このレビューはネタバレを含みます▼
少年Aの手記出版のニュースに付随して、少年犯罪の加害者の出所後についての情報が目に止まり、結婚や恋愛をしている人もいることを知りました。正直、なぜ…?と言う気持ちもあり、こちらも手に取りましたが、そういう気持ちで読む作品ではありませんでした。人との出会いを経て変わっていく様などを描いているわけではなく、完全なるご都合主義で全編成り立っています。猟奇犯罪は恋愛を盛り立てる要素としてのエッセンスでしかなく、担任と付き合ってしまった普通の少年が、大人の事情に振り回され、ドラッグを使った暗示にかかり、猟奇殺人。でも、もともとがいい子だから、すごく苦しんだし、過去より今と未来を見てくれる、担任にちょっと似た包容力あふれる年上女性と恋をして立ち直っていく…って、いくらなんでもひどくないでしょうか。殺人に至る過程がお粗末、無茶苦茶すぎるし、何度も人命救助させてみたり、他の猟奇的人物との対比で彼は違う感を出したり、絵の才能与えてみたり、加害者像を愛すべき人物にしようと必死。普段レディコミ的作品ばかりの作者ですが、真面目な漫画を??と思いきや、猟奇犯罪をネタにしたメロドラマです。今は恋愛の障害もここまでショッキングにしないと燃えないんですか?現実とのあまりの乖離に気分が悪くなりました。