春夏秋冬代行者 春の舞
」のレビュー

春夏秋冬代行者 春の舞

小松田なっぱ/暁佳奈/スオウ

奥深いストーリーと巧みな物語構成

ネタバレ
2026年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 物語序盤ではなかなか入り込めないかもしれないのですが、お話が進んで何となくの輪郭が掴めてきたら、もう‼︎…のめり込むしかない世界観です。
冒頭の〝春〟を訪れさせる役目の「雛菊」なる人物の喋り方の違和感と春が忘れられていた原因・・・物語は『なぜ…⁇』を語ってくれません。なので、物語に〝とっつきにくさ〟は感じられるかもしれません。かくなる私自身も、何回も序盤で挫折した者です。
けれどソコを乗り越えたなら、物語の奥深さと、作り込まれたストーリの巧さに引き込まれ、登場人物たちの背景(生い立ちや過去に起こった数々の事件等々)が、それぞれの季節をつかさどる『代行者』なる人物同士、又ソノ護衛官たちの繋がりや関係性にとても興味が湧いてきます!

原作が『ヴァイオレット・エバァー・ガーデン』の作家さま。
お話の進め方は同じような展開。
初めに〝現在〟の状況での周りや主人公の気持ち、どう生きているかなどの表現があり、過去と現在の交錯した場面があり、過去の出来事が紐解かれる・・・そして未来へ・・・
この『春の章』の主人公も壮絶な生い立ちがあり誘拐された事実と、どう戻って来れたかなどが丁寧に語られます。
6歳で拐われ、自分は一度死んだと言い、あの頃の自分はもういないと言う・・・
そして、〝賊〟と呼ばれる敵対する組織との壮絶な闘い。少女漫画枠を越えた構成だと思います。

『バイオレット・エバァー・ガーデン』のストーリー展開も本当に最後の最後までに辿り着かないと真実を知ることができませんでした。(結末は号泣)
読み手の叙情は刺激され感情は言葉では尽くしがたく涙になってしまう・・・そして物語世界に誘(イザナ)われ、のめり込んでしまうのです。
本作も〝春〟だけでこれほど気持ちを持っていかれてしまったら、物語が完結する頃には精神が呆けてしまいそう・・・
夏の双子の片方の展開は「えッ・・・」と息が止まりそうでした。

ぜひ沢山の方に知ってほしい作品です!
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