黒王子は今宵も悪役令息を眠らせない
」のレビュー

黒王子は今宵も悪役令息を眠らせない

バーバラ片桐/奈良千春

感情移入できない

ネタバレ
2025年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ まずあらすじが何も分からない内容なのはなんなんでしょうか?売る気あるのか?
オメガバースの世界線で、呪われた王太子×転生悪役令息ものです。

少し読んで設定が好きそうだったので買いましたが、買わなくてよかった。受けの行動に全く納得がいかないこと、妹とのやりとりも不自然であること、物語がダイジェストなのかと言うくらいただ単に2人の交流にだけスポットが当たっていて他のことは適当にしか描写されていないことが、個人的に面白くないと感じた点です。
・受けが頑なに「俺は番にならない!運命じゃない!妹こそ幸せになって王太子と結ばれるはず!」と断固として攻めを受け入れないのですが、とにかく理由が納得できない。妹の気持ちなんてお構い無し、聞こうともせず勝手に「王太子と結ばれるべき」として裏工作して、死のうとまでする。妹からしたらいい迷惑では?独りよがりの自己満足です。
・そもそも受けの性格があまりにも自己犠牲且つ空回り突っ走り型なのでいい所がよくわからない。そして自己犠牲型になる経緯もよくある話で、ここまでなるか?という。
・兄妹、転生をお互いに気がつくのも変では?目が合っただけで気が付くのか?謎
・王太子の相手候補コンテストやらの設定も甘いと思いますが、何よりその候補たちほとんどを序盤で適当に数行程度の描写で脱落させること。なんで?きちんと書かないと、悪役令息としての受けの設定が生きない。設定として出したのならきちんと描写して欲しい。唯一描写した1人も呆気なく退場…。
・妹も、兄が突っ走ってるのに何度も会う割に止めようとしないのはなぜ?攻めに任せず、まず受けの本人の思考が空回りしていることをきちんと指摘した方が。
・最後は愛の力で解決!呪いをかけたのが誰かなんてどうでもいいよね!とはならんだろ。あまりにもご都合主義すぎて。
・攻めも「運命だから」という理由だけで受けを全肯定しますが、もう少し疑ったりした方が。ただ溺愛要員という感じで人間味がないです。

とにかく2人の交流とエロシーンのみに特化した作品で、それ以外は書きたいところだけ書いたというような内容に思いました。
呪い、オメガバース、悪役令息、というすきなシチュエーションで期待してしまった分、その内容の濃密では無さに萎えました。

ただ細かいことが気にならず、溺愛攻めオメガバースなら楽しく読めるという方にはいいと思います。
いいねしたユーザ6人
レビューをシェアしよう!