死に戻り王子、底辺の兵士から運命をやり直す
」のレビュー

死に戻り王子、底辺の兵士から運命をやり直す

芹沢まの/笠井あゆみ

じっくり読みたいファンタジー小説

ネタバレ
2026年5月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルが軽すぎて迷いました…初めて読む作家さんの作品だったので。躊躇いつつ、レビューで『ファンタジー好き』に推されていたので思い切って買ってみたけど大正解!推してくれてありがとう!いいファンタジーでした。(肌色少なめです)

人生やり直し系の小説で、
本人のエネルギーが燃え尽きた所から始まって、人生の振り返りが終わった章でこちらも燃え尽きそうな気持ち…
そこから一転、一兵士の世界線に飛ばされて視野を広げ、周囲の人々の心と自分の心とに向き合い、己の甘さから脱して大切な人達を守るべく立ち上がっていく姿…読んでいて高揚しました。
大きな契機は槍試合だと思う、あの場面でよくぞ出てくれた!余談ですが馬上槍試合の場面、昔の映画『ロック・ユー』を思い出して興奮しました。あれができる主人公、一兵士として埋もれて終わるわけがない…精神的な弱さはあっても腕っぷしはかなり立つ人なので、これが心も強くなったらそりゃあ王家も立ち直せます。

これはネタバレ込みの感想ですが
読んでいて「これ一兵士の世界のまま終われたら良いのでは?」と思ったけどあくまでそれは仮の、歴史の裏にあったかもしれないifの世界で、そこから戻らなかったら元々生まれ過ごした世界で愛した人達が無惨な結末になってしまうんですよね…やっぱ戻るよね…と納得しつつ、その世界線での攻2人(?)の友情が元の世界には成り立たないのがもったいない…と思ったり。
二つ目の“幕間”で黒幕のこと自動的に明かされ過ぎでは〜?と思ってしまったけど…でも都合よく端折られた感じはあったけど、物語の中で明かすなら戻る時点が難しくなるんだろうし…あんまり主人公に万能感をつけるとやり直しのヤラセや仕込みっぽさが出ちゃうのかな〜とか考えてしまいましたが…そんなに分かってるなら主人公じゃなくてお父さんをやり直させたらどう?!って気にもなりましたw
『最後の王』=お父さんだと思ってたのでモヤモヤしてたけど、本当に末裔の人だった終わり方でちょっと意外。それだけグズグズになってしまった王家の末裔の方が、自分の存在が消えるかもしれなくても国を存続できるように未来を変えたいってどういう背景があるのかなぁ…てっきりあの王家としては父王が最後の王で、あとは傀儡にできる幼い人間だけがお飾りになっていったのかな〜と想像してたので、子孫の最後の王と謎の神官の正体は消化不良でした。
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