「アドルフに告ぐ
」のレビュー

アドルフに告ぐ

手塚治虫

誰もアドルフになりたくはないはず

ネタバレ
2026年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 友達と国籍が違うというだけで、お互いが憎むべき相手になってしまう。戦争を始める人、維持する人、終わらせない人、この人たちにとって、兵士とは国民とは隣人とは何なのか? 人間が業突く張りでなければ、生まれなかった技術や芸術など、今のような豊かさは無かったと思いますが。人間が業突く張りでなければ、戦争しなくていいほど、地球は広いし植生豊かだと思うのですが……。誰がが誰かを思う気持ちが技術に成ったはずなのに、その一部が兵器に変えられて、誰かが大切な人のために頑張った結晶が、誰かの大切な人を不幸にしてしまうのは、本当に哀しい。
戦争をしたい人達は、何を求めているんだろう。戦争をできる立場に成り上がれるほど、頭の良い優秀な人たち、何を考えているんだろう。
この作品は、いろんなことを考えさせてくれます。普段の生活により疲れた心身で、考えたくないことを、見たくないことを、少しでも知らなくちゃと思わせてくれるのは、手塚先生の絵のタッチ、切り取る場面、表現の仕方、セリフ、登場キャラの熱量、この漫画の力でもあるのかなあと。
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