このレビューはネタバレを含みます▼
今までスポーツ漫画の中で才能が無くて苦しむ、才能があってもライバルがいてうまくのし上がれないなどの悩みや主人公が多い中、天才ゆえに苦しむ主人公というところに新しさを感じて読み進めました!
まず何回読んでも泣きます。泣きました。
読めば読むほど作品タイトルがめちゃくちゃ沁みます。
登場人物全員の心理描写が本当に丁寧に描かれているので、それだけで満足感があるのですが、その分主人公の心の葛藤や置かれる環境が切なくて…自分のしたいことと才能が違う意味で合致してないとこうも苦しいのかと考えさせられました。才能が無くて出来ないことの辛さというのもありますが、才能があるからできないこともあるのだと…特に主人公は仲間を大切にしたい人で、そして優しすぎる故に時には間違った優しさを持ってしまう…だからこそ、その分苦しさはあるかと思いました。
勝負事である以上、どうしても勝負には勝ちたくなるし、味方でも味方よりも上手くありたいと思ってしまうものですが…でも、この人物たちの揺れは野球だからこそ見える部分もあってスポーツ×人間模様な作品だと感じました!
ただ、私も主人公の周りの人のひとりだったら才能のある主人公にその分期待してしまいますし、同世代で同じスポーツをやっていたら嫉妬、憧れ、敵前逃亡していたと思います笑
1巻の監督の主人公の才能を前にしておかしくならない方がおかしいの言葉通り、順調でも綻んでいく環境や主人公自身の気持ちが本当になんとも言えないです…!
俺は強い!そして、エースになりたい!という性格ならここまで苦労しないのですが…そうなるとまた別の作品にはなってしまうかもですが!
なにが、だれが悪いわけではないのでその分つらいのですが、早く主人公が自分よりも強い、もしくはイガみたいに一緒に頑張りたいなどのように強さに燃えてくれるような敵や仲間ができてくれたらと願うばかりです…!!5巻のイガに主人公にはこういう一緒に横を並ぶキャラがいて欲しいと切に思いました。
1巻の「野球はここにいるみんなが味方なんだよ!」が本当の意味で実現するのを祈っています泣
巻を重ねるごとに1巻のはじめのページが気になりすぎますが…次巻も、その次も楽しみにしています!