このレビューはネタバレを含みます▼
この作品は沢山の大切な事を教えてくれますが、他の人との闘いにみえて、実は自分と向き合うことの大切さや自分の心と向き合う事の大切さを教えてくれます。 主人公のアラタは 現実世界(日本の高校生)で かなり正義感が強く優しい男の子なのですが、突然 親友からの激しいイジメがはじまります。このイジメは アニメでは省かれてしまってましたが かなり酷いイジメで この作品には絶対不可欠で重要な部分です。物語のきっかけになりますから。辛いけど、目をそむけてはいけない部分です。親友だと思っていた友達からの激しいイジメに絶望したアラタは 突然、人と神々が生きる神話の世界にむこうの世界の 同じ名前の少年と入れ替えのように タイムスリップ?してしまい、むこう側の世界の戦いにある意味では、巻き込まれる?のですが… この世界で アラタの正義感溢れる優しさや懐の深さなど、結局は 自分自身が試されていくような感じです。
色々な人と向き合うことで、自分自身と本当の意味で向き合い、やがて アラタをイジメた親友もタイムスリップしてくるのですが この親友の本当の想い(何故イジメにいきついたか)など、様々な想いが交錯します。お互いがお互いをわかり合うということは他人なら本当に難しい事ですが、よく知っている人物の本当に想っている真実の心も、わかりませんよね。それに、想いが強い程にこじれる。この作品は現代社会が抱えてるイジメの問題や、全てをひとりで抱え込もうとしやすい今の若い子には是非読んでほしいです。世界はファンタジーですが、人の心の動きは繊細に描かれているし、様々な人物の心のぶつかり合いや、葛藤を真っ正面から画いていて(イジメる側の理由なんて何もない場合も多いですが)読んだ人の心に、なにかが芽生える作品だと私は思います。