グレープフルーツムーン
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グレープフルーツムーン

芹澤知

作家様買いです!タイトル通りの爽やかな恋

ネタバレ
2026年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ケーキをこよなく愛する大学生と、天才パティシエが主人公の1巻完結作品。

ケーキが大好きだけれど不器用すぎてケーキは作れない香月は、子どもの頃から慣れ親しんできたケーキ屋さんでバイトをすることに。

しかし、そこでケーキを作っていたのは、子どもの頃見ていたパティシエではなく、若き天才パティシエ洋一郎。

洋一郎は、病気で亡くなってしまったパティシエの代わりに、見事同じ味を再現していたのでした。

最初は何かと衝突していた2人でしたが、香月は洋一郎の才能に、そして洋一郎は香月の純粋なケーキ愛に、互いに惹かれ、心の距離が次第に近くなっていきます。

そして、その想いはいつしか特別なものになっていき⋯⋯といったストーリーです。

元有名ホテル勤務という輝かしい経歴と、抜きん出た才能もある洋一郎が、なぜ商店街の小さなケーキ屋で、自分のオリジナルではないケーキを作ることに甘んじているのか?

その理由は、後編で語られます。

美味しいケーキを作りたいというモチベーションとなっていた存在が、遠いものになってしまったから。

芹澤先生ははっきりとは描かれていませんが、洋一郎にとってその存在は初恋の相手だったのではないかと、私は解釈しました。

誰かのために何かをしてあげたいという気持ちって、大きなエネルギーであればあるほど、それを失った時の喪失感も大きいんですよね。

洋一郎も、それで心にぽっかり穴があいてしまった訳です。

しかし、そんな時に香月が現れてくれた。

香月のために、洋一郎が心を込めて作ったケーキは、洋一郎が新しい一歩を踏み出すことができた証。

2人は、新たな夢に向かって一緒に進んでいこうと約束します。

ピュアでハートウォーミングなストーリーに相応しく、ラブシーンはキスだけですが、それがまた爽やかでいいんですよね。

描き下ろしの赤い糸ならぬ『甘い糸』では、2人の運命的な縁を知ることができます。

読了後、温かい気持ちになれる作品なので、ほっこりしたい時にぜひどうぞ!
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