悪食
」のレビュー

悪食

宮緒葵/みずかねりょう

様々な人間の時を超える想い

ネタバレ
2026年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【一巻】泉里の兄、明雅は当主と血の繋がった長男であること笠に着てやりたい放題アニィだったので退場してくれてよかった。泉里さんの話だけて一冊丸ごとやれるくらい本当はボリュームのある話だったと思います。雑誌掲載分なので仕方ないですが、よくまとまっています。後半は槇さん初登場。この人、この後も長いお付き合いになると思って読んでいませんでした。個人的に槇さんの冷静な感じも好き。泉里さんと並ぶとバランスの取れたお二人です。
【二巻】桜庭さんの絵を見たことによって描くことのいろんな側面が見えてきた水琴。だんだんと重い男の片鱗が見えてきた泉里。水琴のことは、自分だけの大切な箱に入れてしまっておきたい…本当はそんなところでしょう。水琴は水琴で、慧に愛人とか言われてショック受けてしまう。少しずつでも本音を共有して絆が深まる2人。後半は妖精画家偽物事件。
【三巻】前巻にも出てきた雪輪。彼は一体何者なのか?一冊丸ごと橋本父親殺害事件。橋本くんが大変な時に泉里さん、水琴のことが大切すぎて壊れてしまいます。水琴のことは鎖に繋いでしまおう…みたいな感じ。2人共倒れになる前に槇の元へと逃げます。これ、自分恋人だったらかなりツラいかも。自分のそばにいても幸せになれないけど、離れていても相手のことしか考えられなくて、でも次に顔を合わせたら自分がどうなってしまうのかわからない恐怖。
【四巻】俳優の黒江氏の話を経て一層強まる雪輪の存在感。黒江さんは苦労ばかりして亡くなったイメージ。水琴もシリーズの中で最もツラい目に遭います。水琴も泉里がいなかったら立っていられなかったかも。四巻目を読んだらすぐ五巻を読むことをおすすめします。
【五巻】感動の大団円!!!これまでの謎一気に回収されていくんですが、本当に最後の最後、ラストの1行を読むまで目が離せません。始まりは終わりの始まりとか言いますが、このラストはその終わりすらも永遠に見失ってしまった感じ。全ては繋がっている。円環。マジで読んで欲しい。読んだ人だけが得られる体験。黎明の絵、一巻をぜひみんな見て欲しい。
やっぱり宮緒葵先生の描くメンズにはやや狂気的な血が宿っている。その病的ともいう執着、強い想念が現代に泉里を生み出したのだと思うし、水琴が生きて画家になることが出来た理由と思う。本当に読んでよかった。宮緒先生の最高傑作と言ってイイと思います。
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