片恋ストラテジー
」のレビュー

片恋ストラテジー

秋良ろじ

自分を選ばせる囲い込み愛は好きですか

ネタバレ
2025年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 典型的な腹黒執着攻め×天真爛漫受けかな、と思います。ですが受けの勇気さんが甘くチョロく屈託がないため、展開がするする進むので、読み心地に重たさはあまり感じませんでした。ホラーレベルのドロ暗執着展開が欲しい方には少し物足りない内容かもしれませんが、胃がもたれない程度に執着攻め手管を読みたい気分の時はぴったりだと思います。何より良かったのは、一縷さんは勇気さんの善性・光属性に惹かれている故に、信頼を脅かすような駆け引きや罠を一縷さんが仕掛けなかったところです。勇気さんが人を疑わなさすぎるというのもありますが、一縷さんは逃げ道を完全に断つような囲い方はしませんでした。もっと暗い執着ものなら、相手が完全に自分しか選べなくなるくらいに周りに手回しをして、選択の余地さえ与えずに自分を選ばせるんだと思います。
一縷さんの囲い込みが優しいのは、もちろん勇気さんと一縷さんが築いてきた信頼の強さ、情けの深さもあると思います。ただ、一縷さんは自分の恋を不毛なものと捉えていて叶いませんようにというモノローグすら流れる。そもそも今までだって、いつでも勇気さんを振り向かせるタイミングはあったのに手を出していなかったのは、一縷さんが自分の恋に消極的だからなのかもしれません。彼にとって一番気楽でベストな状態は、勇気さんは誰のものにもならないで、自分の執着心にも火がつかない、ずっと変わらずお互い友人でいる状態、だったのかな…と考えると、少し切ない気持ちになりました。ただ最終話の、賭けに勝ったと分かった瞬間に、勇気さんの目の前に餌をぶら下げて選ばせるのは、狡いですね。もう逃がせないからこそ、自分でもそういう覚悟を決めさせるために自分で選ばせたのだと思いますが、一縷さんから勇気さんの手を取るような誠意を感じる描写がほしかったです。でも、俺無しではいられないように、と言っておりますから、選んでもらった責任は十二分に取るんでしょうけど。あとがきの作者様のお言葉を読んで、納得すると同時にほっとしてしました。信用できない…自分的にはその通りでした。いいんです、お互いが幸せならそれが一番良い。
最後に一つだけ言わせてください。ぱい責めを もっとやっても いいんだよ
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!