豚飼い王子と100回のキス
」のレビュー

豚飼い王子と100回のキス

海野つなみ

キスの意味

ネタバレ
2025年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ アンデルセン童話『豚飼いの王子』今で言う逆恨み復讐系がベース
※個人の見解です
なんちゅう酷い王子だ!と憤る話を笑いとトキメキに溢れたラブロマンスの傑作に

真心を込めた贈り物を拒否され求婚を断られた王子が豚飼いと偽り珍妙なアイテムをエサに10回のキス、100回のキスを姫に要求する
よそのおうちの夕飯が匂いで分かるなべ…そんなん要る?
あらゆる曲を奏でるガラガラ…ガラガラって…次から次へと王子…笑
でも、それらがことごとく姫にヒットする…姫よ…
欲しければキスを、と、侍女たちのスカートに隠れてのキス、1回2回3回……優しく甘やかな"恋人同士のキス"(侍女の反応がいちいちイイ笑)
キスにより高まるその先への展開はエロくも初々しく溺れてゆく二人の描写が素敵です

原作では王子は姫を破滅させ捨て台詞を吐いて終わりますが本作ではその続きが描かれます
放逐された姫は王子に助けられ側仕え兼夜伽役に、豚飼いでもなく姫でもなく向き合う二人
「…わたくしはあの豚飼いだから肌を許したのです」
だよねだよねそもそも嫌いな男とキスなんてできるかって
王子の狼狽ぷり無自覚姫に煽られ翻弄され…最後は綺麗に大団円

すっっっっごい面白かった!実写映画化して!
アンデルセンの童話と比べるなら大人向けのハリー・クラーク挿絵版が断然おすすめ※王子の絵はちょっとキモいけど…
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!