結構甘い…ヒロインが魅力的！

可愛い絵柄とは裏腹に、第一話でヒロインが強引に迫られ、第二話では婚約者と一線を越えてしまいます。えー！いきなり？！驚きますが、早い段階から閨を重ねます。

隣国へ政略結婚の為に送り込まれたヒロイン（第一王女リルネット）には、密かな狙いがありました。それは「悪役を演じて不興を買い、祖国を苦しめる王族（ヒロインの実家）を滅ぼしてもらう」というもの。ヒロイン両親は贅沢な生活を続けることだけに関心があり、国民から搾取するのみ。心あるヒロイン兄が忠言を行いますが処刑の憂き目に合います。両親に見切りをつけたヒロインは、国民救済には、もう隣国からの武力行使しかないと、自身の悪評づくりに腐心しますが…。

婚約者（王太子レオリヴァー）は魔法冠術師で、幼い時から完全無欠。まだまだ若いのに少々厭世的な面も見られましたが、おてんばヒロインに興味を惹かれます…というかいきなり手籠めに。婚約者は会う前から悪い噂のヒロインとの婚約に抵抗がありましたが、会ってからは丁寧に接します。そして媚薬を盛られたのをキッカケにヒロインに欲情を隠さなくなります。ことあるごとにヒロインに迫り、ヒロインが音を上げる程、しょっちゅう盛ります。口先とは裏腹に序盤からヒロインに熱をあげる婚約者でした。

ヒロインは悪役を演じる為に、高飛車な態度を続けますが、心根が優しいので、悪ぶっても限界があるというか（笑）節度を超えません。元々、国民の事をよく見ており、為政者として責任感があります。それに自立心があり、聡明さがあり、何と言っても本当は優しいのです。それでいて王女としてのプライドを保つ気高さもあり、実に魅力的なのです。

婚約者である王太子も、涼やかで優しげな外見通りでない、為政者としての冷徹さを持ち合わせた、一筋縄では行かない人物ですが、ヒロインには甘々です。自身の素顔を見せ、婚前ながら官能の日々…でもそれはヒロインだけに見せる打ち解けた姿だったりします。

次第にヒロインも絆されて両思いになりますが、いろいろな思惑に翻弄されて、平穏なばかりでいられない二人です。ストーリーの展開もテンポよくダレません。面白くて楽しい。そして何より二人の親密さが心地よい。お勧めの作品です。