このレビューはネタバレを含みます▼
この作品のいちばんの魅力は、BLでありながらBLっぽくないところです!
攻めはBとは言えないアラフォー男だし、攻めと受けが二人きりの場面は少なくてほぼ大家族物ストーリーだし、裸になるラブシーンは2回だけだし……と、かなりBLっぽくないのですが、でもそこがいい!のです!
主人公の桜井と蓉一が出会ってから、互いに恋心を自覚し、それを相手に伝えてキスより先の関係になるのに、なんと4巻まで待たなければなりません(笑)
それで読むのを敬遠したあなた!ちょっと待って下さい!ここまで焦らしに焦らされるからこそ、二人が初めて裸で触れ合い、二人が心身ともに結ばれるシーンの満足度とカタルシスが堪らないのです。
その時の蓉一の初々しい態度が、これまた尊いんです!
蓉一はそれまで人を好きになったことがなく、なのでキスもしたことがなければ、セッ…の知識もほとんどなく、だから少し触れられただけで「ビクッ!」「あ…」と、もう可愛いったら!
桜井も、37歳の自分が19歳の蓉一に手を出していいんだろうかと悩んでいて、大人なだけに欲望を抑える術も身につけており我慢していたのに、蓉一があまりに可愛くてついに欲望が暴走してしまう!その瞬間がいいんです!
ストーリーももちろん面白いです!
主要な登場人物だけで10人弱いますが、それぞれのキャラ立ちはもちろん、一人一人がとにかく魅力的なんです。
みんな温かい心を持っているのに、誤解したり誤解されたりと、なんだか上手くいかない。
その人間関係の中に、無関係な攻めがポーンと飛び込んでしまう。
その波紋がもつれた糸をほどくように、登場人物たちの関係性をシンプルにし、人間関係を良好なものへと変えてしまうのです。
桜井と出会ったことで、蓉一は自分に向き合えるようになり、他人との関係性も変化していきます。
二人を取り巻く、菖太、竹生、藤本、吉富さん、柏木さんらも、とても良い味を出しているキャラです。
特に吉富さんは個人的に好きなキャラで、吉富さんの作る料理はどれも美味しそうで食べてみたいし、最後に結ばれる相手もあまりに意外すぎて笑えます(笑)
ちなみに、タイトル通り「花は咲いたか?」というと本編では咲きませんが、花が咲く頃には、蓉一の立場ももっと確かなものとなり、二人はきっと仲間たちと共にずっと変わらずそこで咲き続けていくのだろうなあと思います。