あなたを殺す旅
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あなたを殺す旅

浅井西

テンポ良く進む任侠BL入門

ネタバレ
2025年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻2巻読破後の感想。
物語は、とある理由で逃避行中のヤクザの幹部とその世話と隙を見て幹部をコロせと命じられた若頭側の部下が車中で寝ている所から始まる。
先に目覚めた攻めが朝ダチしてむらついたからと寝ている受けの寝込みを襲い、痛がっても入れて顔にぶっかける。
襲って放った言葉が「お前そっちだろ?」「いいだろ減るもんじゃ無いし」「痛いか?男は不便だな」
人誑しって設定で、任侠の豪快兄貴感や人懐こく何でも許されちゃう感を出したかったんだろうが元々ノンケなのにネコだからやっても良いだろ?てのはちょっと不快なスタート。恐らく明らかなサツ意が有ると感じさせる為の演出なのだろう。この後徐々に受けの複雑な心情がゆっくり紐解かれて行くので最後まで読んで、この時の受けの心情を想い読み直す事になるだろう場面。
そこからフラッシュバックで話が前後したり、受けの悪夢や妄想などのシーンが時折入る話運びで少し解り辛い印象だが、受けの複雑な生い立ちや攻めに対する気持ちや葛藤を印象的に描く為なのだろう。
1巻は伝えたいこと、構成に拘りすぎて多少ゴチャついてブュッフェで取りすぎた皿みたいな印象が多少ある。
シ刑囚の彼女の「人を2人56して二万とっただけでシ刑囚だよ?ついてないの」は?当然の刑ですよ。不快な彼女は不要な気がした。
2巻は若干ポップなコメディ風になっているが後日談として、本当の意味で受けが救済されて良かった。受けの笑顔が見れる。不満なのは、作品を通して攻めが受けのことを何時本気になったのか?そもそも恋心あるのか情なのか?好き?彼じゃなくても同じように面倒みそうと感じる点か。
画力も有り不幸な生い立ち、乱暴なエチ、死体、抗争やドンパチ喧嘩、女、入れ墨、兄貴分×弟分、任侠BLの大体がギュッと詰まってる任侠BL入門的な印象。
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