「lie cry like【特典付き】
」のレビュー

lie cry like【特典付き】

yoshi/阿賀直己

美術品か映画のように「鑑賞」する作品

ネタバレ
2026年4月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵も文章(セリフ)も、絵画や彫刻のように余計なものを削ぎ落とし、洗練された美しさがあったと思います。小説が元になっているということで、映画を観ているような気持ちになりました。美術品にしても映画にしても完成された世界があって、当に「鑑賞する」という言葉がしっかりくる作品でした。

文章については、学問的なことはよく分からないけど、何となく「時事的でもあるし抒情的でもある」気がしました。淡々と事実を述べて、心を整理するかのような(小説的な)書き方と、整理した内容に感情を乗せる(漫画的な)書き方と、二つの相反する手法が良い感じに相乗効果を生み出していたと思います。低体温系の二人の熱い想いがしっかり伝わってきました。

圧倒的な画力でもって描かれる「美」は本当に素晴らしく、誰もが見た目の「美」から入るのは仕方がないのかな…と思いますし、実際谷もそこは認めています。けど、知れば知るほど十和田の内面に惹かれていって、当たり前だけど(ていうか読者としてはそう願いたい)最終的には心の美しさを好きになったんだよなと思いました。
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