孤独な小鳥は獅子の庭で愛を知る
」のレビュー

孤独な小鳥は獅子の庭で愛を知る

明日崎真白/サマミヤアカザ

CP外で個人的に苦手な要素があり

ネタバレ
2025年10月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 劣悪な環境から救い出してくれるのも攻めだし危ない目に遭ってもその度攻めが助けてくれるので、展開としてはかなり少女漫画度が高いです。ただ攻めの性格も受けの性格もテンプレの域を脱しないので、もうちょっと個性がほしかったかな。
純真無垢な受けが攻めに対して感じる“特別な好き”を理解していく描写は丁寧で良かったけど、肝心な過程が“一目惚れ”で片付けられるのでどうして特別に好きなのか、の説得力が少し足りないかなぁ。
あとこのお話タイトル自体はかなり合ってるんですけれど、実際には獅子達は全く活躍しないのでちょっと肩透かしだったかも。本当に、ただ世話されてる描写が出てくるだけ。大筋には関わってきません。
特別な能力についても活かす場面があんまりなくて……獅子といい、長編作品の1巻かな?くらいの導入しかされないんですよね。お話が全体的に、上辺をさらっと撫でるだけな印象。
個人的に一番キツかったのは受けの両親が不倫で愛しあい、母親が妻帯者との恋愛を、その妻帯者との間にできた子どもに『幸せだった』として聞かせていたこと。身篭ってから屋敷を辞めたってことは身篭ってなかったら関係を続けてたってことだし……おぞましないか?
父親は相手が辞めた理由を察していながらもこっそり探し出して資金を援助することもせず、受けが来るまで10年間何事もなかった様に清廉潔白な人間として振舞って生きてたんですよね?妻が先に不義の子どもを作ったって後から出てくるけど、それじゃああなたが不倫するのも仕方ないよね!にはならんのだが……この両親が作中で良い人っぽく描かれてるのも納得できなかったな。この部分にダメージ受ける人は少なそうですが(苦笑)、個人的にはかなり受け入れ難い設定でした。
攻めが性行為が何たるかを本当に全く何も知らなかった受けに対して一気に最後までいたすのも、なんだか違和感だった。好きの気づき描写はあんなに順を追ってたのに……そんで実体験してみて受けは自分の両親のやってたことのエグさを考えたりとかしなかったのかな……?とやっぱりそちらに意識がいってしまった。
最後に挿絵についてですが、挿絵が出てくる大体の場面で受けは傷だらけのはずなのに絵に全く反映されていないのが気になりました。
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