先生を暴きたい[ばら売り]
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先生を暴きたい[ばら売り]

うすいしっぽ

初めてハマったBLです

ネタバレ
2025年12月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「せんせ」
この平仮名3文字が過去から現在に至る迄の小田切の愛情が凝縮されて詰まってる、余す事なく表現されていると思います…尊死…
第9話の、小田切の口から無意識に出た「愛してる せんせ」の場面と小田切の表情には泣いてしまいました。

個人的な見解ですが、BL作家さんは男性の体格作画の為に画力が高い傾向にあり、更にこの30年程でデジタルの描画方法も革新し素人でも標準基礎レベルが底上げされ、不況に喘ぐ出版業界や編集者はpixivやSNSで青田買いするのでBL作家はスカウトされ易く、BL界隈から商業誌デビューした作家さんは数え切れません。
とはいえ画力が高くなくとも独自のセンスを持つ作家さんも陽の目を見やすくなったメリットもあります。

こちらの作品はメインキャラ2人の表情と体格以外は割と簡素な作画で、本来なら作画で表現すべき意味の絵も文字の注釈で済まされてたり、その注釈文や擬音もフォント要素を微塵も考慮されていない殴り書きの様な字で書かれ、当然背景も緻密さ精密さからは程遠く、人物の簡易デフォルメも多い。
ですが、それらの面を補って有り余る魅力がこの作品にはあります。
元々は4コマギャグ漫画の作家さんでいらした様なので、その作風がベースにあるらしく、ギャグ要素はこちらの作家さんの全作品において不可欠で楽しませてくれます。
物語の進行にスパイスとなるギャグ要素の多さと簡素な作画が相まって気楽に読めるので、作家さんが注力されたであろうメインキャラ2人の心理描写ややり取りに自ずと引き込まれます。

また、橘の生い立ちと性格の設定が説得力あって良かった。
自己肯定感の低い人は「他人に求められる事で安心を得ようとする」ので、受け身になる傾向が強いです。
両親から教職に最適化するよう人格教育された橘の、骨の髄まで染み付いた教師然たる姿勢と思考回路が随所に滲み出ててそれをもギャグに使ってるのが深刻になり過ぎずに良かったし、正反対の小田切のキャラとの良い対比になって引き立て合ってる。
お互いに影響し合い成長してるのが微笑ましい。
更に男性の同性愛のケースでは避けて通れない「結婚・妊娠」問題も避けずに絡ませていて、それが2人の真剣な交際を読み手に認識させ、考えさせます。

物語がどう決着するのかまだ全然読めませんが、大好きな作品なので長く続いて欲しいです。
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