死に戻り王子、底辺の兵士から運命をやり直す
」のレビュー

死に戻り王子、底辺の兵士から運命をやり直す

芹沢まの/笠井あゆみ

構成がすごいし、もっと読みたい

ネタバレ
2026年5月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 厚みのある作品にも関わらず、スラスラ読めて読み応えはたっぷり。そして物語の構成が凝っているなと感じました。

主人公の受けカイル、格好良かった!
傍流の王子として周囲から軽視されて育ち、「自分にできることなどない」と諦めモード。6年ぶりに会った攻めとの再会も思うようにいかず、すれ違い。序盤はツライ展開が続きます。
だけど、芯があり、どんな時も前を見据えて進むような強さがあって。"彼なら何とかしてくれる"気がしてしまう格好良さがあった。

対する攻めのグレン。圧倒的に強くて恐れられているけど、身分の低さゆえ周囲から疎んじられてしまう孤高の存在。

この二人がお互いを認め合いながら、心を通わせていく過程がグッときました~。
しかも、攻めは無愛想な一匹狼のくせに、受けには素直な感情を見せる一面があって可愛い。割とストレートに口説きにくるんです~。(好き)

二人の恋愛ごとだけでなく、権力の使い方や身分の差。王子として育った受けが知らずにいた社会的な問題などもきっちり描かれています。

そうしたことをやり直しによって、自身で経験し、考え方を改め、成長していく受けを応援したくなったし、遂に受けが「自分が国を背負う」と決めたとき、最高に痺れました!

少しだけ心残りは、今世に戻ってからの、すれ違っていたグレンとの恋の成就をもう少し描いて欲しかったこと。パラレルワールドのやり取りは今世では一応なかったわけで…身分の差ゆえ頑なに王子に距離を取ってたのに、ちょいあっさり?
スピード感のある展開の中だったけど、ここもう少し分量が欲しかったなと思います。

それにしても芹沢先生の読ませる力はすごい。作家買いします。
こちらは続編とかないかな?待ってまーす。
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