色欲の春~秘めた色香は筆先に宿る~
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色欲の春~秘めた色香は筆先に宿る~

笹木ささ

買って良かった!久々に引き込まれたなぁ

ネタバレ
2025年10月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ なかなか良い作品でした。
不倫がどうのこうのと野暮なことは言いません。
若旦那も夕もお凜さんも夕を慕っていた絵師の彼(名前忘れた)も、皆が成長する物語なんですね。
特にお凜さんは、若旦那が自分に対して心が向いていないのを解っていながら、自分のモノにしてしまえば好きになってくれるだろうと、許嫁とどうにかして結婚して欲しくて「女遊びしても全然オッケー」とか言ってしまった、その偽りの心のツケから逃れることは出来なかった。
でも彼女は未遂とは言え夕に対する殺意を実行してしまい、錯乱の狂気の末に「自分の心を偽った」代償を払ったから、最後は正直な想いを手紙に記せたのでしょう。
ありがちな、ただひたすらヤリまくりで食傷気味になるTLじゃなくて、愛の無い交わりと愛を交わす(本人達が無意識でも)行為との違いというか、人間の持つ悲しさや喜びや切なさ、欲望の種類、そういうものが滲み出るような物語だと思います。
二人のその後が知りたくなる、番外編カモーン!な作品でした。
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