モブサイコ100
」のレビュー

モブサイコ100

ONE

不器用で真剣でありふれた成長譚

2026年7月18日
1〜15巻は195ページ前後、16巻243ページ。
強大な能力、次々と襲いかかる敵、そんな現実からは程遠い少年漫画らしいバトルで彩られた、とても身近な成長譚。
主人公・モブのたどる成長の道筋は、誰もが通るもので、そのありふれた日常的な「モブ」の成長を丁寧に描いたこの作品は、「少年漫画」の最高峰と言っても過言ではない。不器用で真剣で、「信頼」という価値観によって支えられている、世界はこうあってほしいしこうあるために努力しようと思うのです。
多彩なキャラクターは魅力的、そして個人的には兄弟関係の葛藤とか絆がすごく良くって満足です。あと、師弟関係に「歳の離れた友達」要素も混ざっている感じ、モブと霊幻の一言では表せない関係性がものっすごく良いです。

さて、この作品が好きな人は9割9分9厘「霊幻新隆」が好きだと思うんですけど、私も大好きです。
詐欺師ではあるんですけど、なんか根っこが真面目。「除霊」と称してやってることはマッサージ……なんだけどそのマッサージ術は正攻法で努力して身につけたものであり、マッサージに対しての正当な料金しかもらっていない。ぼったくらないんですよね。
子供が出入りするならって禁煙するのも好き。
そして何より、モブを等身大の「中学生」として接していて、モブの能力を利用してはいるものの、いざという時はモブを「逃がそう」とする、中学生を自分の後ろに庇うという至極まっとうな大人ムーブをするんですよね。こういうところ、間違いなく彼はモブの「師匠」であるし、特別な超能力が無いのに常にモブを「助けよう」とするその行動は、誰にでもできることではない。作品の「もうひとりの主人公」として、モブと並び立てる唯一のバディでした。最高。

絵に関しては下手だのなんだのと言われていますが、小綺麗ではないかもしれませんけど構図や描き分け細部の描き込みなど、とても「上手い」です。不器用で真剣という点では作品世界とリンクしていて、この絵でなければこの作品は完成しないと言って良い……作画担当が配置されなくて本当に良かったです。

あと、私の脳内では、モブとツボミちゃんは結婚してて、律くんがちょっと怯えつつ義姉に接している、そんな未来が見えています。絶対そうなるって信じてる。
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