シャンパンタワーの向こう側
」のレビュー

シャンパンタワーの向こう側

りんこ/三原しらゆき

ホストが主役とは思えない程重いお話

ネタバレ
2026年2月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大阪から歌舞伎町にやってきたナンバーワンホストが、歌舞伎町のホスト四天王の一人に一目惚れし、真の恋人になるまでの紆余曲折を描いたお話。
ホストを題材にしたBLは今までもたくさんありましたが、こんなに重くてシリアスな展開の多いホストBLは初めてで驚きました。ホストというと、チャラかったり軽かったりするイメージが強いですが、どちらかと言うとこの作品ではキラキラした光の裏側にある影の部分をメインに描いているので、苦しくてツライ場面が多いです。でもその光と影のギャップにホストらしくない人間臭さや弱さを感じられて、重い展開の良さが光ったと思います。
ただ、その重さゆえの難しさがあり、リューズの危機に恋人とはいえ優雅がなぜそこまで身を切らなければいけなかったのか、紫音には蓄えはなかったのか、それこそ腕時計や資産を整理すれば何とかなったのではないか、などの設定に関する甘さが気になりました。恋人としての別れを選択し、さらにリューズに優雅を縛り付けるという責任を負わせるのは、紫音の甘えだったと思います。そういう多少の疑問点はありましたが、煌夜のブレない人柄や嘘をつかない姿勢は、ホストというより王子様のようで、彼が常に一途にまっすぐな気持ちを優雅に注いでいることがこの作品の最大の見せ場だと思いました。経営の危機が終わったら、三人の密約がバレ、EDになるなどツライ展開が続きますが、煌夜が常に優雅を側で支えていたことにとても愛を感じました。この煌夜の愛が物語の核であり、一本芯を通したような強さであり、未来への幸せへと繋がったような気がしました。とても難しく重いテーマを最後まで描ききった作者様に感謝したくなる作品です。
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