このレビューはネタバレを含みます▼
篠崎先生の作品はトキメキがあってすごく好きです。
従兄弟のお兄さんの心情が印象的でした。胸に燻る思いを言葉に綴っていたら、人の心に届く作品になり賞を貰ったけど、読んだ人の感想は、それは「恋」。はるか年下の従兄弟をモデルにした作品でそう評された晴が自覚した想い。鳶色の瞳に魅せられていた自分、大した人間でもない自分を慕い憧れる従兄弟に現実を知られたくなくて逃げる気持ち、憧れに足る人間になりたいという思い、小説に知らず滲んでいる恋心、、色々な晴の、人間らしい恐れや繊細さや忘れられない記憶と心情が印象的で、しかも実際には深いところまで根の張った従兄弟への想いに心を打たれます。真咲を手に入れたいけど、捉えて未来や幸せを奪いたくない晴の優しさとのジレンマを、真咲が越えて行く迷いのない綺麗さにもキュンとします。悩む晴と対比して、真咲は潔くて芯がしっかりしてて、生活も規律正しくちゃんとしてる所が、すごく魅力的。真咲のその迷いのない姿は、年上の晴を逆に包むようにこの恋へ殉ずる決意をさせる力があって、晴が悩む真咲への障害を越えて来られる道を作って来させるパワーがすごく良かった。読み応えのある心情描写と魅力的なキャラの作品で、とても好きです。