このレビューはネタバレを含みます▼
ドラマがきっかけで原作を読みたくなって、少しだけ読もうと思ったら面白くてつい今発刊している分を一気に読んでしまったくらい、共感しながら面白く読める作品。
勝男は昭和も昭和、それこそ戦時中みたいな古い観念を持っているし、鮎美もせいぜい平成で止まってる固定観念を持っていて、2人とも自分の思い込みで自分が苦しくなるところからのスタート。
最初はそんな展開が続くのかと思ったら、お互い別れてから初めて周りの人達に興味を持つというか、自分で自分に呪いをかけてることに少しずつ気付いて、成長も見られるので先が気になる。
別れる前はお互い自分に、男はこうでなきゃ女はこうでなきゃとガチガチな考えに縛られているある意味共通しているので、案外もう一度やり直したら上手くいくのではないかと思う。
仕事でも家族でも恋人でも、思っていることとか相手に感じたことを伝えないと溜めた方が苦しくなるし、単なる面白いで終わる話ではなく誰が相手でも意思疎通を努力することの大切さを再認識できる。
ただ面白いだけでなく、根底にある人との向き合い方を意識して読むとなるほどと感じる点もあって、この先も早く読みたい。