豚飼い王子と100回のキス
」のレビュー

豚飼い王子と100回のキス

海野つなみ

丁寧な物語

ネタバレ
2015年8月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんが後書きで「しっかりとした物語と下品にならない描写、そして雰囲気だけで流してしまわない臨場感。そういうものを意識して描いて行きました」と書かれているように、ゆっくりと丁寧に物語は進みます。
シンプルな絵柄や構図がステキです。

豚飼いと王子、王女と召使いという相反する立場が、同一人物でありながらも性格や行動を変えて行き、王子は自分自身である豚飼いに嫉妬すら感じるのです。
最終的に「めでたしめでたし」で終わるのですが、童話という短いお話に、このようなエロチックな場面と感情の複雑さがあるとは想像がつきませんでした。
母となった王女の表情の美しいこと。末永くお幸せに。
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