カラー・コレクション-PARADE-【電子限定描き下ろし付き】
芹澤知
このレビューはネタバレを含みます▼
前作でカップルになった3組のその後が描かれており、ストーリーも作画ももう素晴らしいの一言です!
読み終えた後は、感動と余韻でしばらく放心しました…それくらい素晴らしい作品です!
オムニバス形式なのは前作と同じで、1巻完結ながら262ページのボリュームがあり、3組のカップルのどのエピソードもドラマティックでまるで映画を観ているようで、このお値段で読ませていただくことが申し訳ないくらいです。
前作では甘い「恋の始まり」が描かれているのに対し、本作では、様々な悩みや葛藤を経て恋が「揺るぎない愛」へと昇華していく過程が丁寧に、そして繊細に描かれています。
「彩輝×蒼大」は、仕事上でも関りを持ったことで気持ちがすれ違い、互いに大切に想っているのに関係がぎくしゃくしてしまいます。それを乗り越えようとする二人の絆の強さ、そして二人が出した「家族」という答え…もうそこまでの展開がハラハラドキドキほっこりの連続で、たまりません。
そして芹澤先生がすごいと思うのは、蒼汰の作品はもちろん、彼が住む部屋やアトリエ、食器に至るまで、まさに蒼汰という芸術家の感性がそのまま投影されていて、本当に蒼汰が実在しているんじゃないかと思うくらい説得力ある世界観なのです。
「利人×ミハイル」のすれ違いはかなり深刻で、読んでいて辛かったです。
特にミハイルが、年齢を重ねた自分では利人の創作意欲を搔き立てられないのでは…と悩むシーンは胸がヒリヒリしました。
だから、利人が「ミハイルの変化と一緒に俺の理想は常に更新されてるんだ」と伝えた時は感動で泣きそうに…。
「大地×大竹」は安定のラブラブぶりですが、さりげなく思いやりを持って互いにサポートしあう関係は本当に素敵です。
大竹先生がもうすぐ還暦というのにビックリ!
こんなにカッコいい還暦っていますか!?
そして前作と同様「名探偵てっちゃん」がいい味だしてます。
3組それぞれのエピソードも感動するし、登場人物全員が集まる最後のエピソードは多幸感に溢れていて、何度も読み返したくなります。
個人的に、いちばん心に響いたのは大竹先生のこの言葉。
「他者の理解を求めて今居るステージから降りようとするな」
BLとしての魅力ももちろんすごいのですが、ストーリーの面白さ、完成度、胸を打つ言葉の数々と、このような傑作に出会えたことがたまらなく嬉しいです。
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