「門限8時の恋人
」のレビュー

門限8時の恋人

じゃのめ

愛を埋め合う二人

ネタバレ
2026年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく素敵な話で、読むにつれ引き込まれて、幸せを感じながら読めました。ショップ店長で、肩の力がちょっとだけ抜け過ぎ感のある平と、年齢を偽り実はまだ高校生だった糸衣が、お互い出会いのきっかけは恋愛感情でなくても、一緒に過ごす度に少しずつ、相手のことを好きになっていく顛末がすごく良いです。
それは相手のことを知る度に、良いなぁと感じていけるような人柄を持つ二人だったからで、お互いの、恋人を求める温もりと優しさと滲み出る心の愛らしさが、二人の抱えているちょっと傷付いている心に染み渡って、癒されて、幸せだと涙を流す姿がすごく幸福感に溢れていたから、こちらまでその幸せが伝わってきました。
優しくて相手を大事に愛して将来まで考えてくれる平を重いと貶すような人と付き合ってきて、好きの先が続けられるか臆病になる平と、午後8時に帰る願掛けに縛られながら寂しさを抱える糸衣が、好きだという気持ちだけで素直に一緒にいたいと思うようになって、最後は若者の方が逃げずに向かっていき、気持ちが通じ合って良かったです。臆病になる大人と一歩前に出ていける若者、大きく包み込んで愛する大人と、指先まで愛される喜びを初めて知る若者、大人と若者がそれぞれ本気の恋に落ちていく姿がじんと沁みてきました。特に、平から与えられる愛情に心が満たされ、幸せで溢れる気持ちを初めて知る若い糸衣の表情が、見ていて本当に愛らしくて幸福感を感じます。
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