このレビューはネタバレを含みます▼
幼馴染みの寺の和尚・然×休職中の会計士・真智。ブラック気味の職場で体を壊し、旧友の薦めから久し振りに地元に帰ってきた真智は、昔とは大分雰囲気の変わった幼馴染み・然と再会。幼い頃に自分のせいで姉を亡くした後悔を抱えたままの真智、複雑な家庭の事情を抱える然。心に傷を負ったまま、あの頃言えずにいた想いが再燃する再会もの。しっとりと懐かしさを帯びた空気感がどこか切なくて沁みる。一生晴れないだろう真智の後悔は、取り返しがつかないことなだけに苦くて辛い。然にだけ視える姉の姿が救いであり、切なさを助長させるようでもあり。然の膠着していた事情が真智によって大きく動いて、こちらは結果いい方向に転がって本当によかった。欲を言えばすでに両片想い状態からのスタートだったので、それぞれが相手を意識した幼少期や思春期のエピソードも見たかったな。あと真智と両親の関係性とかはどうなんだろう。もう想いは通じてちゃんとまとまってるけど、もう少しこの二人が見たいです。