うん。
    そしてやっぱり面白かった!!
    これぞ少年漫画という感じです。

    キャラの魅力を端的に打ち出すのが巧いと感じました。つがい含めて登場人物が多いんだけどみんな個性があるし、全キャラいい。中でもユルの容赦のなさと、情のある所が好きです。そして、仕事のできる目付きの悪い男が好みなのでジンがツボった。
    ストーリー展開も巧みだし、さすがは『ハガレン』の作者というところか。少年漫画が好きな方なら安心しておすすめできる作品です。

    追記 うわ~アニメ化か~。だよね~。アニメ化にふさわしい作品だもの。楽しみです。
  • 魔もりびと

    東裏友希

    伝承モンスターの豆知識が得られる
    2026年3月19日
    モランに拾われて、魔物の子守りをする仕事を手伝うことになったハーフエルフのアリアリスが主人公のお話。
    マイナーなのかな。レビューが少ない・・。でも、とても面白いです。

    この作品の特徴は、魔物が伝承系のモンスターであること。
    マンティコア、ゴーレム、ケルベロスなどなど。
    ヨーロッパや中東の伝承に基づいた生態が描かれていて、へえ知らんかったわあ、な豆知識が得られます。
    例えばケルベロスは甘いお菓子が好きとか。
    独自設定もあるので、検索で確認しながら読むと面白いです。
    3巻末のノームの回が何気に深い話で良かった。

    他の方のレビューにもある通り、ダンジョン飯と似てる…というか同じ世界観ではあるけれど、魔物に対するアプローチが全然違うし、伝承系とゲーム系のダンジョンモンスターの違いなどもあって、似ているとは思いませんでした。
    日々の出来事系が好きな方はおすすめです。
  • ふしぎの国のバード

    佐々大河

    イザベラ・バード『日本奥地紀行』
    2026年3月14日
    世界中を旅行し、数多くの旅行記を著作に遺した旅行家イザベラ・バードが、明治11年に、東京から蝦夷までを旅した『日本奥地紀行』の旅程の物語。

    ただし、実際にバードが日本を旅行したのは彼女が47才の時。漫画のバードは若々しく、美化・脚色されていて、バード自身の著作から伺える人物とは違っています。伊藤との関係性ほか、フィクション強め。『日本奥地紀行』は原案であって、原作ではありません。
    けれど、イザベラ・バードという人がいたという認知を広めるにはいい作品だし、漫画として面白かったです。

    興味があれば、原著の方も是非ぜひ。150年前の作品とは思えないほど読みやすく、面白いです。『朝鮮紀行』とかもおすすめ。李氏朝鮮時代の末期でこちらにも日本が出てきます。
  • 異世界おじさん

    殆ど死んでいる

    笑顔が可愛い異世界おじさん
    2026年3月6日
    セガに人生と概念を色々持っていかれちゃっているおじさんの、異世界での輝やかしくも残念な日々の記憶。
    あの概念を持ってればもしくは……なんだけどなあ…。
    …ま、今のおじさんのあの笑顔があるから、まあいっか。たかふみはガンバれ。

    セガのゲーム機は兄が持ってました。
    この漫画を読んでいるとMEGAーCDの、敵と戦うよりも、お店で買い物をするのに命を懸けなきゃならん「ダンジョンマスター2」を思い出して無性にやりたくなる。
  • 一変世界

    明治カナ子

    例えて言うなら諸星大二郎
    2026年3月6日
    『坂の上の魔法使い』がとても良かったので、こちらも読んでみました。
    ちょっぴり怖いお話・・例えて言うならば、諸星大二郎先生の日本物を読んだ時の様な怖さがありました。
    されども暗いわけではなく。可愛いキャラと、毒と、ダークさがいいバランスで面白かったです。
    やはり一味違うものを描かれる作家さんという事で、他の作品も追いかけて行こうと思いました。
    3巻完読
  • セシルの女王

    こざき亜衣

    11巻読了追記 9/1
    2026年3月4日
    凄い凄い凄い!!!
    何故こんなにも、真理に迫ったセリフを、いくつもいくつも紡げるのだろうか。
    史実に沿いながら、人を、愛を求める心を、ドラマティックに描けるのだろうか。

    ヘンリー8世の子供達の成長と関係が、この先の彼、彼女達の運命を盛り立てていく。
     俺たちはユートピアを探しながら永遠に争う運命なんだ
    う~ん名セリフ!! 真理!! ヤバい!!

    もう11巻の流れが不穏極まりなくって…。
    ジェーン・グレイって、、待てよ……アレかーー!!
    ヤバいヤバいヤバい。

    絵画の方でも有名なアレに、セシルがどう関わっていくのか。
    ガクブルしながら次巻を待つ。
    9/1 3巻無料読み→11巻読了追記

    後にエリザベス一世の重臣となるウィリアム・セシルの、少年時代から始まる本格派歴史漫画。面白い!!

    この時代の私の知識は本や映画で少々噛った程度。
    本では簡潔に知識を得られるけど味気なく、
    映画では宮廷の権力闘争に焦点が当てられて、その時代の全体像はつかみにくい。
    そんなあやふや~な私でも、この作品では、広い視野と内側の視点から描かれていて、歴史の流れが非常に分かりやすかったです。
    カトリックとプロテスタントの部分とか特に。フィクションながらも本では得られない現実みがありました。
    高校時代にこの作品に出会いたかったな(世界史)。

    トマス・クロムウェル。覚えたよ、この名前。
    ジョン・フィッシャー、このお爺さんのセリフが何気にいいんだよ。
    この漫画を取っ掛かりにして、色々調べたくなりました。
    3巻読了
  • ランチユーインザスカイ

    伊藤九

    青く光る生の煌めき
    ネタバレ
    2026年2月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表現力の塊のような作品でした。
    教室の雰囲気や、花火会場の雑踏や、花火が打ち上がった時の光の加減に、空気が描かれているというか。
    人物にも背景にも描かれている不思議なもじゃもじゃ。このもじゃもじゃがなかったら、もしトーンだったら、この作品の、中に引き込まれるような画面力、特別感はなかっただろうな。
    風の匂いを感じ、自分も花火の光に照らされた。色濃い無の闇の中で明滅する、青い煌めき

    何か生きた証を残したいではなく、自分を憶えていて欲しいでもなく、
    喜多くんの、刹那に光って消える花火に自分を託したいというのは、分かる気がする。

    空に輝く星に比べれば、享年17才だろうが100才だろうが、命は一瞬の花火の様なもの。

    過去は曖昧だし、未来の事は分からない
    人が鮮やかに、確かに生きていると感じられるのは「今」という瞬間にしかない。
    喜びも悲しみも、淋しさも虚しさも、不安も恐れも、その瞬間に明滅し、過ぎ去るもの
    だったら喜びが多い方がいい

    あいつは花火の様なやつだった
    そして花火(星)になった

    最高だ──

    読み終えてから、すぐに2回目を読み直した。
    冒頭シーン、ランチユーインザスカイのタイトルが描かれている一枚絵を見て、
    悲しみとも喜びともつかない涙が出た。
  • 軍人婿さんと大根嫁さん

    コマkoma

    男前の誉さん
    2026年2月27日
    この作品の何がいいかって、役者中尉など、男前の名を欲しいままにする誉さんの作画がちゃんと、昔基準のイケメンな所。昔はこんな顔が美男子だったんだね。今基準だとちょっとゴツすぎ…る…?
    でも、落ち着いた物言いに、誠実さに、包容力に
    優しい誉さんはやっぱり男前。
    花さんは元気で愛らしいし。これはもう、惚れるしかないでしょ。
    純朴な夫婦のお話に、心がほっこり温まります。
  • フラワー=デストロイヤー

    那州雪絵

    思春期ものとして良作 SF
    2026年2月23日
    いわゆる超能力もの。作者いわく、魔女っ子もの。
    『魔法使いの娘』を読んだらこれが何故魔女っ子なのか分かりました。

    サマーファングとダークエイジが最高に面白い。仕掛けとか、アクション内容とか、カッコいいです。
    主人公、智恵の性格が那州雪江ならではという感じ。智恵の持つ思春期の苛立ちや正義感、強さが好きです。特にダークエイジは10代の読者へ、力強いメッセージが打ち出されていて、思春期ものとして良作。
    姉の話も、世界観が拡がる感じで私は好きです。
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  • 月光

    那州雪絵

    テーマを十二分に表現した良作
    2026年2月22日
    うーん、なんか評価低い? 主人公があまりに普通でパッとしないので、主人公の活躍に自分を託したり、キラキラ展開を望む人には合わないのかもしれません。でも、この普通でパッとしない所がテーマ的に重要だったりします。

    この作品では様々な年齢、個性、立場の人物が登場し、それぞれの信念や迷い、行動によって、物語が動いていきます。世界は個人の行動、想いによって、いい方向にも悪い方向にも変わり得るんだというテーマに説得力を持たせています。これできるのは凄い力量です。

    主人公は異世界に放りこまれた状況や、大きな世界の流れの中で、無力な存在です。
    普通の女子高生であり、等身大の普通の女の子です。
    だからこそ、この世界の一部として、世界を破壊しようとする悪を跳ね返す所に、意味と意義と、感動が生まれる。
    分断された2つの世界は、現代社会を表しており、現実の問題や私達へのメッセージになっています。

    テーマに対してよく設計され、過不足なく表現された、完成度の高い良作。
    個人的には名作。カイトと藤美の関係が好きだし、悪役含めて全キャラ好き。様々なシーン、エピソード、ほんと大好きです。しみじみといい作品だなあと思います。

    那州雪江先生は、初読あんま好きじゃない…と思っても、あとからジワジワ来る、不思議な作家さん。天才系なんじゃないかとひそかに思っているけど、言い切れるほど作品数を読んでいない…スミマセン→反省してまほつか買いました
    →追記 完読。やっぱ天才系だわこの人。
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  • ニセモノの錬金術師

    杉浦次郎/うめ丸

    異世界転生物の緩さ+ダークファンタジー
    2026年2月22日
    お話の入りは異世界転生物のよくあるやつなんだけど、そこからの展開が全然違いました。
    設定がしっかりしていて、厚みがある。主人公以外のキャラが一見普通に見えて、実に個性的。そこからくる展開が、何か、新しいものを見ている感じでした。1巻は序の口です。
    ジャンルは多分ダークファンタジー。でも、主人公がお人好しというか、チョロいというか。異世界転生物で有りがちな緩さと、奴隷ノアの出自からくるダークさが、いい塩梅で面白さに繋がっていると思う。

    3巻ノアちゃん最高。
    読むのが止められずに既刊5巻読了。
    少しハードなのが読める人ならおすすめです。
  • 動物人間

    岡田卓也

    「食」には思想が必要 これは只のゲテグロ
    ネタバレ
    2026年2月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 第一話、有りがちな展開ながらも、リーダーの鹿を人間に見立てた様が見事だったので、食うとは何か、テーマ性のあるものを見せてくれるのかと期待したのですが、2巻まで読んだ範囲では、グロテスクな描写が売りの、只のゲテモノ漫画でした。

    鹿が仲間に言っている事は現在の日本の食育、特に子供に言い聞かせる類いの話です。思想教育と言ってもいい。私達人間は、飼育された家畜種を日々食べていますが、食べられる方は、自分を残さず美味しく食べて欲しいとは思っていない。それはもう絶対に。しかし、食育を只の嘘、建前だと考えるのは浅はかだと思います。

    野菜を育てるにしても、虫をたくさん殺します。
    食べるという事は、命を奪うという事と同義です。
    そして生きる事は、食べる事と同義です。
    人間は食なくして生きる事はできませんが、命を奪う事に罪悪感を感じる。もしくは自然に対して自分が強者だという錯覚を持つ人もいるでしょう。(傲慢は個人も国も破滅させる毒)
    生きる事に色んな意味をくっつける。それが知能を持つ事の弊害であり、食べる事に思想が必要なのです。
    食べ物を粗末にする事は自分の首を絞める事です。食・食材に敬意を持つ事は、作品内容にある「寝ぼけた倫理観」ではありません。生きる為の人間の知恵です。

    テーマを弱肉強食としても、深みも面白みもありません。
    話をする=知能の高い獣人を動物とみなすのは無理があり、ましてや動物人間と人間が共生している世界観ならば、動物人間の意味がない。
    見た目を動物にして、より人間を醜悪に見せただけの、カニバリズム(食人)漫画ではないでしょうか。

    暫定で☆1にさせていただきます。もし、今後の展開で見るべきものがあるならば、☆を見直します。
  • とんがり帽子のアトリエ

    白浜鴎

    ハイファンタジー 背景フェチにはたまらん
    2026年2月20日
    絵が凄い! 絵による世界観の表現、作り込みの凄さに、宮崎駿の漫画原作・風の谷のナウシカを読んだ時の事を思い出しました。
    階段や天井、家の構造が分かる背景が多くて、背景フェチの私にはたまらん~。屋根や梁の材質感~。高低差のある背景には特にハアハアします。作品の世界へ小旅行した気分になる。(6巻~!!ハアハア)
    これだけ画力があれば、頭の中の絵や映像を思う存分、表現できるんだろうな。作者のスケッチブックが見たいです。

    魔法が体系的、具体的で、発想が形になる面白さ。
    とんがり帽子の在り方に対して、つば有帽の言う事も分からなくもない。人間が自然を超えた技術というものを手に入れてからの、倫理と誘惑が描かれているような気がします。それに対応する子供達の成長がもう、頼もしくて眩しくて✨

    世界に惹き込まれて7巻まで一気読みしてしまった。勿体ないのでこの先は少しずつ読んでいきたい。キーフリー先生に私もついていきます!!

    追記 15巻読了
    発想冴える便利グッズの数々。ドラえもんの発展系?!?w
  • 螺旋じかけの海

    永田礼路

    読み放題 前向きな力をもらえる作品
    2026年2月19日
    これは凄い。名作。
    一話目は文系にはちょっと難しい面もあるけれど、世界観は大体分かるし、分からんなりにも先を読ませる魅力があります。世界や登場人物が作者の中で確立されていて、断片でもセリフに、登場人物の人生に裏打ちされた説得力、生きた言葉が感じられる…という、名作に見られるアレです。
    そして、この作品それだけじゃない。
    はっとするような名セリフのある作品は世に沢山あるけれど、それがワンシーンの中に連発して、連携してくるんです。これにはビックリしました。作者の思索の深さが伺えます。

    人間の根本を考えさせられる重いテーマ。だけど、
    自分の中の大事なものを見失わないために生きる主人公や登場人物達から、前向きな力を分けてもらえる。そんな作品でした。
    これをヨミホで読めるとは…
  • 召喚獣士の学校

    秦和生

    良質なファンタジー◎ 読み放題
    2026年2月18日
    これぞファンタジーと、多くの方がレビューに書いておられるのに賛同します。絵が安定していて読みやすく、お話も必要なエピソードを過不足なく表現できる、実力のしっかりした漫画家さんだと思います。
    謎をまとった魅力的なキャラクター達。主人公との関係性など少女漫画としての見所も、程よく描かれていて良い(キュン)。

    ヨミホで読んだんだけど、5巻めっちゃいい所で終わってる~。新刊出たら買います!待ってます!!既刊もセールがあれば揃えたい。
    先が楽しみな物語に出会えました。
  • 坂の上の魔法使い

    明治カナ子

    王の夢 究極の愛
    ネタバレ
    2026年2月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マイベストにされている方を見て気になって試し読み→肛門から生まれたラベル笑
    発想が素敵とポチリ。

    一冊の内容が濃い~。マイベス入は納得でした。
    リーの無表情ながらもその言葉に、ふとした表情に、ラベルへの愛情が漂ってる。
    いや、慈愛? 慈しんでいるのがたまに洩れてるよ。

    理想家の王の治世は数年しかもたなかったし、国を滅ぼした愚かな王だといえるだろう。
    なんせ動機は一人の魔法使いへの愛なんだから。
    傾国の美女ならぬ、傾国の魔法使いリー(実は美形)。
    けれど別の見方をすれば、かつて迫害から逃れて魔法使いの国を建て、その後自らの王に使役化された魔法使い達の、不幸な歴史を終わらせた賢王。

    彼の地で王が、息子ラベルから生活ぶりを聞いた時、
    彼はリーが、幸せに暮らしている事を知っただろう。
    それはきっと、王の愛と夢が、昇華された瞬間だったに違いない。

    これってある意味究極の愛。
    リーとラベルが平和に健やかに過ごせることを、私も願わずにはいられない。
  • 記憶の糸 坂の上の魔法使い外伝 【コミックス版】

    明治カナ子

    本編がより深まりました
    2026年2月17日
    ラベルとリーのその後の暮らしが見たくてポチリ。
    ラベルの使役くんが、相変わらずいい仕事していて笑いましたw
    外伝ではなく、『坂の上の魔法使い』の4巻では?
    と思うくらいの内容。本編がより深まったので本当に読んで良かった。
    大満足の一冊でした。
  • 夢みる惑星【愛蔵版】

    佐藤史生

    今の日本の状況と通ずるものがある
    ネタバレ
    2026年2月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この作品を思い出す時 真っ先に思い浮かぶのはイリスがとても魅力的な主人公だったという事。
    繊細で大胆、大人で少年、見た目の美しさに反する現実主義な内面、そして聡くて切り替えの早いイリス。その切り替えの早さが発揮されたラストがとても好きでした。

    科学技術や先見によって人類が滅亡する様が見えていても、人心・人身を動かすのは難しい。そんな世の中というものを、この漫画で学びました。
    必ず来るとされる大地震や、温暖化の影響による自然の変化。イリス達の置かれた状況と、今の日本の状況とわりかし近いものがあるのでは。王(政治)・信仰・アイドル 人を動かす3つの力が描かれていたけれど、現代では最も力を持つ政治がどうなのかなあ…だからなあ。
    アスカンタの人民とは違い、人々が無知ではないのだから、イリス(カリスマ)に頼らず自分達でしっかり考えなきゃならないのかもしれませんね。
  • 銀の三角

    萩尾望都

    作中に流れる音(楽)が美しいSF
    2026年2月15日
    萩尾望都先生のSFで、有名なの好きなの沢山あるのですが、最も推したいのはこの作品。

    この作品の素晴らしいのは、音・無音・歌などが、物語の核として表現されている所です。
    ファンタジーかと思われるような導入部分ですがSFです。
    時間と空間に、未来と過去に、壮大なスケールで時間軸が揺れ動く、本格派SFです。
    不思議な吟遊詩人、ラグトーリンによってつま弾かれる美しい音楽(物語世界)に一度耳をそばたててみて欲しい。

    三角というタイトルもまた素晴らしい…
    どこからこの発想が来るのかな。もうホントに。
    一度でいいから萩尾先生の海(精神内部)に潜って見てみたい。
    素人・常人には想像する事ができない、一つの世界の創造です。
  • メッシュ

    萩尾望都

    成長物語の傑作 ラストシーンが秀逸
    2026年2月14日
    金髪に、一束の銀髪がメッシュのように入っているから、名前はメッシュ。
    中性的で美形で、何か、雰囲気を持った少年。
    荒れていたメッシュが贋作画家のミロンに拾われ、様々な経験を経て大人へと成長する物語。変な言い方かもしれませんが、ガチの成長物語です。
    成長の糧とも言える各話エピソードが名作揃い。珠玉のエピソード群で構成されています。

    最終回ラストシーンが、この物語のラストに相応しすぎて秀逸過ぎる。
    漫画のマイベストは沢山あって選べないけれど、ラストシーンに限って言えばこれが私のマイベストです。
  • トーマの心臓

    萩尾望都

    人が聖なる者になる瞬間
    ネタバレ
    2026年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ユーリが僕を愛さねばならないと、トーマは鉄橋から身を投げ出した。
    恋という一時の感情の為に命を捧げるのは大変愚かだし、そんな事されても困るよね。
    アルテの話や、作中の描写から伺えるトーマは美化されてはいても、我欲のある、血肉の通うちゃんとした人間に私には見えた。だけど・・
     翼…あげる
     ぼくはいらない
    ユーリがトーマの心(臓)を受け取った瞬間に、トーマが聖なる者、無償の愛(アガペー)を体現した者になったのには、初読は本当にびっくりした。
    トーマはまさしく天使になった
    天才の仕事って本当に、感動を突き抜けてびっくりする。

    禁忌である自さつと同性愛でこんな素晴らしい聖なる物語を描いちゃう萩尾先生って・・・
    漫画で、何をどこまで表現できるのか。漫画の無限の可能性を見せてくれる作品だと思います。

    低評価レビューを見るに、この作品を読むにはキリスト教の知識が少々必要だと思ったので蛇足ですが…↓
    今はどうか知りませんが、キリスト教的には男色は罪であり、悪魔崇拝は言うまでもありません。
    サイフリートは人間を誘惑する悪魔の役割を担っています。ユーリは心の隙間を突かれて「宗教的な意味で罪人(とがびと)」になりました。ここ重要。ユーリの苦悩は宗教的な深刻さがあります。
    その後のユーリの解放も、キリスト教の思想をベースに描かれています。分からない所があれば、そちらを調べてみるのもいいかもしれません。(私は信者ではなく、勧誘ではないよ)
    知っておけば、キリスト教圏の海外映画を見る時にも役立ちます。

    蛇足すみません。
    日本人には?な所もあるかもですが、様々な愛の形を描き、多くの人に感動を与える傑作だと思います。
  • 訪問者

    萩尾望都

    絶望するほど完璧な短編集
    2026年2月13日
    ・表題作は『トーマの心臓』のスピンオフ。オスカーの懐の深さ、ユーリへの眼差しは、この経験があってこそなんだろうな。この作品の素晴らしさを語りたいけど、字数が足りなくなるから我慢。
    ・『城』このテーマを、このページ数で、誰がこれ以上のものを書けるだろうか。
    ・『エッグスタンド』 戦争というものを一人の少年に表象させて描いた傑作。頭に焼き付く名セリフ名シーン多数。
    ・『天使の擬態』 日本の現代物。山場へのもっていきかた、山場、〆が、お見事・・って全部か。全部だな。時々思い出す作品。

    絵も話も、完璧な作品が揃った短編集。
    完璧過ぎて、本気で漫画家を目指している人は多分絶望するので読むのに注意です。
  • 違国日記

    ヤマシタトモコ

    物語を読む醍醐味
    ネタバレ
    2026年2月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻までは読むのが辛かった。というのは、過去に何があろうとも、死んだ人を嫌い続けるのは理解できないから。だけど、これは入念な下準備なんだろうと我慢して読み進め、3巻から、読むのが辛いから、何これ凄いに跳ね上がった。

    「でも勝手に死んじゃった人が悪いんじゃん」
    こういうの15才だなあと。15才ってめちゃくちゃ子供なんだよね…そしてそれから数年で変化する脅威の生物(なまもの)。
    23話、母親の日記を読む朝のシーン。心をえぐられ、そこからしばらく読み進める事が出来なかった。
    事故から、現実を受け止めきれない朝の、表面には出てこない怒りや悲しみや混乱。私が15才の朝に共感し、その感性で読んでいる。やたらと雄弁な余白と無言、モノローグやリフレインやフラッシュバック、作者の構成力でもって読まされていた。

    私は槙生寄り(もしくは父かも)の人間なので、砂漠を孤独と感じない。けれど、52話、朝の「さみしい・・」や、48話の母や姉の寂しいに打ちのめされた。感情として、本当の意味で理解できない所を感覚で分からされたという感じ・・・うーんなんか、スミマセン。。。

    現実の人間は、この作品で繰り返されている通り、一人一人まったく違っていて理解する事はできない。相手の膨大な人生に対して、限られた情報、そして自分というフィルターを通した偏った情報しか持てないから。
    (自己申告で)空っぽなのかもしれないが、愛すべき性質を持った朝。私とはかなり遠い国に住んでいて、理解できるはずもない人。だけど、物語という形で、現実には不可能なラインまで彼女を知ることが出来た。
    自分と違う人間の感性や考え方を、作者が練り上げたキャラクター(おそらくはご自身の一部、分身)を通して知る事ができる。
    それが、物語を読む一つの醍醐味だと思う。そして、この作品でそれを存分に味わった。

    はあああ 凄いモン読んだ
    父母(姉)の描き方も凄かった
    私の語彙は凄いしかないのか
    ガツンガツンえぐられた
    最終回良かった 船の詩も
    感動で背中がゾクゾクする感じは久しぶりだった
    出会いに感謝

    ヤマシタトモコ先生 この作品を描いてくださり、本当に有り難うございます。
  • 透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~

    岩飛猫

    一人一人違うっていうこと 人外多様性社会
    2026年2月11日
    透明人間、獣人、エルフなどなど、様々な人外種族が共生する世界観。人外と書いたけど、人間もその世界の中のただの一種族です。
    透明人間の透乃眼と、人間で全盲の夜香の、じれキュンな恋模様に温かな気持ちになれる…だけでなく。異種族カプ・同性カプ・視覚障がい等々、多様性社会がキャラに託されて、さりげなく深い話になっています。いや、ホントにさりげなく。
    ふんわりほっこり、クスりと笑えて、さりげなく深い。

    それぞれの種族と個人の 価値観 感性 コンプレックス こだわり
    話を聞けば、なるほどなと納得します。
    透明人間の透乃眼さんは紳士で、大人で、とっっても素敵な男性。
    彼が彼なのは、透明人間ゆえの訳があり、夜香が夜香なのは、盲目ゆえの訳がある。

    一人一人みんな違ってる。
    そこから幸せが生まれてる。
  • だったら俺に惚れてしまえ

    おやぬ

    視線が「流」れる先に愛(亜似)がある
    ネタバレ
    2026年2月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 視線にこだわって描かれているなあって思う。Hシーンでは特に。
    流が単独のコマでも、亜似を見ているっていうのが分かるように描かれている。もちろん亜似も、流を見ているし、見つめあっているコマも多い。

    親の愛に触れられなかった流は、意地を張りながらも人一倍 愛に飢えている。
    単行本5巻で「俺以外を見ないで」と独占欲をかますシーンがあるけど、ひっくり返せば「俺だけを見て」になる。
    見て欲しいは、すなわち、愛して欲しいっていうこと。
    「見る」=「愛」
    肉欲タップリなHシーン。そんな中でも、じ~~っと、感じている亜似を見つめる顔・描写に、流さんの亜似への深い愛と、高い精神性の伴った、愛ある交合を感じる。

    恋愛・コメディ・TL、3つの要素がいずれもハイレベル。イチ推しのTLだし、名作として後世に残ってほしい作品です。
  • 絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男

    紺吉

    見た目はモブ 頭脳はBL博士
    2026年2月8日
    これ絶対BL読者向けだしジャンルも絶対BLでいいと思うんだけど、作品のタイトル的に絶対BLタグはつけらんないっていうジレンマを感じる笑

    自分はモブですよと絶対的モブ感を出しながら主人公が、頭の中で冷静にBLカプのシチュや傾向を分析・解説していくのに毎回声を出して笑う。見た目はモブでも、頭脳は生態を知りつくしたBL博士。
    弟の綾人くんは好みのタイプなので、状況が非常に気になっていたらスピンオフ本出てた笑 商売上手か
    主人公も堕ちたら存外幸せかもなのにと思いつつ、そうしたら漫画が終わる(BLタグが付く?)ので、主人公にはこのまま頑張っていただきたい。
  • か「」く「」し「」ご「」と「

    住野よる/二駅ずい

    設定が斬新で革新的 だけど
    2026年2月7日
    作画の方の漫画の描きかたが凄い好みで良かった。
    巻を読み進めるうちに分かってくる趣向・設定が斬新で面白かったし、推測したり考える事、紙面の情報量が増えていくので革新的だと思った、、、んだけど…

    最終回で、ここまで親切丁寧に、一から十までテーマ(メッセージ)を語っちゃう、説明しちゃうのはヤボではないかと。かくしごとのネタバレはいいけれど、テーマは内容で表現して、読者に考えさせるものではないかな。
    革新的で、名作・良作になる芽があったのに、勿体ないと感じた作品でした。
    いいね
    0件
  • 岩館真理子 読み切り傑作選

    岩館真理子

    解釈を読者に委ねるミステリー 名作です
    ネタバレ
    2026年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 岩館真理子が好きだったわけではなく。昔、古本屋で安かったから買ったら大当たりだったこの作品。女子の複雑な友情・友人関係を見事に表現し、想像を掻き立て、解釈を読者に委ねる名作だと思います。

    17才の女子高生、アリスと美名子。
    5年前、小学生の女子グループが土砂崩れに巻き込まれて死亡するという事故の、生き残りの二人。気のおけない友人同士に見えるが、物語が進むにつれて、単純な関係ではないことが徐々に明らかになってくる。

    (↓以降、私の無責任な解釈、駄文です)
    アリスと言えば小説・不思議の国のアリス。鍵・女王というモチーフが、作品の中で重要な要素として出てくる。物語の随所に嘘が描かれ、何が真実か分からない所も。

    小屋の横穴は、小説の冒頭を連想させる。
    横穴を抜けた時アリスは、美名子が女王で、アリスの生殺与奪を握る世界へと迷い混んだ。
     生・美名子が鍵をかけなければアリスは死んでいた。
     殺・信は、アリスと美名子、どちらの言う事を信じるだろうか?

    美名子が鍵をかけた。それをさせたのは遅刻の罰として小屋に閉じ込め(イジメ)ていた自分であり、女の子達の死と無関係ではない。山小屋を遊び場に指定したのもアリスだろう。アリスは自分の罪を隠すために、美名子の罪を隠した。罪は秘密として、二人の少女を結びつける。
    また、鍵の一件がなければ生き残りは江梨子と美名子。江梨子の死は、美名子と江梨子のすり替わりだけではなく、江梨子とアリスのすり替わりであり、ある意味アリスと美名子のすり替わりでもある。(構造的な物語)

    アリスは取り巻きを無くし、自分を女王として見るのは美名子だけになった。
    そしてアリスは美名子を、女王として見ている。

    アリスが何を考え、何故死んだか、ハッキリとしたことは分からない。
    ただ、アリスは、美名子より、秘密が露呈した先が見えていたのだろうと思う。

    メリーゴーランドに象徴される、子供時代の終わりと世界の崩壊の予感。
    秘密で綴じつけられた、対称的で同一的な二人の少女の奇妙な関係。
    不安、妬み、罪の意識。見るに堪えられない本当の自分。
    暗いドロドロとした負の感情が美しさに包まれて、言語化しにくい複雑さが心に余韻を残す。

    古本屋で出会ったこの幸運。
    この世の中に、まだ読んでない、埋もれた名作がどれだけあるだろう。
  • どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。

    釜田/六つ花えいこ/vient

    アニメ化決定おめでとうございます?
    2026年2月6日
    ラノベの定型タイトルなんだけど、そのタイトルを最大限に活かしたお話を書かれる六つ花えいこ先生原作のこの作品。タイトルからして切なきゅんすること間違い無し☆

    アニメ化されるとの事、おめでとうございます!!
    あのシーン(切なきゅん)とか、あの名シーンとか、アニメでどう表現されるのか今から楽しみです。

    6巻、始終にまにましながら読ませて頂きました。
    顔がゆるむのは、私この二人、ロゼとハリージュが大好きだからなんだよね。
    二人とも頑張れっ。ハリージュもっと頑張れっ♡ てなりました笑
  • 死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから

    白川蟻ん/六つ花えいこ/秋鹿ユギリ

    珠玉エピソードが連なって 7巻最高
    ネタバレ
    2026年2月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 待ってました7巻!! そろそろかな?と思ってたシーンがついに来た!!
    7巻は最初から最後まで、一分の隙なく最高でした。
    最大の山場、東の談話室での出来事をmaxにするための、緊張感を出す演出、ヴィンセントのオリアナへの気持ちの高まり。特に談話室でのシーンは全コマの構図が素晴らしい。

    君が 君が 君が と繰り返すシーンは、本当にもう、言葉になりません。
    珠玉のようなエピソード、というのは言い回しだけど、ここにくるまでに、宝石のようなエピソードを積み上げて来たからこそのシーンだと思います。
    温かく、切なく、甘く、時に羞恥(6巻ヴィンセント笑) 様々な感情、オリアナとヴィンセントの想いを、印象的なエピソードで連ねたものがこの山場に繋がっている。
    個人的なイメージですが、この作品は、様々な色と形でキラキラと光る珠玉が連なって、二重(ふたえ)三重(みえ)に巻かれたネックレスのような感じがします。

    ヴィンセントの攻めターンに、意味深なミゲルの描写に、謎の手掛かりに、次巻から更に面白くなりそうで楽しみしかありません。

    素晴らしい原作を、表現力を持った素晴らしい漫画家が、本気の全力で良いものを創ろうとされている。
    そう改めて感じた7巻でした。

    白川蟻ん先生、六つ花えいこ先生、素敵な物語を描いて下さり有難うございます!!
  • 光が死んだ夏

    モクモクれん

    哲学の思考実験 沼男の発展系
    ネタバレ
    2026年2月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 怖がりで、生活に支障が出るので幽霊ものは読まないようにしているんだけど、好みの絵と、方言の心地よさと、第一話の鮮烈さに、うっかり読み進めてしまった。
    「く」がマジヤバイ。
    夜道とか、夜トイレに行く時「く」が頭の中をよぎって心臓が縮む。

    怖い恐い、そして切ない。

    光の肉体で、光の記憶を持っている。
    作中に出てきた哲学の思考実験、沼男(スワンプマン)のような状態かと言えば、沼男はあくまで複製であって、肉体の連続性は途切れている。
    それに対してヒカルは光の体に憑依した。そして、光じゃないという自己認識があるので、間違いなくヒカルは光ではない。

    光とは微妙に違う。けれど、人間の嗜好や考え方は変化するものだし、態度も、出来事や気分の反映で変化する。周りから見たら、中身が違うなんて絶対に分からない。
    光の肉体で、光の記憶を持ち、思い出を自分の事として語るなら、他者にとって、ヒカルは、光と何が違うのだろうか。

    沼男は「私」とは何かを問う問題だけど、
    この作品は「他者」とは何かを問う作品だと思う。

    ヒカルは魂を基準に見るけれど、
    人間はガワ(肉体)にどうしても引きずられてしまう。
    我々は他人の何を見て、その人だと認識するのだろうか。
    我々はその人の、何を、愛しているのだろうか。
    魂か。肉体か。記憶か。連続性か。
    それとも・・・・

    光ではない事を承知でニセモノでもいい、共にいることをエゴだと言うよしきが切ない。

    8巻読了
    人間の理解が及ばないものを、人間である作者がどう描くかというテーマが大好きで、そこもグッドでした。
    この作品の哲学部分がお好きな方は、映画『月に囚われた男』おすすめです。
  • マッドメン

    諸星大二郎

    文化人類学が好きになった、きっかけ本
    2026年2月3日
    唯一無二の世界観を持った作品を描く諸星大二郎先生。
    主人公はパプアニューギニアの少数民族の少年コドワ。呪術的パワーを持つ不思議な男の子から、物語は神話の世界へと拡がっていきます。先生には珍しく、ラブ要素強め。(大二郎比)

    これを読んで文化人類学が好きになり、それ系の本を読みあさりました。細野晴臣監修・民族音楽のCDを買ったり、私に影響を与えた作品です。
    大阪の国立民俗学博物館で、マッドメンの仮面の実物を見て感激したのはいい思い出。また行きたいなあ

    今回レビューを書くにあたって作品内容を見るに、現地専門員や研究者からの評価も高いらしい。この作品をきっかけとした私のような人、結構いるのかもしれませんね。
  • ゴールデンカムイ

    野田サトル

    アイヌの豊かな知恵に敬意を
    2026年2月3日
    本当の所を言うと、ギャグに走らず真っ向から描いた物が読みたかった。
    ギャグは文句無しに面白い。けれど、アイヌと倭人の負の歴史の部分を書かずにいいものかとモヤモヤ。

    でも、真面目に描いたら、囚人に、日露戦争帰りに…洒落にならん話になるよな。
    ならん所を変態さん達に昇華させたのかな。知らんけど。
    剥製師の江渡貝さんが一番のお気に入り。ファッションショーがぶっ飛び過ぎて逆に好き。

    惜しみ無くアイヌ文化を教えてくれるアシリパちゃん、有り難う。
    アイヌの信仰って、人間に都合のいい自然解釈ではあるけれど、自然も人も生かす、豊かな知恵だと思う。
    料理や言葉、狩猟方法や道具の使い方、アイヌ文化のあれこれを漫画で沢山見れたのが良かった。厳しい北の大地を生き抜く、アイヌの知恵に敬意を表したい。
  • クマ撃ちの女

    安島薮太

    問題提起・熊撃ち・ドラマ全てが素晴らしい
    ネタバレ
    2026年2月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 序盤はなんか、モヤモヤした。
    チアキのキャラクターというか、熊撃ちにかける情熱がよく分からなくて。復讐といっても、姉さんは生きてるわけだし…なんでこのしゃべり方なんだとか…
    けれど、牙かけにこだわる理由を伊藤に話すシーン、
    「気が狂いそうなほどの 敗北感を・・!!」
    このセリフで、あっなるほど、と。チアキを受け入れる事ができた。そこからはもう、面白いのなんのって・・

    正直、頭がおかしい。気が狂ってると思う。けれどそれは、作中に出てきた通り、「熊を撃つことに自分の全てを集中させることができる人」、なんだなと。
    山に入って自ら危険に飛び込まなくても…と言うのは、よくある意見だけど、チアキのような人材が必要なのは、酪農や農業の害獣被害や、熊被害で分かること。町に住んでいようと、直接的・間接的に、山の生き物と無関係ではいられない。

    安全第一の法律と、猟銃免許と命を守る現実の兼ね合い。
    様々な猟師とその考え方、人間と熊の変化、等々、問題提起がされていて色々考えさせられる。
    熊との対決シーンは勿論のこと、伊藤やワン、様々な人との関わりによるチアキの人間的な変化と、熊撃ちとしての揺らぎのドラマ部分も素晴らしい。
    素晴らしい作品、漫画家だと、他のも見たくなってチェックしたけどこれしかない。
    これが初作品?! う~ん凄い。

    次巻、楽しみにしています!!

    追記
    主人公の喋り方がアレなのは、この主人公を格好いいと思われてはならないからだと思います。伊藤の本のチアキがカッコ良すぎて考えの浅い中野を引き寄せてしまった展開があります。漫画のキャラクターへの憧れから熊撃ちを目指されては困るでしょう。読者数を減らしてでも、主人公の魅力を落とす必要があったのではないでしょうか。
  • 泥濘の食卓

    伊奈子

    ラストシーンが蛇足では
    ネタバレ
    2026年2月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 深愛が自立して、一人飯を幸せそうに(?)食べているラストシーン。蛇足だと思います。

    ハルキと、ホテルの部屋にいる時に窓を見るシーンと、成長したハルキが駅で深愛らしき人物を見かける事によって、深愛には自さつと生存の可能性が示されていました。これだけで良かったんじゃないかと。

    店長との復縁を狙って相手の家庭に入り込む。ゾッとする話です。深愛が将来を考える時、店長と自分の子供の3人の生活を思い描き、ふみこやハルキのことを全く考えない。そこには店長の意思もない。
    深愛は本質的に、ちふゆと変わりません。

    店長と女性達。深愛とふみこ・ハルキの関係も同じです。
    店長も深愛も優しさで相手に接しますが、それは不倫という裏切り行為が裏にあり、駄目な優しさです。

    ハルキは深愛にすがり、店長やちふゆを憎みますが、深愛は先に述べた通り、店長やちふゆと変わりません。
    深愛はハルキに寄り添いますが、本当の救いにはなっていない。

    ちふゆにハルキが切りつけられ、払った拍子にちふゆが階段から落ちた事件。ハルキの手の傷と、深愛の証言があれば、ちふゆ問題に対処する事ができた。少なくとも深愛は店長にハルキの抱えている問題を話すべきだった。
    店長がどういう対応をしたかは分かりませんが、情報がなければ対処も出来ないわけで。
    深愛が父親の暴力、母親の精神的支配によって発達が未成熟だとはいえ、大人として、するべきをしなかった罪はあまりに大きい。

    自立して一人で生きていく。いい結末です。しかし、そうなるには、母親の支配だけではなく、彼女はピュアさ、いい子から脱却する必要があるのではないでしょうか。悪を、ちふゆと店長に乗せすぎている。ちふゆを陳腐なモンスターにする事によって、深愛の人間としての深掘りがおざなりになっている気がします。泥濘が足りない。

    最終話、ハルキが駅で泣き崩れるシーン。テーマが明確になってとても良かったからこそ、深愛のその後の描写が蛇足に思えてなりませんでした。(ハルキの苦しみに対してのん気そうな深愛の対比でのテーマ表現の可能性もあるけど・・名前が深い愛だからな…。作者の意図は分かりませんが、バッドエンドに耐えられない読者に配慮したラストであり、テーマを損ねていると私は受け取りました。)
    いいね
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  • 自転車屋さんの高橋くん

    松虫あられ

    高橋くん最強
    2026年2月1日
    高橋くんが可愛くて母性本能をそそられる、、だけじゃなく!
    男っぽくて頼りになる上に不器用で優しくて可愛いって高橋くん最強では?!!?
    映画館のエピソードで、主人公にめっちゃ共感して彼女も好きになった。
    個人的に、現代の恋愛もので久々のヒット作品です。
    いいね
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  • 詐騎士

    麻菜摘/かいとーこ

    このヒロインまさに詐(欺)騎士!!
    2025年12月28日
    女の子が男装して騎士団に潜り込むのは良くあるパターン。だけどこのヒロイン一味違います。
    性別、年齢、身分全て詐称。しかし持ち前の機転と、己の身体の不遇を補うため得た傀儡術という能力で立ち回り、嘘がバレないかとビクつくことは一切なし。頭と口を回して、自分の望む所と成す所を突き通す。
    このヒロインまさに詐(欺)騎士!!

    タイトル詐欺も多いこのご時世、主人公がタイトルを体現している本物です♪

    性格がサバサバーっとしているので、ポンポンとお話が進む。設定を、新しい情報として出してくるタイミングがまた絶妙で。展開にグイグイっと引き込まれます。恋愛要素が極薄だけどそこがいい。ストーリー重視のお話を読みたい方におすすめの作品です。
  • くまぐらし

    野田宏/若松卓宏

    世の中何が起きるか分からない
    2025年12月26日
    リスク管理を徹底し、「君子危うきに近寄らず」を地で行くリーマン熊田。
    ある日会社から帰宅すると家の中に熊がいて・・・?

    現実離れした設定だけど、家の中に熊が入ってあれやこれやするのは、今年は現実離れでもなんでもなく・・・いや、現実の熊さんは、この漫画の熊さんみたいな事はしないけど。
    2025年、今年の漢字が「熊」に。
    半年前には熊騒動なんて予想だにしなかった。
    作者もまさかこの漫画が、「不謹慎」という理由で☆1を喰らうとは思わなかったろうな。
    現実と漫画が交差する。世の中何が起きるか分からないという事を体現してしまった作品です。
    ・・いや、ごめんなさい。普通に面白いコメディです?

    何が起きているのか深く考えたら負けな漫画。熊田と熊の暮らしをただ、楽しむべし。

    追記 58話の表紙絵がめっちゃ好きー♡
  • コールドゲーム

    和泉かねよし

    詩的でリズムのあるセリフ う~ん好き♥️
    ネタバレ
    2025年12月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 和泉先生の作品を読むのはこれが初めてです。
    セリフが詩的でリズムがあり、演劇っぽいなという印象。

    スミレとアーサーの初顔合わせシーン
     無感情を冷静さと勘違いしている空っぽの人形
     だが喜べ この国は魔界だ
     ありとあらゆる魔物をおまえは見るだろう
     踏みつけられ 振り回され
     嫌でも生きようとあがく地獄が待っているぞ
    う~ん好き♥️

    舞台はE国との事だけど、読んでいると昔見た映画、『ブーリン家の姉妹』や、『ブレイブハート』(スコットランドの英雄の話)や、シェークスピアものを思い出す。6人の王妃、アーサーという名前、騎士、ドラゴンなどなど、中世イングランドの歴史と文学の要素が盛り込まれたファンタジー作品。
    映画では権力闘争ものは血やら色やら生臭くなるものだが、この作品は少女漫画らしい明るさと救いあって読みやすく、面白い。

    糞女アンが可愛くて(語弊)いい。愚かだけど、アルナを守ろうとしたカミラの話、クリスティナの結婚の話も良かった。中でも一番好きなのはアーサーの子供時代、僕のドラゴン ヴァリーの話。

    優しかった兄の豹変にアーサーは驚くが、兄の立場から言えば、異母の弟。王位継承権を持つアーサーは敵対勢力と結び付き、将来の政敵に成り得る存在。
    敵か味方か。生まれ落ちた場所、国・家・立場でそれらはすでに決まっていて、個人の想いだけでは埋められない溝がある。
    そんな時代、世の中で、立場を越えて溝の上で手をつないだヴァリーとアーサーの友愛はあまりに尊く、感動的だった。

    歴史に残る偉大な王の物語。そしてその恋の話を、今後も期待して読んでいきたい。
  • シンママのメンズエステ奮闘記~えっそんなことまで!?

    こころ/甘味ソーダ/双葉あおい

    セラピストとはなんぞや
    2025年12月22日
    メンズエステは健全か風俗(グレー)か?
    主人公が何も分からない所からお話が始まる、漫画特有の「入り」かと思ったら、そうではなく、本当に分からない人だった。
    マッサージを提供する「セラピスト」と名乗っていても、修行したわけでもない。素人のマッサージに支払う、2万前後という金額をどう見るかだよね。

    勿論、ルールを守るお客が望ましい。しかし、ワンチャン狙おうとする客が沸くのは自明なことで…
    サセテ→ダメですよ~^^(ピシャリ)は料金のうち。客をさばいてNG行為をさせない様にコントロールするのが、こういう店での「セラピスト」じゃないかなあ。簡単な事じゃないけど。

    ルールを盾に、客や店側の心理を考えないので、この先も成長が見込めず、先行きは暗そう。
    ただ、シンママが愚痴を吐いてる漫画。残念ながら、共感や同情は出来なかった。
  • 妖精国の騎士(アルフヘイムの騎士)

    中山星香

    控えめに言っても最高
    2025年12月21日
    重い宿命の元に生まれた主人公ローゼリィが、運命と出会い、人生を切り開いていく物語。
    ロード・オブ・ザ・リングのように、エルフや魔法が存在する世界観のハイファンタジーです。

    序盤から中盤は控えめに言っても最高。
    後半にいくにつれ、似たような展開になり、中弛みもあるのが少し難だけど、戦う少女の物語が好きなら引きこまれる事、間違い無し。無料分だけでも読んでみてほしい作品です。
  • 囀る鳥は羽ばたかない

    ヨネダコウ

    恋しい 寂しい
    ネタバレ
    2025年12月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の矢代がすんごく魅力的で。
    会話に臨場感がある上に、何気ないコマに矢代という人間が表現されているので、さら読みは出来ず、むさぼるように読みました。充足感があってページ数が倍に感じる。

    矢代は、被加虐性嗜好を性的嗜好に持つ人物。 いわゆるマゾの人。

     俺は全部受け入れてきた
     何の憂いもない 誰のせいにもしていない
     俺の人生は誰かのせいであってはならない

    と言う彼は、幼い自分の身に起きた悲劇を悲劇として捉えない。
    マゾでいん乱の性癖を自らの正常とするので、
    影山に恋をする自分を歪んでいる、異常だと捉える。

    彼の自己認識がどうであれ、
    彼ではない者から見れば、悲しい、可哀想と哀れむしかない。
    もしくは爛れている、汚れていると蔑むか。

    矢代の痴態を見てもなお、綺麗な人だと言う道目鬼。
    口説き文句でもなく。なんの含みもなく。
    ありのままの矢代を綺麗だと言う彼が、矢代の心の内側に入っていく。

    誰かを求めるのが恋であり、
    それに気づいてしまえば己の矛盾を認めるより他にない。
    孤独とは、他者を欲する心があるということ。
    一人で生き、それで満ち足りるなら寂しいなどと感じはしない。

    恋しい 寂しい
    あの日夕暮れ時のアパートで、受け入れがたい感情に慟哭したように、
    道目鬼に愛し愛されたいと、涙を流す回があればいいなと思う。

    3巻読了 感じたことを忘れないうちにレビュー。
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