このレビューはネタバレを含みます▼
肩の力を抜きながら勇気を持って自由を選び、そっと支え合いながら楽しく寄り添う二人の物語です。
会社に勤め、周りに合わせ枠にはまって生きていくことは出来ないけれど、社会との繋がりを自分達なりに大切にしているところ、とても好感が持てます。ふみちゃんと類さん。似ている者同士、出会えて良かった。
この物語には余計な人のことは描かれていません。ちゃんと働いて生活費を稼がなくちゃとか、少しは人の目を気にしないととか、結婚は?子供は?等と二人に口出ししてきそうな近隣の住民や家族さえも登場しない。田舎に体調を崩したおばあちゃんがいること、近所に野菜をくれる人がいること、二人に友人がいることが分かるだけです。
大切なのは、今の二人のことだけ。日々お互いが幸せかどうかということだけにフォーカスが絞られています。先のことは、ほんの少しだけ。それ以外は自分が責任をもつ必要のないことだから。
常識的にとか人のためにならねばとか、そういう「普通の生き方」から脱却した世界を楽しませてもらいました。がんじがらめで苦しくなってしまったら、こんな暮らし方もあるよとさらりと教えてくれるような、さりげないのに異様にキラキラした作品です。