春呼ぶけものは白を溶かす【単行本版】
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春呼ぶけものは白を溶かす【単行本版】

佐々山彰

風呂敷を広げすぎた印象

ネタバレ
2026年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 途中まではすごく良かったんですけど、後半は風呂敷を広げすぎて、ご都合主義っぽい展開が続いて少し萎えちゃいました。

村の人間が皆〇しにされてるのに、その国に乗り込むの?しかもハイジおじちゃんが苦労して逃がしたチビわんこたちまで巻き添えにするの?と、そこはどうしても気になってしまって…。

その後も、うまく老兵が地下のことを知っていて、たまたまハイジが囚われている牢の床から出られて…と、話の都合でうまくいきましたという展開が続く印象でした。BLはファンタジーだと思っていますが、こういうストーリー上のご都合展開は少し冷めてしまいます。

あと、王まわりの設定も最後までよく分からなくてモヤモヤしました。王もほとんど深掘りされないので、結局ボケておかしくなったとしか思えないというか…。

国王が父ということは、ハイジやチビわんこの母(ハイジの妹)は王子や姫ってことになるはずなのに、すごく庶民的というか村人みたいな暮らしをしているし、どういうことなんだろうと。番は変えない設定なら他の母の子どもがいるわけでもなさそうだし、世襲制ではないってこと?それなら理不尽な王に仕え続ける義理もなくない?とも思いました。
ハイジも王子なのにあんな扱いを受けてるし、裁判にかけられたあと結局どうなるの?〇刑?王子は他にもいるの?と、気になることが続々…。

シロタも、助けられたあとに村人と一緒に〇にたかったみたいなことを言ってハイジを責めたてていたわりには、その後ケロッと立ち直ったように見えて、そこも少し引っかかりました。

こんなに風呂敷を広げるなら話数が足りないと思います。1巻でまとめないといけないなら設定を盛り込みすぎで、収まりよくしようとして逆に不自然に感じました。少なくともこのストーリーなら3〜5巻くらいかけて描いてほしかったです。

絵は本当に上手くて綺麗だったので、ストーリーがもう少し丁寧に描かれていたらもっと好きになれた作品だと思います。チビわんこたちも可愛かったし…。
だからこそ、もやもやが残ってこの評価です。
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