かなたこなた
」のレビュー

かなたこなた

よねまる

中盤まではかなり良かった

ネタバレ
2025年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1〜7巻は170〜200ページ、8巻212ページ。
舞台は、小学生にGPS持たせたり授業でタブレット使ってたりという、ちょっぴり近未来な感じ。
そこに妖ものと主役姉妹の日常、中学生らしさのある友達関係・家族の関係などが合わさり、かなり好みでした。
……中盤までは。
そこまでは星4、その後星2で、総合星3。
「おさかなさん」の正体であるとか、「箱」が封印のためのものと別のものが混在していたりとか、辻褄が合わなくなってしまった印象です。そこに加えて「愛が勝つ」的なメッセージが突然入れ込まれたりしたのが、そういうの苦手なのでちょっと。
ってか、そんなメッセージ性を打ち出しておいて、結局妹は救えず(自分の意志ってことにはなってるけど)更には呪いの言葉をかける……いや、ひどすぎん?
結局のところ、遠い過去も、そしてこの物語でも、「生贄」を無くすことができなかったのだという暗澹たる気持ち。
妹はおりんの贖罪に利用され、力ずくで姉に助け出してももらえず、現実世界に留まることができなかった……現実に留まることだけが幸せではないと知ってはいても、この妹はまだ小学生、哀れが勝ちます。

この物語で一番救われたのは、きららちゃんだったと思います。
母親を失ってさみしさはもちろんあるでしょうが、「居ない方が良い親」というのは確かに存在するんだよね。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!