人魚心中【コミックス版】
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人魚心中【コミックス版】

鹿島こたる

56億7千万年後もお幸せに♡

ネタバレ
2025年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 永遠を生きる美しい人魚と、人魚に狂い破滅していく男の物語です。
個人的には、人魚に狂い破産はすれども、愛するものを手に入れることが出来た幸せな男のお話だと思えました。
ミズシマの性癖上、通常では出会うことも、報われることもない、自然の理から外れた生物との恋愛成就です。

目が見えず視力以外の感覚が優れている佐々木くん、画家を目指していた矢野くん、この二人はミロクの本質を捕らえていたように思いました。
畏怖だけではない、本能的な危険信号。
見たもの聴いたものを破滅させる厄災。
ミズシマも感じ取ってはいても、それ以上にミロクに魅入られています。

人魚の魅力に抗えた佐々木くん。
人魚から逃れることは出来たが、心は捕らわれてしまった矢野くん。
人魚に魅入られ、狂っていくミズシマ。
ミロクへの執着と独占欲、ミロクから興味を無くされることに怯え、感情を制御できなくなっていくミズシマ。
どんなにミロクを囲い込んでも、俺のものだと叫べば叫ぶほどに、キリがない、満たされない、狂っていく。
「俺はあの人魚を愛しているんだ」

「助けてくれ…」
これは誰に対して言ったのか。
救えるのは、ミロクしかいない。

ミズシマの事を思って、人魚を海に返そうとする佐々木くん。
佐々木くんはミズシマの良心、その良心を殺し、自身も死のうとしますが、自分が死んでもミロクは生き続け、他の誰かがミロクを見て、ミロクの歌を聴いて、ミロクに触れるかもしれない事実に耐えられず「誰にも渡さない」「俺だけの人魚なんだ」と、叫びミロクを撃ちます。もちろん、死にません。
しかし、ミズシマから殺意をむけられた時のミロクの目には、喜びと期待が(嘲りにも)見受けられます。
一方ミズシマは、一緒に死ぬことも出来ない、ミロクを自分だけのものにする事も出来ない絶望に、自分の中の真実に辿り着きます。
「愛している」
「お前に永遠に狂っていたいんだ」←コレですね。
そして、夜明け。
二人の気持ちが通じ合った瞬間ですね。
とても美しい、喜びと光に満ちたミロクの笑顔です。

結果だけ見れば、特殊性癖の激重ど執着なミズシマと人魚の恋愛成就の物語ではないでしょうか?
呪い(愛)を貰えたミズシマ。
呪いをかけられる相手を得られたミロク。
人魚心中、心中だから相思相愛のハピエンですよね♡
海の上の仕事にも就けてるし(笑)
と、勝手に解釈しました💦
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