このレビューはネタバレを含みます▼
10年前に別れた元恋人と離島で再会するお話。年下大型わんこ攻め×拗らせ黒髪センター分け受け(ジャンルか?)。
雄大な風景や島の空気、人々との営みなどはきちんと描かれている……というかそれを伝えたくて描いているのだろうなぁと強く伝わってきて、最後までテーマが一貫しているところが良かった!瞳の作画や演出が本当にきれいで印象的でした。
しかしながら、肝心な主役二人の描写が不足していたのが惜しかったなぁ。
作中で受けから見た攻めが『自由で何にも執着しない人間』であり、実際に攻めも過去に受けから別れを切り出された直後は「(別れることに対して)なんとも思わなかった」と言ってるんですが、読者は『受けになぜか懐いて構いまくっていた』攻めの場面しか見せられていないためまったく物語に入り込めないんですね。
攻めは転勤族とあるのでそれで深入りしない性格になったんだろうな〜と推測はできるのですが、じゃあその攻めがわざわざ自ら受けを構いに行っていたのはなぜ?になると、その答えは描写されていないわけです。折角二人の初対面時のシーンがあるのに、きっかけが分からない。
攻めが人に執着しないという性格を演出している場面がないから、そんな攻めが受けを10年も想い続けて追いかけてきたというのがあんまりぐっとこないのが本当に本当に勿体なくて……涙 このお話は受け視点しかないので、少しだけでも攻め視点があるべきだった……!
受けは受けで、跡取りから離脱できたのも謎な上にその後病院の跡取りはどうなったんや!?笑 あと折角攻めがカメラマンとしてこの島に来たし島民との絡み(性的な意味ではないです!笑)も多いので、完成した写真がどうなったかもあると良かったかな。
最初からずっと両片想いなことが分かる描写なのでその辺は安心して読めます。二人とも別れてた10年の間の他の人との描写等もないので余計なノイズがないのもかなり読みやすかった!
修正は白抜き。電子限定特典は4ページ。