泣いてみろ、乞うてもいい
」のレビュー

泣いてみろ、乞うてもいい

VANJI/Solche

猛暑の日々の優雅なひととき

2026年8月7日
試し読みで、あまりの画の美しさに感動し既刊分(6巻まで)を購入、高価格なのでクーポンを最大限に利用した。肉親のいない娘と貴族の男性が絡む話にただ幸福な未来が用意されているはずがない。外サイトであらすじを追って、どうやらこういう結末になるらしい、ということは分かった。完結まではかなり長くかかりそうなので、覚悟して付き合いたい。
とにかくアルビスの森の描写が美しい。レイラが木に登ってシュルター川を眺めている場面、その川でマティアスが泳いでいる場面、木々の木漏れ日、咲き誇る薔薇。画面を見つめてうっとりしてしまう。現実世界は猛暑にうんざりする日々、この作品を観ている時間は優雅なひとときを過ごせる。建物や衣装も、微細な部分まで美しく描かれている。
人物描写もまた素晴らしい。美しく可愛い、それでいて強い意志を持つレイラ。いかなる時も端正な、だがレイラに関わると冷静さに乱れが出てしまうマティアス。愛のない婚約だと割り切っているがレイラに複雑な感情を抱くクロディーヌ、個人的にクロディーヌの顔立ち、目尻より目頭の二重の幅が広いように設定されているところが効果的だと思う(理由や根拠はないけれど)。レイラひとすじに寄り添って成長してきたカイル。ほぼ他人同然のレイラを引き取り育ててくれたビルおじさん、ビルおじさんのビジュアルはめちゃくちゃ好ましい!彼の存在も購入理由の一つである。
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