黒猫の黄金、狐の夜
」のレビュー

黒猫の黄金、狐の夜

本庄りえ/伊達きよ/yoco

献身愛の光と影

ネタバレ
2026年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ え、こんな良作なのにレビュー少なっ。なぜ…と思ったらコミカライズ出たばかりでした。原作高評価納得。
先陣レビュアーの方々感謝申し上げます。
読んでよかった!買ってよかった!
不憫受け苦手なので、迷ったけどレビューで購入決めました。

あらすじを簡単に。
孤独なキツネ獣人コガネは、ある日川で拾った盲目の黒猫をクロと名付けて育てます。貧しいながらも幸せに暮らしていましたが、クロの類まれな才能を確信したコガネはクロの視力を取り戻すため高額な手術を医師スオウに依頼。代償として危険な治験を受け入れ、クロと離れ離れに。
クロは、コガネとのこれからの生活のため知識をつけるべく学業に励むが、あるきっかけで出自が明らかになり…。

コガネの献身と、献身を捧げられたクロの苦しみの衝突。
クロはコガネと一緒に居れればそれが幸せだったのに。
一方的に愛して幸せを与えて満足ですか、クロの問いかけが胸に刺さります。コガネの愛の深さがわかるからこそ苦しい。読んでるこちらも苦しい。お互いを思い合うからこそ生じるこの歪みが本作の涙腺崩壊ポイントです。
長髪蛇獣人冷酷美形医師スオウ(肩書き長いのは許して)の存在が更なる深みを与えてきます。スオウが抱える、献身を与えられた側の苦しみという過去。コガネの無償の愛に触れて感情を揺らすシーンはエモさの極みです。
スオウ酷いやつだけど嫌いになれない、むしろ好き。

丁寧なコミカライズなのですが、最後は少し足早に感じ…と思ったら後日談がボリューミー。大丈夫、満足できます。
クロがスオウに感じる嫉妬がちょいちょい可愛らしく、歳下みを感じられてよきでした。
鈍感ママみ歳上受けっていいね…。
歳のせいなのか、作品の出来が素晴らしいせいか、とにかく泣けました。
最後のページのラフ絵まで堪能できた読後でありました。
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