人の稚魚
」のレビュー

人の稚魚

余津一

考察せずにはいられない

ネタバレ
2025年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 色々考えられますが、これは大枠は「人魚姫」になぞったものに思えます。海からアパートに見える人間の男に恋をして、美しい声を捨て、人間の元へ来た人魚。この時も歌で呼んだかもしれません。八百比丘尼の話が絡むので少し複雑。人魚の肉を食べた人間は永遠の命になると言いますが、私は猛毒でもあるので死もあるのかもと思えました。ここで題名「人の稚魚」。「永遠 80年増」人魚を食べて永遠の命になるかもしれないのは人間。人間に食べられ人生80年になるのは人魚。そのいずれか。泡となって消えたのが、恋する人間を食べられなかった人魚と素直にみれなくもない。けれど、最後のシーンの二人の同じ足、視線、逆に流れるセリフを考えると、食べられたらはずの人魚が人として生まれ変わったとも思えました。愛する人間の男が泡となって消え、その男と成り代わって、呆然とする人魚。辛過ぎる… と、何度も読み返し、それぞれの考察が楽しめるお話です。
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