いつか友達じゃなくなるとしても
」のレビュー

いつか友達じゃなくなるとしても

カサイウカ

感激しました。こんな人たちと出会いたい!

ネタバレ
2026年5月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ カサイウカ先生のデビュー作なのですね。
あらっオジサマ以外もお描きになるのですね(笑)
DKもすごく素敵ではないですか。それでもやはり父ちゃんの魅力が際立ってましたけどね!
「うちの決定権は親父にある」真の人格者が決定権を持つこの家は最強です。それも無闇矢鱈に振りかざすわけではない、ここぞという大事な時だけ。これぞ大黒柱。とにかく両親共に心が広く大らかで子煩悩、そしてこの歳になっても妻を溺愛で家の中でも投げキッスが飛び交う。子供たちが愛情たっぷりに育つのが納得です。

小谷柊平と真島朋巳(トモ)は幼馴染の高校生。小さい頃事故で柊平の片目を失明させてしまったことにトモは呵責の念を抱いている。眼科の先生が言うように子どものケンカの事故だったとしても割り切れなさが残り疎遠になってもおかしくないくらい失明ってとんでもないことだと思うんだけど、柊平の家族はトモを昔も今も変わらず暖かく受け入れ続けているんです。子沢山の大家族でいつもワチャワチャ楽しそうな小谷家は、複雑な家庭環境で一人ぼっちで暮らすトモを当然のように夕飯に呼び、泊まらせる。柊平は弁当まで作ってくれる。当の本人もトモを責める発想すらない。こういう人たちなんでしょうね。もう優しいとかのレベルじゃない。
そしてトモは柊平に片想いしている。この作品で舌を巻くのは、呵責の念と恋心をきちんと分けて読者に伝わるよう描いているところです。柊平への恋心に贖罪みたいなものをチラとでも感じてしまったら、読者も柊平も、またトモも悲し過ぎますからね。ここがほんとうまいなと。
柊平も無自覚だったけど実は両片想いで、自覚後の言動がまた男らしい。ここで忘れてはいけないもう一人の登場人物トモの兄貴。無骨で粗野な印象ゆえ柊平とやり合うが、私は彼すごくお気に入りです。不器用だから他人には伝わりにくいけどただトモの幸せを考えている愛すべき兄貴です。柊平も本当は分かっているはず。
ぶっきらぼうながらもトモを任せてくれた兄ちゃんにも感謝だけど、何よりラストの父ちゃんの言葉ですよ。ぐわーってきましたね!!

こんなの漫画だからだ、理想に過ぎないという声があったとしても、漫画だからこそ描ける優しい世界を私は見たいし、何なら現実にもこんな人たちがどこかにいると信じてはだめですか。
私はこの作品最高に感動しました。
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