曽根富美子傑作選 死母性の庭
」のレビュー

曽根富美子傑作選 死母性の庭

曽根富美子

共感できない

ネタバレ
2015年6月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作だけ読みました。「すべての母親が共感できる」とのことだったが、全然共感できなかった。私も子供は苦手で、母性なんて分からないまま子育てしてきました。夜中に訳もわからず泣き叫ぶ我が子を抱っこしながら、何度ぶん殴ってやろうかと思ったことか。でもいくら頭の中で我が子を痛め付ける妄想をしても、絶対にできなかった。それは母性以前に「人間は人間を傷つけてはいけない」と言う人として当たり前にある理性が働くから。
この主人公は簡単に理性を飛び越えちゃってる。自身も辛い過去を持つとか、母子家庭で貧困家庭であるとかいうわけでもなく。極限まで我慢して堪え忍んでいる描写もなかった。あきらかに母親の精神が異常。
そこまでの問題を夫婦の中だけで解決しちゃっていいの?忙しい夫が職場復帰したら、また密室育児が始まるのに?
ストレスが爆発してつい大声で怒鳴っちゃいましたっていうレベルじゃない。やってることは犯罪で逮捕されてもおかしくないレベル。
夫が手伝ってくれて心の余裕がある時にちょっと決意したぐらいで変わるとは思えない。また同じことの繰り返しになるだろう。まず母親の心のケアをしないといけないし、両家の親や行政に助けを求める必要はないのか。
本当に何が言いたいのか分からない漫画。母親の共感を得たいのなら、主人公の心情を丁寧に描いて欲しかったし、問題提起してるのなら、子供を救うための手立て を詳しく描いて欲しかった。
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