極悪人のバラード
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極悪人のバラード

月東湊/榊空也

予想外の感動作

2015年7月5日
内容紹介から「思いやりに欠け傲慢だった攻めが、受けの純情さに本当の愛情を知りハッピーエンド」の軽い話を予想してました。結論その流れの話ではあったのですが、予想を大きく超えた中身の深さに、まさかこんなに感動して読み終わるとはといい意味で騙されました。
高野と渉、二人が抱えてきた人生の辛さ苦しさ、幸せに対するあまりにも強い憧れと恐れ。居場所を常に求め、でも手に入れ方が分からずもがき悩む姿に、家族という形がどれほど大きな存在であるのかあらためて考えさせられます。相手の笑顔があれば自分も幸せになれる。幸せを知らなかったお互いだからこそその大切さと有り難みを噛みしめられるのだと思いました。ぜひお勧めしたい作品です。
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