このレビューはネタバレを含みます▼
雨穴さんの新作。素晴らしいの一言です。
購入直後にYouTube動画もUPされていましたが、直感的にこちらの読了を優先しました。
ミステリーやスリルはもちろんのこと、今回の魅力はなんといっても青年時代・栗原さんの人間性の描写です。
ああ、美味しい⋯⋯なんと味わい深い。
YouTube作品群や漫画化の栗原さんとはまた違う印象が非常に新鮮で、たいへん心地よかったです。
彼の不器用さ、誠実さ、優しさ、弱さ(強さ)、自制心、魂の美しさには作者の人柄が多分に反映されているように感じます。
いや栗原さんかっこよくない?控えめに言ってこんな人とても好きです。
妹にまで敬語なところとか古風で素敵。
うーん、雨穴さん監修・キャスティングで実写化された栗原青年を見たい⋯。
推理自体は「えっ、それはちょっと飛躍しすぎでは?発想のねじ込み方がすごいな」という無理やり感をいくらか感じたものの、満足感は高いです。
謎解き小説は一度カラクリを知ってしまうと内容を忘れるまで読み返したいとは思わないタイプですが、本作品は栗原さんを味わうために何度読んでもいい。そんなふうに思える作品です。
過去作品「変な絵」の後半のえげつなさ(犯罪描写)や、「変な家2」の後味の悪さがだめな人でも、こちらは大丈夫かなと。
今までの彼の作品群(小説)の中で断トツにおすすめします。
【シーモアさんへ】
“沖上喜見子の手記”の画像(黒塗りに白文字の部分)のフォントが全編通して小さく読みづらいのですが、スマホアプリではスワイプやタップで拡大できず、やむなくページごとにスクショし編集画面上でスワイプしながら読みました。
アプリ上で拡大できず、諦めて読み飛ばしてしまう読者さんがもしいたら、本作品のディテールが伝わらず勿体ないと思うので、何か良いように修正していただけると嬉しいです。
様々な小説を取り扱っていただき感謝いたします。