親なるもの 断崖
」のレビュー

親なるもの 断崖

曽根富美子

救われない現実

ネタバレ
2015年8月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックシーモアでの公開を心待ちにしていました。北海道室蘭に実在した遊郭で、本当に辛い、生き地獄の日々を暮らす遊女たちの物語。貧困と戦争へと向かう世の中に翻弄されてゆく姿が、ただただ辛いです。遊郭というと江戸時代を連想しがちですが、昭和の時代まで公的に存在していたんですね。しかも遊女=華やかさが描かれがちですが、そんな作品とは一線を画した、これが現実に行われていた扱いなんだと思い知らせてくれる漫画です。堕胎の方法とか、酷すぎる…。第2部のラストが少し救われる終わり方で良かった。復刊を機に、多くの人に読んでもらいたい作品です。
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