そこはかとなく滲み出る良さに

ゲイ同士、10年来の友人で転勤をきっかけに同居して1年の極端に面倒くさがりな野間といつも飄々としている相良のお話。

どうしてこの作品にこんなに惹かれるのか!?いつも読むBL作品とは違って、特にイケメン設定でも無く幼馴染でも親友でも無く…、面倒臭がりで優柔不断な野間と感情の起伏がほとんど無い淡々とした相良と言う何処にでもいそうで、寧ろ面白みの無い男たち笑。こんな2人をどうしてメインに据えたのか？初読み作者様ですが、作者様どうしたの？と思ってしまうくらい主役に相応しく無い2人で笑笑。なのにめちゃくちゃ先が気になり一気に読み終え、また読み返してはその飄々とした表情の裏に隠された想いを慮り、切なくなったりして、何度も読み返してしまう作品です。平凡な日常の中にも、キラキラしたものがあると希望が持てるような、ぽっとほんのり温かい灯がともったような心持ちになりました。出逢えて良かったぁ。えっ、作者さま凄すぎませんかっ？

丸々表題作、描き下ろし5p、電子限定1p、総173p。修正は白短冊＋白抜き。