午後の光線
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午後の光線

南寝

この本に出会って良かった

2025年10月16日
年に何回かしかない、心からそう思える本。村瀬はグロテスクな物に性的興奮を覚えてしまう陰キャ。淀井は村瀬が虐められる原因を作ってしまった罪悪感もあり、村瀬と少し距離を縮める。村瀬は淀井に友情、恋愛、心酔とも言える感情を持ち、淀井にとっても少しずつ村瀬が孤独や心の隙間を埋める存在になっていく。絵は決して上手い訳ではない。しかし、詩的な情景やセリフ、そして読者の心に深く突き刺さるストーリー。280ページあり、読みごたえ抜群。若い青年達が悩み、それを乗り越える2人の友情や愛情が心を打つ。男の子同士の恋愛感情は出てくるが、青年誌であることに納得。衝撃のラストは涙なくしては読めない。特に3人で探すシーンなんて特に…。ネタバレは読まない事をオススメします。そして個人的には、最後まで姿を見せる事の無かった村瀬のお母さんが好き。下手したらヤバいのでは…と思うような息子でも、心から愛しているのが伝わってジーンときた。星10にしたい位、超絶オススメです。
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