友だちと、あやまち。
」のレビュー

友だちと、あやまち。

七海リキ

恋も生き方も描かれた素敵な作品

ネタバレ
2026年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく良かったです。
榛名は、人見知りで人に心を開くのが不得手。何というか、それは元々、多くの人が歩むスタンダードと少し違う所を見てるから、という感じ。人と少し違う感覚を持ってる自分が、人と付き合う時は、話や行動を相手に合わせないとと無意識に緊張して、自分を上手く出せない感じ。社会人になってからは、小説家として頑張ってるけど、昼でも家にいる自分は、行きずり相手にはフラフラしてると思われたり。ちゃんと働いてるのに、同級生はみんな会社で出世したり世の中と溶け合っていくけど、先の見えない自営業の自分はいつも一人ぼっち、置いていかれてる気がどこかしている。そんな榛名の心情が、少し語られるだけでも作品の中ではよく感じられて、その寂しさや虚しさを行きずりの男で埋めている。この作品は、ただの一夜のエチを楽しみたい性的趣向とか、友達とうっかりセ◯レに、という話でなく、生き方や心情の結果としてそういう行動がある、ということで、そこには寂しさや切なさ、温もりが表れている。
そんな榛名を、ずっと好きで傍にいる一誠の気持ちも切ない。中学からずっと友達だったから、告白して傍にもいられなくなるのを恐れて、社会人になってもずっと打ち明けることができない。家庭環境が悪く、寂しい気持ちを埋めてくれたのは、同じように寂しさ知る榛名で、榛名は一誠にとってかけがえのない恋しい人。
自覚して榛名に恋し続けてる一誠と、無自覚に一番理想の恋人像である一誠と一緒にいる榛名。二人の関係が、榛名が行きずりの男に絡まれてる現場を一誠が目撃することでガラリと変わることになる。セ◯レとしてしか近づけない一誠の焦れる気持ち、榛名が一誠を初めて恋人として意識し始める気持ちの変化が違和感なく切なく描かれ、作品に引き込まれます。面白かったです。
その後もまだ見たいので、続編欲しいです!
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