カメレオンはてのひらに恋をする。
」のレビュー

カメレオンはてのひらに恋をする。

厘てく

丁寧で心温まるお話(4巻読了)

ネタバレ
2026年2月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ おすすめしたい部分が多すぎて困る作品です。
まず丁寧な心理描写で登場人物が本当にいそうな人、なのに劇的な効果で読み手を楽しませてくれる。表現が巧み過ぎてたまにケイトの声の温度というか高低差が聴こえるんですよね。これ低い声で言ってそうだな、とか。あれー?聴こえない方の話なのに私には聴こえて見えるぞ?的な不思議体験が随所にあります。
私が好きなのはケイトが一度も「聴こえればいいのに」と思わないところ。私だったらそう書いてしまったり思ってしまうところをそうしない事が聴者には分からない心理描写を的確に表現しておられるなと思いました。(読み取れてないだけでそういう描写あったらごめんなさい)藤永の声が今、聴こえればいいのに!と思ってしまう自分の浅はかな感覚が自分本意なんだなぁ世の中ってこういう自分の規格でしか見えない部分って多いんだろうなぁと思わせられました。
とにかく毎巻230ページくらいあるのにもう読み終わった?!?うそ?!みたいな不思議体験もさせられます笑 早く関係が進んでほしい訳ではなく、物語に入り込むといつの間にか読み終えてしまっている。藤永に対するケイトの想いがもっと的確に伝わって欲しいのに、そうは伝わらないのがこのふたりの「普通」なんだろうと思うと愛しさが増しますね。
音のない世界ってどんなだろう。その中でひとりの人を愛するってどんな気持ちなんだろう、どんな感覚なんだろうと思いながら読むと、藤永の清廉潔白さや素直さがケイトに会えたのが奇跡のような気がします。またそんな2人の取り巻く登場人物みんなに愛着が湧く。ケイトの弟くんなんて多分一番共感しちゃう。そりゃ先に助けてしまうよね考えるより先に動いちゃうよね貴方は悪くないよ、優しいんだよと思いつつケイトの気持ちはまた更に上。情はその人のためにならないみたいな事なのだろうと。押し付けがましくなくそういう感覚を伝えてくれる作者様の人間性には脱帽です。
今一番新しい巻が出たらすぐ読みたい本です。末永く続いて欲しい想いとゆっくりじっくり進んで欲しい想いが交差しています。ひとり暮らし?いいんじゃない?でもさでもさふたりもいいんじゃない?!ふたりなら最強なんじゃない?みたいなおせっかいが頭をもたげるけどそんなことは言えません!笑
しっかり収まるところにおさまって幸せに自己実現して欲しい。補いつつお互い前進して欲しいふたりです!
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