このレビューはネタバレを含みます▼
午前四時、夜更かしの延長線でこちらの作品を見つけました。
読み終わった今、涙が止まらないです。
はじめはなんやねんこの上司…どうしようもないなって思ってて、でもあの一夜で2人の距離がぐっと縮まって(物理)からの関係性の変化に、読んでいる側もハラハラしたりドキドキしたり、心が締め付けられるように苦しくなったりしてとっても楽しかったです。
嘉島先生の作品は夜明けのポラリスで知りました。
先生の作品に私がすごく思うのは『人のこころが繊細であることを余すことなく描写してくれる所』が本当に魅力的だということです。
そうやってひとりひとりの感情を大切にできるのは、ちあき先生が常日頃から人の気持ちを大切にしているからこそなのかなとよく思います。
みさきさんはずっと『自分はゲイだから幸せにはなれない。たとえ幸せな瞬間があってもずっと幸せではいられず、いつかは思い出になってしまう』って自分で自分に呪いをかけてがんじがらめになっていて心に空いた穴が埋まらずにいて…のような感じでしたが、その寂しさの穴を埋めたのが御門くんでよかったなと。
御門くんがいう通り『まわりが何を言おうと自分が感じたその気持ちは本物だからそれを蔑ろにしちゃいけない』みたいなやつ、本当にその通りですよね。
人は周りの意見に流されやすく、世の中の一般論があたかも自分の思いだと心を痛めてまでして自分自身を知らず知らずのうちに呪ってしまっていることってよくある事だと思うんです。
本当は、その瞬間の自分がどう感じていて、それに対してどうしたいかという気持ちを第一にするものなんですが、どうしてか意味不明な周りの意見を優先しちゃうんですよね…
でもそれってみさきさんのように拭えないつらい過去があったり、はたまた蓄積された苦しみが人格を変え自信がなくなってしまうことからくると思っていて、それを救い出すことって本当に難しいことなので作中本当に心が痛くなってしまいました。
極論、当人を苦しみの底から救い出してくれるのは自分が大切に思っている人や物など自分以外の何かだと思っているので、最後の2人が本当にしあわせそうにしていて、それで涙が止まらなくなりました。
『どちらかが沈んだらどちらかが引き上げる』
そうやって人のこころは紡がれていくものなんだなと。
この作品に出会えて本当によかった。
本当に素敵な作品をありがとうございます。